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東日本大震災、熊本地震、大阪北部地震、そして北海道胆振東部地震。近年は甚大な災害をもたらす揺れが相次いでいます。人々の記憶から地震災害は消えることなく、むしろ次はどこで起きるのか不安が膨らんでいる状況です。

だからこそ、「家」をはじめとした「建物」は、いざという時に人を守ってくれる存在でなければなりません。

「地震に強い建物」を証明してくれる、地震対策工法「耐震」「制震」「免震」について改めて解説します。

タワマンでは震度がワンランクアップする

タワーマンションの20階以上の高層階では、体感する揺れが気象庁が発表する震度よりもワンランク上になるといわれています

首都圏のベイエリアをはじめ、都市部ではタワーマンションが雨後の竹の子のように建設されています。建物の構造にもよりますが、大地震が発生した際にタワーマンションの20階以上の高層階では、体感する揺れが気象庁が発表する震度よりもワンランク上になるといわれています。たとえば、最大震度5弱の地震でも、体感が震度6弱になる計算です。これでは建物が倒壊しなくても部屋では大きな被害発生やケガをする恐れもあるのです。

だからこそ、建物の耐震性を高める手法が重要になってきます。

「耐震」「制震」「免震」の違いは?

地震時に建物にかかる力に耐えられるようにするのが「耐震」。建物の揺れを抑えるのが「制震」「免震」と大きく2つに分けられます。

耐震補強された建物

1. 「耐震」…揺れに耐えること
柱や壁などの骨組みや壁面を強化することで、地震の揺れに対抗します。建物自体の強度を高める方法のため、建物の“しなり”は考慮されておらず、地面からの揺れがダイレクトに伝わってしまうというデメリットがあります。

2. 「制震」…揺れを制御すること
外壁と内壁の間に「制震ダンパー(振動軽減装置)」を設置することで地震の揺れを吸収し、振動を抑えます。建物に“しなり”を持たせるため繰り返しの揺れに強く、高層ビルなどの高い建物に適しています。

3. 「免震」…揺れから免れること
建物と地面の間にエネルギーを吸収する鉄球や積層ゴム製の「免震装置」を設置し、地面と切り離すことで建物に地震の揺れを伝えません。基礎から大きな工事が必要なためコストが高く、広い土地が必要だというデメリットがあります。

単独では「免震」がベスト?!

3つの工法はどれも建物の損壊を防ぐのに優れていますが、中でも近年「免震」に注目が集まっています。

2011年に発生した東日本大震災では、免震構造のビルは他のビルに比べて最大で3分の一の揺れに抑えていたという結果が出ました。

また、熊本地震の際には、熊本県内にあったマンションやホテル、市庁舎、病院など約20棟の免震建物には、特に大きな被害が無かったと報告されています。

2つを組み合わせる工法も

一般の住宅を建てる際、まずはしっかりとした強度を確保することが大切です。建築基準法では「数百年に1度発生する地震に対して倒壊・崩壊しない強度」とされている耐震等級1以上への適合が義務付けられています。さらに、住宅性能表示では、耐震等級2(等級1の1.25倍の強度)や等級3(等級1の1.5倍の強度)というランクがあります。このような“耐震性”を確保したうえで「制震」か「免震」をプラスするのが安心です。現在は「耐震」と「制震」を組み合わせる工法が多くなっています。

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