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マンションの購入を検討する場合、新築マンションと中古マンションという2つの選択肢があります。新築マンションと中古マンションでは、販売の仕組みそのものが異なっており、賢いマンション選びのためにはそれぞれの特徴を知っておくことが大切です。

このコラムでは、それぞれの特徴について詳しく解説しますので、理想のマンション選びの参考にしてみてください。

新築と中古の大きな違いは「売り主」

新築マンションと中古マンションの販売方法でまず違うのが、物件の「売り主」です。

新築マンションはデベロッパー確認を

新築マンションの場合、マンション開発を行うデベロッパーが売り主になります。デベロッパーはマンション建設の敷地を購入し、設計会社に建物の設計を依頼します。販売もデベロッパー自身が行うのではなく、依頼を受けた販売代理会社が行うのが一般的です。

販売代理会社の担当者が、興味をもって内覧に訪れた購入希望者に説明を行ったりモデルルームへの案内を行ったりします。そのため、購入者が直接デベロッパーと接することはありません。しかし、マンションを購入する際には、販売代理会社だけでなく売り主についても確認しておくことも大事です。

デベロッパーの会社情報は、上場している場合は株価や四季報などで確認することができます。その際には、宅地建設取引業免許番号を確認しておきましょう。カッコ内の数字は免許の更新回数で、大きいほど営業年数が経っており、実績のある会社だといえます。

また、国土交通省の認可を受けた公益法人に加盟しているかどうかという点も、信頼性を測るうえで重要なポイントです。

中古マンションは売り主が2パターン

中古マンションの場合は、売り主は家の持ち主である個人の場合と、不動産業者である場合の2つのパターンがあります。売り主が個人である場合は、間に不動産仲介業者が入って販売活動を行うのが一般的です。

個人と不動産仲介業者の間で結ばれる契約は、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類です。一般媒介契約の場合は同時に複数の不動産仲介業者に販売を依頼できます。しかし、責任が分散してしまいどの業者も熱心に販売活動を行ってくれないというリスクも否めません。それに対して、専任媒介契約や専属選任媒介契約であれば仲介先を1社に絞る分、責任をもって積極的に買い手を探してくれる可能性が高いといえます。

さらに、問い合わせ状況などを定期的に売り主に報告する義務もあるので、売り主としても対象マンションの反響がわかります。買い手が見つかり売却が行われた際には、売り主は仲介手数料を不動産仲介業者に支払う必要がありますが、期間内に売れなかった場合は手数料を支払う必要はありません。

売り主が不動産業者の場合は、業者自らが販売活動を行う場合と他の仲介業者に依頼する場合があります。自らが販売活動を行って買い手を見つけた場合は、仲介手数料は発生しませんが、他の業者に依頼した場合には仲介手数料を支払わなければなりません。

中古マンション販売の特徴として、販売価格は売り主が自由に決められます。その時期のマンション相場、需要があるマンションかどうか、室内の状態などを鑑みて、販売価格を決めていきます。中古マンションの場合は、買い手からの値下げ交渉も行えますので、売り主としては値下げ分の幅を含めて価格決定を行うのが一般的です。

新築マンション販売における「慣例」とは

新築マンションの販売には、業界特有の慣例があります。どの新築マンションにおいても共通して言えることですので、購入を検討している場合にはぜひ念頭に置いておきましょう。

完成前に売り出される

マンションの建設には時間がかかるため、新築マンションの場合は建物の完成前から売り出しが始まり、テレビや新聞などを通じて広告宣伝が行われます。一般的に、竣工予定時期の1年ほど前から販売が始まることが多いでしょう。購入希望者は、現物の代わりに間取りを書いた図面やモデルルームを内覧してマンションの購入を検討することになります。

モデルルームは購入者の購買欲を盛り上げるために、かなり豪華に作られている場合があります。たとえば、内装のほとんどがオプションであったり、通常の間取りとは大きく変えていたりするケースがありますので、どの部分がオプションなのかは担当者に確認しましょう。

また、販売当初は販売価格も未定の場合が多く、担当者に確認してもほとんど具体的なことを教えてもらえない場合もあります。デベロッパーはビジネスとして、マンション販売でできるだけ多くの利益を追求したいと考えています。

初期の段階で内覧に来た購入検討者の声などを参考にしながら、売れる上限価格を見極めて決定していくという流れが一般的です。

期分け販売がある

新築マンションの場合、規模にもよりますが、すべての住戸が同時に販売されるわけではありません。期分け販売といって第1期から最終期までと何回かにわけて売り出されるケースがほとんどです。

いくら人気のあるマンションといっても、すぐにすべての住戸が売れるとは限りません。1度の販売で戸数を区切ることの目的は2つあります。1つ目は、需要に対してどんどん残りが少なくなっているという印象を与えてマンションを完売しやすくするためです。

2つ目は、購入希望者が一気に殺到する状況を避けることで、営業担当者の負担を軽減させるためです。

第1期では価格が決まっておらず、初期の段階で内覧に来た顧客の意見などを参考にしながら、デベロッパーなどが販売価格を決定するという流れになります。

具体的な価格が決まっていない段階での購入を決断するのは難しい場合もあるでしょう。しかし、角部屋や南向きなど人気のある間取りから順番に販売されていくこともあるので、希望通りの部屋を購入したい場合は第1期での申し込みが有利です。

このほか、特定の間取りに人気が集中する場合もあり、仮に申し込みが重なった場合は抽選になるケースもあります。

たとえ、抽選から外れてしまった場合でも、後日キャンセルが出ることもありますので、購買の意思が強い場合はキャンセル待ちに申し込んでおくといいでしょう。第1期購入者からのクレームを避けるためにも、原則として期ごとで販売価格が変わることはありません。

しかし、狙いに反して需要がなく売れ残りが増えた場合は、稀に第2期以降から価格が見直される場合もあります。中古マンションと違って、新築マンションの場合は基本的に販売価格からの値下げ交渉などは行われません。さらに、内装にオプションを追加する場合は、販売価格にオプション料金も追加となりますので、その分の余裕も持っておく必要があります。

特徴を知って賢い購入を

マンションでも新築と中古では販売の仕組みそのものが異なります。マンション販売の仕組みは奥が深く、その分知識を持っておくことでほかの人よりも有利な立場で購入できる場合もあります。家は長く住むものですので、慎重に優良な物件を探すことが肝心です。

自分や家族にとって、理想の物件を探し出すためにも、新築マンションと中古マンションのそれぞれの販売の仕組みについてよく理解し、賢い判断ができるようにしましょう。

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