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介護を必要とする人にとっては暮らしやすさが向上し、介護をする人にとっては負担の軽減をもたらしてくれるのが、介護ベッド。しかし実際に「使ってみたい」と思ってはみても、値段や機能、快適性や操作性など、本来知っておくべき重要なポイントについては知らない事だらけ。そこで介護ベッドの最新事情に注目してみました。

介護ベッドを取り囲む現状や今後の介護ベッドについて

現在、65歳以上の人の高齢者は、日本の総人口の約3割を占めています。2018年に総務省統計局が公開した人口推計においては65〜74歳の「前期高齢者」の人口が75歳以上の「後期高齢者」の人口を上回りました。また、もし自身が要介護者になった時、7割以上の人が自宅での在宅介護を望んでいるのも分かりました(厚生労働省調べ) 。そんな高齢者の在宅介護に最も重要なアイテム、それが介護ベッドです。

そもそも介護ベッドとは福祉用具のひとつで、主に利用者がベッドから起き上がったり立ち上がったりする動作を補助してくれます。今回、国内シェア第1位のパラマウントベッドの京橋ショールームに伺い、介護ベッドについていろいろと聞いてきました。

東京都中央区にある京橋ショールーム。睡眠関連商品や在宅介護向けベッドを数多く展示してある

今回、質問にお答えいただいたのは広報部の鈴木了平さん。まずは介護ベッドの機能や導入するにあたってのメリットについて伺いました。

「介護ベッドには主に、『背上げ』『高さ調節』『膝上げ』という3機能があります。『背上げ』は利用者が体を起こしたいときに、背もたれを好きな角度まで上げられる機能です。被介護者は、移動がスムーズになり、座った姿勢での食事が可能になります。
『高さ調節』は本体の高さを変える機能で、立ち上がりやすい高さに調整することができます。また、介護する側にとっては、自分の体の高さに合わせて設定できるので、腰への負担を減らせるというメリットがあります。

『膝上げ』は膝の部分を持ち上げ、背を起こした状態で座っているとき、体が足側へとずり落ちてきてしまうのを防ぎます。寝た状態で長時間同じ姿勢でいると血流が悪くなりがちになりますが、膝上げと背上げを交互に行うことで圧迫感を軽減し、足のむくみを防ぐ効果もあります」

パラマウントベッド株式会社『楽匠Zシリーズ(3モーションタイプ)』オープン価格(市場想定価格約30万円〜 )

画像3 パラマウントベッドが培ってきた技術とアイディアを結集した先進の電動介護用ベッド。用途に合わせて機能が選べるほか、サイズは幅、長さ共に2サイズ展開。樹脂製2種、木製ボード2種の計4種からフレーム素材を選べる

独自に開発された背上げ方法『ラクリアモーション』を体験!

今回、記者が注目したのは同社が独自に開発した『ラクリアモーション』という背上げ方法です。従来の背上げにベッド傾斜を加えて、「ズレ」と「腹圧」を大幅に減らした新機能で、傾斜して足先が下がることで、座った状態に近い姿勢をとることができます。

通常の背上げと、『ラクリアモーション』の両方を筆者が体験し、違いを検証しました。

従来の背上げのベッドでは、「ズレ」と「腹圧」に若干のストレスを感じました。特に「腹圧」は思いのほか不快で、身体を起こす度に感じるのはやはりストレスだと思います。続いて『ラクリアモーション』を体験。それまでは大きな変化はないはず、と思っていましたが、これが凄い! 

従来型ベッドの背上げは可動部のみが動くのに対し、『ラクリアモーション』はベッド自体が足方向に傾斜するという画期的な仕組みで、通常の背上げで感じたストレスはまったくなく、気が付けば身体が起きているような感覚でした。これなら日々快適に過ごせそうです。

『ラクリアモーション』を実際に体験している様子。ベッド自体が傾くという画期的な仕組み。起きあがったときの姿勢が安定して動きやすいのが特長。オプションのマットレスを使えば、更に快適に
通常の背上げ(写真左)と『ラクリアモーション』(写真右)

パラマウントベッドの「ものづくり」へのこだわりとは!?

「弊社の製品は多くの医療現場でご利用いただいています。たくさんの方に使っていただいているので、その分、製品に対する改善点も多くのご意見いただけます。それらの情報を可能な限り反映しています。例えば最近ですと、ヘッドボードにスマートフォンを収納できるポケットを付けたり、操作するスイッチの液晶を夜間でも見やすい白色液晶に変更するなど細部にわたり行き届いた製品をつくるように心がけています。重要なのは安全性です。弊社の製品は鉄の原材料から千葉の工場で加工しています。もちろんモーターや電装品もすべて自社で開発しています。利用者に安心して使っていただくために製品の耐久性も含めて自社生産により、責任を持ってつくっています。そういった部分がお客さまに選ばれている理由だと思います。」

パラマウントベッド広報部の鈴木了平さん。介護ベッド以外にも、良い睡眠についてもいろいろと教えていただきました

今後、介護ベッドは、どのように進化していくのでしょうか

「弊社ではベッドに搭載したセンサーにより、利用者が寝ているだけで脈拍数、呼吸数などの生体情報を測定できるシステムを開発しました。また、その計測した情報をインターネットを介して遠隔の医療関係者と共有する事により、在宅の利用者をサポートできるような仕組みを検討しています。今は医療施設や高齢者施設向けに販売していますが、それが在宅向けに実用化するまでにはそんなに時間は掛からないと思います」

介護ベッドは本来、介護を必要とする人のものと思われがちです。しかし、最近はその快適な寝心地や、映画鑑賞や読書時にも最適な優れたリクライニング機能、また、インテリアに馴染みやすいデザイン性の高さが評価され、普通の寝具としても受け入れられてきています。まずは日々の暮らしを快適にしてくれるアイテムとして取り入れ、将来的に介護ベッドとして使うという選択もあるのではないでしょうか?

お問い合わせ/パラマウントベッド株式会社

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この記事の執筆者
山本耕介 ライター

編集プロダクションで書籍や雑誌の編集の仕事を経て、ライターとしても活動を始める。好奇心旺盛な性格を活かして、モノ情報や新サービスなど皆様の暮らしに役立つ情報をお伝えします!

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