この記事は、約6分で読めます

春は社内の人事が大きく入れ替わる時期でもあります。「突然、夫の転勤が決まった!」なんてケースも少なくありません。そんなとき、家族で引っ越すか、それとも単身赴任をして家族別々で暮らすか、悩みどころです。おまけに、マイホームを購入しているとなると、なおさら家族での引っ越しは大変。住まいをどうすればいいのかわからず、困ってしまうかもしれません。こんなとき、経験者は一体どうしたのでしょうか。3家族のケースを紹介します。

ケース1:持ち家あり・単身赴任の場合(Aさん)

まずは住居を購入している一家のエピソードです。結局、夫には単身赴任をしてもらい、家族がそのまま残ることにしたそう。

「戸建て住宅を購入していたので、異動が決まったときはかなり悩みました。家族で一緒に引っ越すとなれば、思い切って売ってしまうか、貸家として誰かに住んでもらうか…。その方法も多少は考えましたが、マイホームを売却してしまうのも悲しくて。そもそも、頑張って手に入れた持ち家を手放すなんて想像するだけで気が滅入りました。誰かに住んでもらうのも、手続きなどを考えると大変ですし。

結局、小学生の子どもがいることもあり、子どもの環境変化を避けるためにも引っ越しはしたくないなと思い、夫に単身赴任してもらいました。家族がバラバラで暮らすのは寂しいですが、私たちが引っ越さない分、面倒な手間は省けましたね。

ただ、想像よりも生活費がかかってしまったのは誤算でした。夫は会社の寮に入ったので、そこまで金銭的に負担はないと思っていたのですが、意外とかさむものです。とくに夫は料理ができないため、外食の回数も増えてしまいました。

とはいえ、やはり住み慣れた家を手放さなくてよかったと思っています。夫が帰ってくるまでは、子どもと大切に暮らしていこうと思います」(Aさん)

持ち家となれば、その家をどうするのかが問題になってきます。売却してしまうか、誰かに貸すという選択肢のほかには、帰ってきたときのために空き家のままにしておく手もあるかもしれません。ただ、誰も住んでいないままにしておくのは空き巣をはじめ、別の心配も新たに出てきます。

離れて暮らすことで生じるデメリットもありますが、数年で戻ってくることが想定されるならば、単身赴任を選ぶ人も少なくないでしょう。

さまざまな事情により、やむを得ず単身赴任を選ぶ家庭も

ケース2:持ち家あり・家族で引っ越した場合(Bさん)

マイホームを購入している一家でも、夫の転勤に合わせて引っ越したケースもありました。Bさん一家は、住んでいた家を空き家の状態にしているようです。

「憧れのマイホームを手に入れたとき、絶対に手放したくないと思いました。とても気に入っているし、思い出もたくさん詰まっています。誰かに住んでもらうという方法もあるでしょうけれど、それは気が乗らなくて…。

家族で話し合った結果、ローンを払いながら、とりあえず空き家の状態にすることになりました。一部の家具や使わないものを残しているので、倉庫代わりになっています。おかげで転勤先の家は荷物も少なくてスッキリ。新居はわりとコンパクトですが、必要なものしか持ってきていないので特に狭く感じません。

空き巣の心配や家のお手入れのこともあるので、月に1回は様子を見に帰っています。幸い、住まいと転勤先がそこまで離れていなかったので、定期的に家の様子を見に行くのはそこまで苦ではありません。一時帰宅したときに電気が通らないと困るので電気代は払い続けていますが、水道とガスは止めました。正直、水道も通しておいたほうが便利だと感じているので、水道を止めたのはちょっと後悔しています。

普段は住んでいなくても、マイホームにいつでも行けるというだけで気持ち的にウキウキします。またいずれ戻ってくるとなれば、住むところを探す手間も省けてスムーズですし。人に貸せば家賃収入になるので、少しもったいない気はするけれど、とりあえずはこのまま空き家として持ち続けたいですね。

ただ、空き家にしたのは転勤しても戻ってくる可能性が高かったからできたことです。もしも戻ってくる可能性がほとんどないなら、また考え直したかもしれません」(Bさん)

せっかく手に入れた我が家を手放したくない。それはマイホームを持っている人なら誰もが抱く気持ちではないでしょうか。転勤しても帰ってくる可能性があるのなら、なおさら手放すのは躊躇するところです。持ち家を手放さずに一家で引っ越すならば、選択肢は空き家にするか、誰かに貸すかでしょう。

空き家にする場合、電気・ガス・水道のライフラインをどうするかという問題が発生します。一時的に帰宅したとき、まず必要になるのが電気です。電気がなければ夜は真っ暗になりますし、場合によっては昼間でも暗いはずです。トイレや手を洗うときにも水道を使うため、止めてしまうと不便かもしれません。ガスの場合は、お風呂に入る場合などを除き、なくても電気で代用できる部分もあるでしょう。

転勤先が住まいから遠方であればあるほど定期的に帰ってくるのは大変ですが、空き家の状態で放置もできないのが困ったところです。海外転勤など容易に帰ってこられない状況になってしまった場合は、さすがに空き家という選択はできなかったかもしれません。
遠方に引っ越しが決まった家族の中には、「実家が近くなので、祖父母が代わりに管理してくれている」というケースもあるようでした。

ケース3:持ち家なし・家族で引っ越しの場合(Cさん)

最後は賃貸住宅で暮らしていたCさん一家の場合。すぐに家族全員での引っ越しを決めたそう。

「夫の転勤が決まったとき、迷うことなく家族で引っ越すことを決めました。家族がバラバラに暮らすのは大変だと以前から夫婦で話していたのでスムーズでした。そもそも、転勤になる可能性を視野に入れて賃貸マンションに住んでいたというのもあります。

とはいえ、マイホームに憧れる気持ちもありました。ただ、夫が転勤族なので、なかなか購入には踏み出せなかったんです。家を買ってしまうと後々困るだろうなと思い、当面は賃貸にしようと夫婦で話し合っていました。

もしも家を買ってから転勤が決まったら、売却して家族全員で引っ越すと思います。家族で一緒に暮らすことを優先しているので。

“定年退職したら、夫婦で暮らすマンションを買ってもいいかも”なんて話は夫婦でしています。そのときのためにも、今は持ち家購入用の貯金をしています」(Cさん)

賃貸から引っ越す場合は比較的スムーズな模様

転勤する可能性が高い場合は、最初から持ち家を持たないのも一つの手です。
また、家族で引っ越すとなると、共働きであれば奥さんが退職や転職を視野に入れることにもなるでしょうし、子どもの進学先も変わってきます。実際、「子どもが私立の中高一貫校に受かったばかりだったので、単身赴任することになった」というケースもありました。

サラリーマンである以上、辞令は突然出るものです。住まいの問題はもちろん、転勤が決まった場合はどうするのか、あらかじめ家族で話し合っておくことで、いざとなったときにも慌てることなく対応できるでしょう。大切なのは、あらゆる可能性を事前にシミュレーションしておいて備えることかもしれません。
持ち家がある場合はどうするか、単身赴任をするか…。各家庭によって、ベストな答えは変わってくるもの。どの道を選ぶにしても、家族でしっかり話し合って、納得できる結論を出したいですね。

おすすめ記事