住宅購入レッスン 第一回:どこにどれだけのお金が必要か?

初めて住宅を購入するとなると、わからないことが多くて困る人が多いのではないでしょうか。購入に関してはどのタイミングがふさわしいのか、どのような費用が必要でいくらかかるのかなど、知っておいてほしいポイントが沢山あります。ここでは、戸建てやマンションを購入する際に、どんなことに気を付ければいいのか、複数回にわたって紹介します。

住宅購入に必要なお金って?

住宅を購入する際にかかる費用は、家そのものの、物件価格だけではありません。では具体的にひとつひとつ見ていきましょう。

売買手続きにかかる費用

家の購入時には様々な手続きが必要で、それに伴う諸費用がかかります。ここでは、その内訳や具体的な金額を紹介します。

・印紙税

売買契約書に印紙を貼り付ける形で支払います。1,000万円以上5,000万円以下の契約で住宅を購入した場合は2万円です。

・登録免許税

土地や建物などの物件所有権の移転登記に必要な税金です。固定資産税評価額×税率で算出されるため、金額は一律ではありません。さらに、登記などを依頼した司法書士に対しての報酬も必要です。金額は司法書士によりますが、8~20万円程度が目安です。

・仲介手数料

不動産会社に仲介してもらった場合は、会社に仲介手数料を支払います。必要売買価格が400万円を超える場合は、必要売買価格×3.24%+6.48万円が上限となっており、これも一律の金額ではありません。

・税金

固定資産税・都市計画税や不動産所得税などの税金もかかります。先の2つはどちらも固定資産税評価額から算出され、不動産所得税は固定資産税評価額×税率で計算されます。

ローンを組むのにかかる費用

ローンを組むときにも、様々な費用を支払わねばなりません。借り入れをするときに金融機関に支払う費用は2種類あります。

・融資手数料

2万~5万円程度かかります。

・事務取扱手数料

3万~5万円程度必要です。また、金融機関を通して保証会社に支払う、保証料というものがあります。具体的な金額は、ローン審査によって異なるため、保証会社に確認しましょう。

・保険料

万が一のときの備えとなる、保険料の支払いもローンの借入時に行います。建物や家財の損害に対する保険である、火災・地震保険料は、補償内容や契約期間によって支払金額が異なります。同様に、借り主に何かあったときにローンを完済するための保険である、団体信用生命保険料も、金融機関によって金額が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

頭金はいくら必要なのか?

住宅の購入時に支払う頭金。具体的には、いくらくらい必要なのでしょうか。実は、この頭金は0円であっても家を買うこと自体は可能なのです。しかし、頭金が少ない分、その後の支払いの負担が大きくなることを忘れてはいけません。将来的な負担を考えれば、資金は多めが理想です。

実際、住宅を購入した人の約3割が頭金を1,000万円以上貯めていたというデータがあります。最多なのは100万円以上500万円未満ですので、頭金を準備する際の目安にしてみてください。一方で、頭金100万円未満で住宅を購入した人も1割以上います。住宅ローンが低金利になっており、住宅ローン減税もあるので、頭金が少なくても購入する人が多いのです。

消費税はかかるの?

土地や個人が売り主の場合の中古住宅に関しては、消費税は発生しません。購入に伴う保険料やマンションの管理費についても課税対象外です。

住宅を購入するときに気になるのが、消費税です。消費税は、買い物をしたときに払う税金としておなじみです。しかし、戸建てやマンションの購入に対しても適用されるのでしょうか。実はこの消費税、かかる部分とかからない部分があります。新築マンション・戸建ての建物部分に対しては消費税がかかります。ただし、一般的に物件の販売価格は税込みで表示されるため、あまり気にかける必要はないでしょう。このほかには、新築や増改築の建設工事費や設計料などには消費税がかかります。仲介手数料、ローン借り入れ費用の一部、司法書士への報酬にも課税されます。

その一方、土地や個人が売り主の場合の中古住宅に関しては、消費税は発生しません。購入に伴う保険料やマンションの管理費についても課税対象外です。

考えておくべき購入後にかかるお金

住宅を購入するにあたっては、購入時だけでなく、そのあとにも費用がかかることを覚えておかねばなりません。住宅を購入したあとは、住宅ローンや住まいの維持費がかかり続けることになります。ローンは、ボーナスがある月に返済額を増やすこともできますが、基本的に毎月決まったお金を払います。しかし、維持費はマンションにかかる管理費などの毎月払うお金のほかに、突如修繕費用が必要になることがあるので、その分の貯蓄が必要です。キッチンやお風呂などの交換には200万~300万円、外壁や屋根の修繕には100万~200万円かかります。

家を購入する際は、頭金や購入諸費用の支払いに貯蓄を使い切ってしまうのではなく、購入後の生活も問題なくできるか、そして将来的にリフォームが必要になっても大丈夫かを考慮するべきでしょう。

住宅購入の流れはどうなっている?

実際に住宅購入に踏み切るために、ここで購入するまでの流れを見ていきましょう。

まずは、どのような物件があるのか、情報収集をします。気になる物件を見つけたら、実際に問い合わせをして、内覧に行ってみましょう。いくつか内覧したのち、物件の候補を絞り込んでいきます。そして、買いたい物件が見つかったら、いよいよ購入申し込みです。新築マンションの場合は、このときに申し込み証拠金として数万円のお金が必要になることがあります。申し込みの際には、同時に住宅ローンの事前審査も受けます。審査に通ったら契約ですが、その前に重要事項説明書・契約書をしっかり確認しておきましょう。その後、正式に契約します。契約が成立したら、住宅ローンの申し込みをして、ローン契約を結びます。

完成前に契約を行う新築物件の場合は、ここで事前内覧会が行われるので、仕上がりが契約通りかを確認しましょう。その後、残金決済に進みます。残金決済とは、購入価格から手付金を引いた金額を支払うことです。残金の支払いが確認されたら、物件の引き渡しが行われ、ついに入居できるようになります。以上が住宅購入までの一連の流れです。ただし、注文住宅の場合は物件の内覧がなく、その代わりに設計に関する打ち合わせや建築工事があります。

まずはお金をしっかりと準備することから!

住宅を購入する場合は、ローンを組むことになるのが一般的です。頭金はなくても買うことができますが、支払っておいたほうが破綻するリスクが少ないので、なるべく用意するようにしましょう。また、購入時には物件価格だけではなく、様々な費用がかかります。購入後もローンのほかに維持費がかかるので、そのことも考えてお金を準備しなければなりません。住宅を購入したいと考えている人は、まずはしっかりと貯蓄するよう心がけ、スムーズに購入できるよう準備していきましょう。

第二回では家を買う際に、おさえておきたい様々な”制度”について、まとめていきます。

(最終更新日:2019.10.05)
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