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近頃、「健康増進型保険」と呼ばれるタイプの保険が多くの保険会社から発売されています。しかし、「何らかの『健康』に関する条件を満たした場合に優遇が受けられる」点は共通しているものの、各社各商品で、優遇内容も優遇条件もさまざまです。どんな商品があるのか、どんなときに利用したいのか、確認してみましょう。

健康のために頑張ることで、保険料が安くなる?

さまざまな商品がある「健康増進型保険」ですが、おおまかに分けると、“健康増進への取り組みが優遇に反映されるタイプ”と、“健康診断の結果などが優遇に反映されるタイプ”に分かれるようです。

住友生命「Vitality(バイタリティ)」

健康増進への取り組みが優遇されるタイプとしては、たとえば、住友生命の「Vitality(バイタリティ)」があります。健康増進乗率適用特約を付加した保険契約に加えて、「Vitality健康プログラム契約」を結ぶ(保険料のほかにVitality健康プログラム利用料が必要)ことで、初年度はプログラムを利用しない場合に比べて保険料の15%割引が受けられ、2年目以降は健康への取り組みに応じて保険料が増減する仕組みになっています。保険料の割引率は上限30%、割増率は上限10%。さらに、健康増進への取り組みに応じて、フィットネスジムの月会費割引やヘルシーフードの割引などの特典を受けることもできます。

Vitalityには、総合保障タイプと、医療保険タイプがあります。

東京海上日動あんしん生命保険「あるく保険」

また、東京海上日動あんしん生命保険の「あるく保険」は、その名のとおり、「あるく」ことが優遇につながるタイプの医療保険です。1日8,000歩歩くと、半年ごとの達成状況に応じて2年後に所定の健康増進還付金を受取ることができます。また、希望によってウェアラブル端末の貸出が受けられ、歩数を記録して健康づくりに役立てることができます。

健康診断データの活用で、保険料が安くなる?

第一生命「ジャスト」

健康診断書の提出などで優遇が受けられるタイプには、たとえば、第一生命の「ジャスト」があります。「ジャスト」の健康診断割引特約は、保険契約時に健康診断結果を提出すると保険料の割引が受けられ、同時にBMIや血圧等が基準(表1)を満たしていれば、さらに保険料が割引(健康診断優良割引)になる仕組みです。割引対象となるのは、定期保険や逓減定期保険、特定疾病定期保険などです。

【第一生命「ジャスト」健康診断優良割引の条件 【1】【2】【3】すべてを満たすことが必要】

【1】BMI 18.0以上 27.0以下
【2】血圧  最低85mmHg未満かつ最高130mmHg未満
【3】血液検査(受診日時点で40歳以上の方のみ) HbA1c 5.5%以下(HbA1cの結果がない場合は、血糖値100mg/dL未満)

ネオファースト生命「からだプラス」

ネオファースト生命の「からだプラス」も、健康診断のデータ活用で保険料が増減する医療保険です。契約時の保険料は年齢に応じたものになりますが、更新時には検診データなどの医療ビッグデータの組み合わせにより「健康年齢」を算出し、保険料に反映させる仕組みになっています。更新時の「健康年齢」が若いほど、保険料は安くなります。

「健康年齢」が実年齢より高いと保険料が高くなってしまうので、上限(更新時の実年齢+5歳の健康年齢にもとづく保険料)が設けられています。また、健康年齢判定日(更新日)には健康診断書等をネオファースト生命に提出する必要があり、健康診断書等を提出しなかった場合には、健康年齢判定日の実年齢に5歳を加えた年齢を「健康年齢」として、その年齢に応じた保険料が計算されることになります。

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「リンククロス」

また、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「リンククロス じぶんと家族のお守り」は、保険期間中に再度健康に関するチェックを受けて、保険料率が見直される機会(「健康チャレンジ!制度」)が設けられている収入保障保険です。この保険は健康状態によって4段階の保険料があるのですが、割高な保険料タイプで契約していた場合でも、「健康チャレンジ!制度」によって、契約日から2年~5年の間にあらためて健康状態の告知などを行って基準を満たすことができれば、その後の保険料が安くなり、それまで払った保険料の一部を「健康チャレンジ祝金」として受取ることができます。

【健康状態による保険料(月額)の違い】
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「リンククロス(収入保障保険)じぶんと家族のお守り」
35歳男性、基準年金月額20万円、保険期間60歳まで、最低保証期間2年の場合

標準体
保険料率
喫煙者健康体
保険料率
非喫煙者標準体
保険料率
非喫煙者健康体
保険料率
5,440円 5,240円 4,880円 3,640円

※参照:損保ジャパン日本興亜ひまわり生命ホームページより抜粋

まずは、自分のニーズと保障内容を確かめて

このように「健康増進型保険」は、「健康増進へのモチベーションが高まる」共通点はありますが、その保険種類も、「健康増進」に基づく優遇内容も、優遇の条件はそれ違います。「健康増進型」の仕組みが魅力的でも、医療保険に入りたいのにそのタイプがなかったり、死亡に関する保険に入りたいのに医療保険タイプしかなかったり、という場合もあります。

利用を考える場合は、まず、自分が必要な保障は何かを考えた上で、選択肢のひとつとして、必要な保障タイプのある「健康増進型保険」を検討されるとよいでしょう。とりたてて保険に入るニーズがなければ、いくら「健康増進型」の仕組みが魅力的でも保険料が無駄になってしまいます。健康増進の取り組みは、別途行いましょう。

また、「健康増進型保険」の中には、「健康増進への取り組み」結果等が思わしくなかったら、かえって保険料が割高になる商品もあるので注意が必要です。契約当初は健康増進への取り組みが評価されることや保険料割引などに引かれ、健康増進への意欲に満ちていても、その後、やる気が薄れてきたり、忙しかったりで思ったように健康増進への取り組みができなくなるかもしれません。その場合にはどんなデメリットがあるのかも確認した上で、「健康増進型保険」の利用を検討してみてください。せっかく「健康増進型保険」を利用するなら、「保険」としてのニーズも満たし、自分自身の健康増進へのモチベーションを高めるようなサービスを備えているかをしっかりチェックしておきましょう。

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この記事の執筆者
大林香世 ファイナンシャル・プランナー

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP(R)認定者

ライフプランから見て無理のない住宅購入計画やローンプラン、保険や相続、資産運用などの相談支援業務を行っている。各種セミナー講師、新聞・Webサイト等へのコラム執筆でも活動中。

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