エントランスのオートロックや、画面付きのインターホンに加えて、マンションのセキュリティで欠かせない設備なのが防犯カメラです。しかし、個人で設置したことがある場合を除き、防犯カメラが持つ機能を知っている人は少ないのではないでしょうか。防犯カメラの特徴を理解しておけば、普段のセキュリティへの意識が向上するだけではなく、万が一のトラブルにも慌てずに対応することができるでしょう。ここでは防犯カメラの特徴や役割について解説します。

マンションにある防犯カメラの役割

カメラという名称が示すように、防犯カメラには撮影や録画といった機能が備わっています。しかし、防犯カメラの最大の役割は、犯罪を抑止することです。人の姿や行動を記録する防犯カメラの存在は、人目を避けたがる不審者をけん制し、犯行を防ぐ効果があります。設置場所を工夫すれば、不審者の侵入だけではなく、自転車の盗難やいたずら防止にも効果を発揮するでしょう。また、資源ゴミの持ち去りや不法投棄の防止、ゴミ捨てに対する住民のマナー意識の向上にもつなげられます。

もちろん、防犯カメラが持つ犯罪抑止効果を最大限に発揮するには、相手に見える場所にカメラを設置しなければなりません。しかし、マンション内のデザインや景観を気にして、防犯カメラが目立たないようにしているケースもあります。撮影されているという意識が犯罪の抑制につながることを考えるならば、防犯カメラは目立つ位置に設置することが大切です。また、防犯カメラで撮影した画像を活用することによって、犯罪が起こったときの証拠としても役立ちます。たとえば、撮影された画像をもとにチラシを作成すると、住民への注意喚起を行うことができるうえに、警察への相談もしやすくなるでしょう。

防犯カメラにはどんな特徴がある?

防犯カメラの特徴は、モデルによって異なるものです。単純なスペックの違いのほかに、利用シーンによっても特徴が分かれています。そのため、場所や目的に応じて適切なカメラを設置することが大切です。一般的に、性能が良いといわれる防犯カメラほど、昼夜を問わず鮮明な映像を記録することができます。また、照明が少ない場所でも有効な赤外線カメラならば、夜間に侵入する不審者にも対応可能です。さらには、人相まで鮮明に確認できる、フルHD画質での録画に対応したカメラもあります。

防犯カメラはスペックだけではなく、形状にも違いがあります。マンションに使用される防犯カメラとしてよく見られるのは、ドアモニタータイプドーム型タイプでしょう。ドアモニタータイプは大がかりな工事が不要であり、取り付けしやすいのが特徴です。カメラとしての撮影範囲が狭いことを逆に利用して、プライバシーに配慮した防犯カメラとして使用することができます。一方、ドーム型タイプはマンション内の景観に配慮したモデルです。住民へ与える威圧感を軽減しながら、カメラとしての存在感も出せる、バランスに優れた防犯カメラといえます。天井や壁面があればどこでも設置しやすいのが特徴です。

また、防犯カメラを効率的に運用するための機器として、映像を確認できるモニターのほかに、映像データを記録するためのハードディスクレコーダーなども付属します。レコーダーは1ヶ月以上記録できるものもあり、バックアップの取得と併用すれば長期間のデータを保存することができるでしょう。なお、少し特殊なモデルとして、防犯カメラにそっくりの形をしたダミーカメラというものもあります。撮影機能は付いていないものの、通常の防犯カメラよりも機材コストを抑制することが可能です。設置場所やモデルに注意しながら、本物の防犯カメラと併用することによって、犯罪抑止の効果を期待できます。

さまざまな種類がある防犯カメラ

防犯カメラはマンションのどこに設置される?

マンションの防犯カメラが設置されている場所は、不審者が侵入しやすく、そして盗難やいたずらが発生しやすいところに絞られます。侵入経路として最も目立つのは、入口となるエントランスでしょう。マンションの顔であるエントランスに防犯カメラを設置することは、そこからの侵入を防ぐだけではなく、防犯意識が高いマンションであることを知らせる効果があります。

エントランス以外の設置場所としては、エレベーターがあります。各階への移動手段となるだけではなく、搭乗時は密室にもなるため、エレベーターホールとともに防犯カメラが設置されることが多いものです。また、空き巣を目的としたピッキングなどを抑止するために、各階の廊下に防犯カメラが設置されることもあります。

駐車場や駐輪場は盗難が発生しやすいため、防犯カメラの設置を必要とする場所です。一方、ゴミ置き場も資源ゴミの持ち去りや放火が起きやすいところであり、防犯カメラの設置が多いといえるでしょう。このような場所が屋外にあり照明が少ない場合には、夜間でも有効なナイトモードを備えたカメラが設置されることもあります。なお、マンションの構造や規模などによって、防犯カメラの設置場所は異なるものです。防犯意識を高めるためにも、住んでいるマンションの防犯カメラがどこに設置しているか、確認しておくのがよいでしょう。

録画画像は誰でも見ることができるの?

防犯カメラは不審者の撮影だけではなく、普段マンションに出入りする住民の様子も映しています。個人のプライバシーを侵害することがないように、録画画像の取り扱いには十分に注意しなければなりません。このような理由から、防犯カメラはマンションの共有設備として機能しているものの、誰でも録画画像を見ることができるわけではないのです。大半のマンションでは、防犯カメラの録画画像を閲覧するためには、理事会や管理組合の許可が必要であることを管理規約によって定めています。

もし、盗難や空き巣などの被害に遭った場合に防犯カメラの映像を確認したいときは、まず警察へ被害届を出すようにしましょう。プライバシーなどへの配慮から個人の参照依頼を受け付けていない場合であっても、警察を通じて依頼すれば管理組合や理事会も映像を提出しやすくなります。なお、防犯カメラの管理責任者は大抵、管理組合や警備会社、もしくはマンション管理会社のいずれかです。自身が被害に遭った場合に備えて、あらかじめ防犯カメラの管理体制も確認しておくようにしましょう。

防犯カメラのデータを保存するハードディスクは容量に限界があるので注意が必要です。さらには管理規則によって、データのバックアップに対しても保管期間を定めている場合があります。いざ管理者がデータを提出しようとしても、肝心のデータが消去済みでは意味がありません。すぐに映像を参照できるようにするためにも、トラブルに遭ったと感じたときには被害届や相談を迅速に行うことが大切です。

防犯カメラがあってもさらなる防犯対策は必須

マンションによっては、玄関前の廊下やベランダが外から侵入されやすい構造になっていることがあります。特に、1階部分や避難階段付近に住んでいる場合は注意しなければなりません。このような場合、共有設備としての防犯カメラだけに頼るのではなく、場合によっては個人での防犯カメラの設置を検討してもよいかもしれません。ただし、マンションによっては防犯カメラの設置が管理規約に抵触することもあるため、設置する場合はあらかじめマンションの管理者などへ確認しておく必要があります。

なお、防犯カメラには犯罪抑止の効果はあっても、物理的に犯罪を防ぐ機能はありません。そのため、もともとカメラの存在を無視して侵入してくるような相手に対しては、効果が薄いといえます。防犯カメラは絶対的な安全をもたらす機器ではないことに留意しながら、個人での防犯対策も心がけるようにしましょう。

たとえばドアのロックを二重にするだけでも、ピッキングによる空き巣への対策になります。また、少しでも不審に思った相手にはインターホン越しでの応答に留め、決してドアを開けないという意識を持つことも大切です。どうしても直接応答する必要がある場合は、U字ロックやチェーンロックをかけた状態で出るようにするなど、できる限りの対策を講じるようにしてください。

空き巣対策はしっかりしておきたいところ

防犯カメラだけに頼らない防犯対策を

犯罪を抑止する効果を持つ防犯カメラは、マンションのセキュリティ対策において必須です。住民の知らないところで、不審者がマンションに侵入してくるのを未然に防いでくれる頼れる存在といえるでしょう。しかし、防犯カメラそのものに不審者を直接止める力はありません。そのため、防犯カメラを過信するのではなく、個人でも防犯対策を行うことが大切です。思いがけないトラブルに巻き込まれた場合にも対応できるように、防犯カメラの設置状況や管理体制をあらかじめ確認するとともに、自身の防犯対策も強化しましょう。

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