タワマン高層階まで花粉は飛んでくる!? 構造を生かした対策とは?  

多くの人が花粉症に悩まされるこの時期。花粉症の人なら「高い場所なら花粉は飛んで来ないの?」と一度は考えたことがある人もいるかもしれません。そこで、タワーマンション高層階に住めば花粉症の症状は出にくいのかをリサーチするとともに、タワーマンションならではの花粉症対策方法についても紹介します。

タワーマンション高層階に住めば、花粉症を忘れられる?

花粉症に苦しむ人は、どこに住めばあの苦しい症状を避けられるのかと考えるはずです。絶大な飛散力のある花粉の影響は、一体どこまで及ぶのでしょうか? 今回は、住まいの高さの観点から花粉の威力について調べてみました。

日本のタワーマンション、高さNo.1はザ・キタハマ

「できるだけ高さのある場所に住みたい」と考えたら、まずタワーマンションが思い浮かびますよね。タワーマンションとは、従来のマンションと比べて高い住居用の高層建築物を指した名称です。明確な定義はありませんが、高層建築物の基準となる60メートルを超えるマンションがタワーマンションといえそうです。厳しい基準を設けられて造られたタワーマンションは、安全性や設備面で優れている点が多く、憧れる人も多いのではないでしょうか。

ちなみに、2019年3月現在、最も高いタワーマンションは大阪に位置するザ・キタハマといわれています。地上54階、209.35メートルの空に突き抜ける姿は、ランドマークとしても有名です。そのほか、208.97メートルを誇るザ・パークハウス西新宿タワー60や、203.5メートルのパークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワーなど、200メートルを超えるタワーマンションは各地に存在します。

スギ花粉の飛翔高度はどれくらい?

では、花粉はどの程度高く飛ぶ可能性があるのでしょうか。例年2~4月にかけて全国的に花粉が飛散し、花粉症の症状をもたらすことでも知られているスギ花粉をもとに調べました。

スギ花粉の拡散プロセスを研究した論文によると、ヘリコプターを用いた花粉計測の結果、地上300メートルで半数以上の花粉が計測されたというデータがあります(※)。また、風による影響なども鑑みた場合、さらに高い場所まで花粉が到達するシミュレーションもできるそうです。
そもそもスギは日本一樹高が高くなる木といわれており、大きなものは50メートルを超えることも。そんな“高身長”の樹木から飛ばされる花粉なのですから、一般の花粉よりも高く飛ぶのは自然なのかもしれません。
※出典:スギ花粉の放出と拡散過程に関する研究

タワーマンションに住んでも花粉からは逃れられない

残念ながら、タワーマンションをはじめとした高層建築物に助けを求めても、花粉症の症状から逃れることはできません。しかし、地上よりは花粉が飛ばないイメージが強いためか、高層マンションに住むと花粉症対策がおろそかになってしまうケースもあるそうです。

タワーマンションの設備や特徴を生かした花粉対策方法

タワーマンションならではの花粉対策とは?

では、タワーマンションでは、花粉に対してどういった対応をすべきなのでしょうか? タワーマンションの特徴や構造を生かした、花粉症対策に役立つひと工夫を紹介します。

対策1:エントランスのひと手間で花粉を除去

花粉症対策の基本は、外から中へ花粉を持ち込まないことです。マンションは入り口から住戸までの間に距離があるので、共用エントランスに入る前に花粉をはたき落とす習慣をつけると、屋内での花粉症の症状を和らげることができます。
また、共用エントランスに花粉除去用ブースを設置しているマンションもありますので、花粉症の症状がひどい場合は、こうした設備が整った住まいを選ぶのもひとつの手でしょう。

対策2:窓の開閉をしない仕様を生かして花粉ブロック

タワーマンションの高層階では窓の開閉が推奨されておらず、そもそも網戸がついていない場合がほとんどです。空気の入れ替えがしにくいという意見もありますが、花粉のシーズンならば、逆にこの環境は好都合でしょう。窓を開けなくとも換気ができ、空気の通りがよくなるよう設計されているタワーマンションの特徴を利用し、花粉の出入り口を断ち切ってしまえばよいのです。それには、24時間換気システムの給気口に花粉の侵入をブロックするフィルターを付けるなどの対策が役立つでしょう。また、ベランダで洗濯物を干せない環境も、花粉が服に付着して屋内に入ることを防いでくれます。

対策3:外出を少なくする

花粉症は、屋外の花粉を取り込んでしまうことによって起こります。極論ですが、外出そのものを減らしてしまえば花粉との接触は少なくなるといえます。
タワーマンションの多くは下の階にコンビニエンスストアや商業施設があるほか、駅から近いという特徴を兼ね備えているケースが多く、意識的に外出のタイミングを少なくすることが可能です。
さまざまなスポットへのアクセスの良さが魅力のタワーマンションの特徴を生かし、花粉が飛ぶ季節だけ行動パターンを変えてみてはいかがでしょうか。

タワーマンションと花粉の意外な関係性

つらい症状を少しでも軽くしたいものです

ここまでタワーマンションの高層階に注目した花粉症の対策方法を紹介しましたが、花粉症の方がタワーマンションに住むときに特に注意してほしいポイントがあります。ここからは、タワーマンションと花粉症との気になる関係性について紹介します。

高度の高い場所での花粉の動きは未知

花粉の飛散についてさまざまな研究が進んでいますが、高度が高い場所で花粉がどのような動きをしているかは、いまだ明らかになっていません。花粉は自重によって上空に滞留する時間が短いということはわかっていますが、タワーマンション高層階は強い風が吹く傾向があるため、一概に花粉が少ないとも言い切れないでしょう。

また、飛散の研究では、空気の流れが停滞する高度に運ばれた花粉も停滞し、花粉濃度が上がる場合があるといわれています。マンション住人を対象とした花粉の自覚症状についてのアンケートでは、12階でもっとも花粉の存在を感じる住人が多いという結果もあるそうです。
こうしたデータを元にすると、高層階に行くことが花粉症対策になるとは必ずしも言えない現状があります。

気圧が低いところではかゆみの症状が重くなる?

10メートル上空に行くごとに1hPa(ヘクトパスカル)減ることを考えると、タワーマンションの高層階は地上よりも気圧が低い環境に住むことになります。
気圧の変化が体に引き起こす症状はさまざまで、例えば雨の日の頭痛や肩こり症状の悪化などはよく知られています。実は、こうした体の変化の中には、かゆみに関わる変化があるのです。気圧が下がると、かゆみを引き起こす物質として有名なヒスタミンが分泌されやすくなるといわれているそうです。

少しでも症状が気になったら対処を

花粉症の症状は、悪化してしまうと仕事も家事も手につかないほどに苦しいものです。住んでいる空間では少しでも安らげるよう、今回紹介したような対策を試してみてください。
タワーマンション高層階なら大丈夫と思っている人も、少しでも症状の兆候がみられたら、病院にかかるようにしましょう。

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(最終更新日:2024.04.19)
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