タワーマンションを購入するにあたり、豪華なエントランスや共用施設、個々のスペースは誰もがチェックするでしょう。そんな中で、見逃しがちなのが、エレベーターの状況です。特に新築マンションを購入する場合、エレベーターの待ち時間や使い勝手は想像して判断するしかありません。タワーマンションを購入したら、エレベーターを通じてどのようなことが起こる可能性があるのか、考えてみましょう。

タワマン高層階の洗礼は、入居時の引っ越しから始まる

荷物の搬入用に大型エレベーターを設置しているマンション以外は、大きなソファやダブルベッドなどは、入らない可能性も

タワーマンションの高層階で暮らす人が最初に直面するのが、引っ越し問題です。せっかくの新居ですから、こだわりの家具を揃(そろ)えたいところ。しかし、運搬方法を事前に考えておかないと、思いもよらない費用が発生するリスクや、そもそも搬入ができない可能性もあります。

荷物の搬入用に大型エレベーターを設置しているマンション以外は、入居者用のエレベーターを使って運ぶことになりますが、大きなソファやダブルベッドなどは、入らない可能性も。その場合、人力で階段を使って搬入するか、クレーンを使用して窓から搬入することになります。

しかし、タワーマンションのルールによってはクレーンが入れませんし、高層階住戸はそもそもクレーンが届かず搬入できません。全てエレベーターで搬入できる場合でも、何度も往復しながら引っ越しをするわけですから、作業時間も手間(人件費)もかかります。低層階と比べて割り増しの料金を求められる可能性があることを覚悟しましょう。

トランク付きエレベーターがあると安心!

タワーマンションで体調を崩し、救急車を呼ぶ場面が訪れるかもしれません。そんなとき、エレベーターにストレッチャーが入らなければ、症状によっては急病人を運ぶことが困難になります。
こうした問題を解決するのが「トランク付きエレベーター」です。エレベーターの奧に目を向けると、正面下部に扉が設置されていることがあります。通常は施錠されていますが、扉を開けると、中は空洞になっています。

奥行きを拡張することで、ストレッチャーを運搬することができるわけです。急病人を乗せたストレッチャーだけでなく、棺桶の運搬にも使われます。また、前述の引っ越しで大型家具を運搬する際にも、トランク付きエレベーターを活用できる可能性があります。大抵のタワーマンションには大型エレベーターかトランク付きエレベーターが設置されていますが、建物の構造や立地状況などによりどちらもないケースがありますので、事前に確認するとよいでしょう。

朝の通勤時間帯は大渋滞! 駅近なのに時間がかかる!?

「朝は1分でも長く寝ていたいから、思い切って都心の駅近マンションを購入した」なんて人はご注意を。せっかく駅前のマンションを購入したのに「エレベーターの待ち時間が長過ぎて、朝の通勤時間帯は早めに出ないと予定していた電車に乗れない」なんて本末転倒な事態に陥る可能性があります。

上層階に住んでいる人ほど、エレベーターの到着までに時間がかかり、1階にたどり着くまでも各駅停車状態。住んでいる階数によっては、やっと到着したエレベーターが満員で乗れず見送らなければならない可能性もあります。

最適なエレベーターの設置台数は?

エレベーターの渋滞を避けたければ、購入前にエレベーターの設置数を確認しましょう。適正なエレベーターの設置台数は100戸あたり1基とも、50戸に対して1基程度とも言われており、明確な基準はありません。

エレベーターの設置台数が多いほど、通勤時のラッシュが緩和されて快適に移動ができますが、設置費用やメンテナンスコストが増加し、大きな負担となります。また、1ヶ所に数基のエレベーターが並んでいる場合と点在している場合、高層階用と低層階用を分けている場合と分けていない場合など、同じ設置台数でも条件によって、待ち時間は変わってくるでしょう。さらに言えば、エレベーターと住戸の距離が近いほど移動はラクですが、人通りが多く、落ち着いて暮らすには不向きな側面があり、悩ましいところです。

一般社団法人リビングアメニティ協会HPより抜粋 条件は5分間輸送能力:4%/ 平均運転間隔:1台の場合90秒・2台の場合60秒 /乗客数:昇り 4人、降り2人 /階高:2.7 メートル

一般社団法人リビングアメニティ協会によると、エレベーターの適正な設置台数の決定は、エレベーターの輸送能力と平均運転間隔(待ち時間)で評価できるとしており、ひとつの目安になるでしょう。

エレベーターを扱う各社では、輸送能力と待ち時間に基づく「エレベーター交通計算」を行っており、ウェブ上で計算できるページを提供している会社もあります。興味がある人は、試算してみてはいかがでしょうか?

「階数格差」があるタワーマンションも!?

マンション内でママ友付き合いがある場合など、暗黙の了解で「階数格差」が生まれてしまい、気を遣うケースも

「タワーマンションの高層階に住む人=成功者」というイメージを持つ人は少なくないでしょう。実際に、同じ広さ・同じ向きの住戸であっても、眺めがよく、ステータス性がある高層階は、販売価格が高めに設定されています。

しかし前述の通り、高層階に住むほどエレベーターが到着するまでの待ち時間が長くなります。そうしたイライラが募っているからか、高層階に住む優越感があるのか、中・低層階に住む人がエレベーターに乗り込もうとするたびに冷ややかな視線を向けてしまう高層階住人もいると言います。悪いことをしているわけではないのですから気にしなければいい話なのですが、マンション内でママ友付き合いがある場合など、暗黙の了解で「階数格差」が生まれてしまい、気を遣うケースもあるようです。

エレベーターが使えないときは大変!

大規模地震が発生するたびに話題となるのが、タワーマンションのエレベーターが停止してしまう問題。最近のタワーマンションは安全性に配慮し、地震の揺れを感知したり、緊急地震速報の情報をキャッチしたりすると、最寄りの階で自動停止します。外部と連絡がとれるため助けを呼ぶことはできるのですが、震災時はたくさんのエレベーターが停止しますので、エレベーター内で長時間待機することになるでしょう。

その後も、余震が頻発している間はエレベーターを作動させることができませんし、復旧前に保守担当者による点検作業が入ります当面の間、階段で移動する必要があり、高層階に住んでいる人にとっては買い物に行くのも一苦労です。

また、エレベーターは年1回の法定検査と、月1回程度の保守点検を行うケースが多く、点検中はエレベーターを使用できません。全てのエレベーターを一度に点検することはありませんが、場合によっては不便に感じることもあるでしょう。

自身の生活時間帯やライフスタイル、家族構成によって、エレベーターとの付き合い方が変わります。タワーマンションを購入するときは、エレベーターの設置状況にも注目しつつ、何階の住戸を購入するか考えてみてはいかがでしょうか?

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