マンションの「内廊下」と「外廊下」、それぞれのメリットとデメリットって?

マンションを購入するときは専有部分の間取りだけでなく、共用部分についても確認が必要です。廊下もそのひとつ。廊下は住戸への出入りに欠かせないため、使い勝手について考えることが大切です。マンションの廊下には外廊下と内廊下とがあります。それぞれにメリットやデメリットがあるため、マンション選びをするときの条件の一つとして理解しておきましょう。

「外廊下」に「内廊下」マンションの廊下には2タイプある

マンションの住戸とエレベーターや階段などをつなぐ廊下には、「外廊下」と「内廊下」の2つのタイプが存在します。外廊下は建物の外に面する外気に開放されたタイプで「開放廊下」とも呼ばれます。一方、内廊下は建物の内側につくられたタイプであり、建物の外には面していません。こちらは、ホテルなど宿泊施設の廊下をイメージするとわかりやすいでしょう。

外廊下の解放感と防犯上のリスクとどう考えるかは判断の分かれるところです

外廊下の特徴について

外廊下タイプのマンションでは、廊下がマンションの外に面しているため、光や外気が直接廊下に入ってきます。そのため、住戸の玄関に面した部屋に窓が設置されることも多く、窓を開けると風通しがよくなります。さらに、日当たりのよい場所に廊下がつくられている場合は、住戸への日当たりがよいことも特徴のひとつです。

1.メリット

前述の外廊下タイプマンションが持つ特徴は、そのままメリットにもなります。光や外気を感じることから、外廊下のマンションは自然を満喫するには理想的といえるでしょう。窓から自然光を取り入れられるため、日中は電灯をつけなくても過ごすことができる場合もあります。このような利点もあり、外廊下タイプマンションでは開放感あふれる生活が目指せます。

外廊下タイプのマンションは、風通しのよさも長所となります。玄関側の窓と反対側の窓、2箇所の窓を同時に開けることで、室内に空気がこもるのを防げます。このようなメリットは、ニオイのきつい料理をつくったときの換気にも活用できます。

災害時に避難経路を確保しやすいことも、外廊下タイプが持つメリットのひとつです。階段が建物の外に面しているため、火災や地震が起きたときは廊下の柵(手すり)を乗り越えて逃げることができます。また、助けを求めるようすが外部からもわかりやすいため、救助の目安にもつながります。

2.デメリット

外階段タイプのマンションを検討する際には、デメリット面も把握しましょう。デメリットとして挙げられがちなのは、自然環境の影響をダイレクトに受けやすい点です。玄関を出るとすぐ外なので、冬場は寒く夏場は暑く感じます。風が強い日は、雨や雪が廊下に吹き込みやすいことや、舞い込んだ砂や埃が床を汚すこともデメリットのひとつです。

外廊下タイプの場合、上階にある廊下が屋根の役目を持っていますが、廊下に設置された柵の上部が空いていることから、雨風などを完全に防ぐことはできないためです。

外から廊下のようすが丸見えになることも、外廊下タイプのデメリットと言えます。各住戸の玄関がどこにあるかが一目瞭然だからです。特に、低層階では住戸への出入りがわかりやすいため、セキュリティ面を心配する声も少なくありません。また、マンションのすぐ外を人が通る場合、外廊下に面した部屋にいると外部のようすが気になります。防犯上の観点もあり、外廊下側の窓を開けるときは十分な注意が必要です。こうしたことは、どの窓を開ける場合にも配慮すべきであることはいうまでもありません。

内廊下の特徴について

ホテルライクな印象があるのが内廊下のメリットです

一方、内廊下タイプのマンションはどうでしょうか。内廊下タイプでは建物の内側に廊下がつくられており、外に直接面していないことが大きな特徴です。こちらはホテルなどの宿泊施設に多く取り入れられています。内廊下にすることで、雨風などの影響を防ぐのに役立ちますが、自然光が入らない設計の場合は昼間でも照明が不可欠になります。

1.メリット

マンションに内廊下を設置するメリットは、そのときの外気温や天候など自然環境の影響を受けないことです。各住戸の断熱効果が高いことも、内廊下タイプマンションならではの利点といえるでしょう。また、24時間換気や冷暖房の稼働により、内廊下の移動も快適にでき、雨に打たれるなどの心配がない点にも注目です。

内廊下タイプのマンションを選ぶと、ホテルライクな高級感を味わうことが可能です。廊下が絨毯敷きのところでは、自分や他人の足音が気になりにくいこともメリットといえます。さらに、廊下を挟んで両側に住戸がある関係上、外廊下タイプよりも廊下の幅が広くなっています。

内廊下タイプのマンションは、安全面を重視したい人にもおすすめです。玄関の位置など、建物内部のつくりは住民以外にはわかりにくいため、プライバシー保護にも役立ちます。また、オートロック付きマンションでは、不審者の侵入を防ぎやすいこともメリットといえるでしょう。もちろん、住戸の特定を避けるためには、帰宅直後に電灯をつけないなどの注意は必要です。

2.デメリット

外気の影響を受けないほか、プライバシー保護などに役立つ内廊下タイプのマンションですが、購入するときはデメリット面も確認する必要があります。まず、先ほどお話した、プライバシー保護というメリットは、デメリットとも言えます。外部からは内部のようすがわかりにくいため、それが死角になるリスクが避けられないからです。

また、内廊下タイプでは建物の内部に廊下をつくるため、昼間でも暗く感じることが少なくありません。それに対処するためには照明が必要になります。照明に掛かる電気代は、マンションの住民が支払う管理費に跳ね返ってきます。設備が充実すればするほど管理費の負担が大きくなることを知っておきましょう。

外廊下タイプとは異なり玄関側には窓がないため、通気性が悪いこともデメリットのひとつです。そのため、ニオイや湿気がこもりやすくなります。24時間体制で換気をしていても十分とはいえないからです。住戸内で発生したニオイの逃げ場をつくれないことも、内廊下タイプのデメリットといえるでしょう。内廊下タイプのマンションではホテル住まいのような雰囲気を味わえます。しかし、マンションはホテルではなく日常生活の場になります。そのため、ホテル住まいとは同じようにいかないとの認識が必要でしょう。

 

どのタイプのマンションを選択しても、非常口の確認は念入りに

災害が発生したときに、避難しにくいこともデメリットです。たとえば、火災が起きたとき、煙や有毒ガスが充満しやすくなります。また、外廊下タイプのマンションよりも避難ルートが少ないことが考えられます。内廊下タイプのマンションを探すときは、避難経路などを確認することが大切です。外廊下タイプのマンションを探す場合も例外ではありませんが、万一に備えて建物内外の設備について把握しておきましょう。

それぞれの特徴を理解して選ぼう

外廊下タイプのマンションと内廊下タイプのマンション、どちらにもメリットやデメリットがあります。外廊下タイプでは日当たりがよいなどのメリットがありますが、悪天候時の影響を受けやすいことがデメリットです。しかし、そのデメリットは、内廊下タイプのマンションでカバーできることもわかりました。ただし、内廊下タイプのマンションを購入するときは、災害が起きた場合に避難が難しいなどの点を考える必要があります。このように、マンションの購入に際しては、それぞれが持つ特徴を理解した上で、ライフスタイルに合ったマンションを選ぶことをおすすめします。

(最終更新日:2020.11.17)
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