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マンションにある共用スペースは、マンション住人の全員が利用できるスペースとして認識している人も多いでしょう。しかし、「共用」という言葉の意味を正確に理解しているでしょうか。実は、意外なところにも共用スペースがあるのです。そこで、共用とはどのような意味なのか、マンションの共用スペース・専有スペースとは何かについて解説します。

共用とは何?

「共用」を辞書で調べてみると、「複数の人が共同で使うこと」といった説明がされています。マンションで共用という言葉が使われている場合は、基本的に「共用スペース」を指します。つまり、ほかの区分所有者である住人と共同で使用できる部分が、マンションにおける共用スペースなのです。共用と対になる言葉として「専有」があります。マンションは共用部分と専有部分で成り立っており、言い換えると専有スペース以外はすべて共用スペース、共用スペース以外はすべて専有スペースとなります。

共用スペースはマンション住人と共同で使うスペースであることから、合理性や妥当性のない利用制限はできません。たとえば、マンションの2階に住んでいる人に対して2階以上のエレベーターや階段の利用を禁止することはできません。区分所有者であれば、マンションの共用スペースを使用する権利を有しています。

ただし、エレベーターを長時間独占したり、屋上へ許可なく行ったりすることは基本的にはできません。他人の迷惑や危険が予知されるなど明確な理由があれば、共用スペースでも利用を制限することは可能です。個々の規約によってできることとできないことが定められているので、今一度マンションの管理規約を読んでみることをおすすめします。

共有との違い

「共有」と「共用」は混同されがちな言葉かもしれません。しかし、共有の場合は他者といっしょに所有するという意味を持ち、共用とは基本的に異なります。たとえば、一家に車が1台しかなく、複数人の家族が車を共同で利用する場合、「その車は家族に共有されている」と表現できます。そのため、一般的にマンションにおいては「共有スペース」といいません。共有スペースという概念は区分所有法にはないことからも、共有と共用は区別する必要があります。ただし、広義の意味において、マンションの共用部分は区分所有者全員が共有しているとみなすこともできます。

マンションの主な共用スペース

マンションにおける共用スペースには、まず「廊下」があげられます。基本的に自分の部屋の前であれ廊下に私物を置いてはいけないのは、そこが共用スペースだからです。ただし、マンションによっては住人全員の合意のもとで傘立てなどは置いておける場合もあります。

また、「階段」や「エレベーター」も共用スペースに該当します。こちらも私物を置いてはならず、掲示物がある場合もマンション住人にとって有益な情報のみが掲載されるのが普通です。

マンションの「エントランス」も共用部分です。エントランスには郵便箱や宅配ボックスが設置されている場合がありますが、それらに入りきらない大きな荷物がある場合も、エントランス部分に置いておくことはできません。

屋上」も共用スペースですが、多くのマンションでは立ち入りを禁じている可能性が高いです。それぞれのマンションによって異なりますが、たいていは許可を得てからでないと屋上に出ることはできないでしょう。

また、「郵便箱」や「受水槽」といった建物の付属物も共用部分に数えられます。ここであげたものはすべて「法定共用部分」という、区分所有法によって明確に共用スペースであると定められているものです。

忘れてはならない意外な共用スペース

マンションの共用スペースには、意外な部分もあります。専有スペースだと思っている場合も多いので注意しましょう。部屋に「ベランダ」や「バルコニー」がついているマンションは多いですが、これらは区分所有法によって法定共用部分と定められています。

また、マンションによってはベランダでの喫煙を禁止しているところもあり、これはベランダが共用スペースだからこそできることです。専有スペースである自室での喫煙は、第三者からの禁止を強要されても基本的に従う必要はありません。

マンションによっては、「専用庭」が設けられていることもあるでしょう。こちらは専用と名前が付いているものの、実際は共用スペースです。そのため、ゴミを置いたり草を生やしたりしておくことなどは原則禁止とされています。さらに、「玄関扉」や「窓枠」「窓ガラス」なども、一般的には共用物とされることが多いです。これは美観の問題などもあることから、所有者が勝手に変更をできないようにしているからです。美観が損なわれると建物の価値も損なわれると考えられるため、マンションの利益を守るためにも原則として共用物となっています。ただし、例外的に防音や耐震などの必要性がある場合においては、その限りではありません。それでも、管理規約に則ってリフォーム工事を行う必要があり、事前に許可を得なければならないこともあります。

専有スペースはどこ?

マンションにおける専有スペースは、部屋の「壁」や「床」「天井」に囲まれている居住空間を指します。区分所有法によると、「構造上および利用上独立している部分」という表現になっていますが、簡単にいうと302号室といった部分が専有スペースにあたります。ただし、コンクリート部分は専有スペースに含まれませんので、「中古マンションをリノベーションしたい」といった時、コンクリート部分を加工することはできません。どこまでが専有スペースなのか、注意しましょう。

各部屋には火災報知器・火災感知器が設置されているのが一般的です。これは基本的に専有スペースの付属物と扱われるため、区分所有者の専有物となります。区分所有法では、建物に有害だったりマンションの利益に反したりすることは禁止されています。したがって、火災報知器などが壊れた場合はすぐに自費で直さなければなりません。

共用スペースの使い方のマナー

共用スペースは誰でも気持ちよく使えるように、常日頃からマナーを守ることが大切です。部屋の外にある廊下やエレベーターなど、ほかの居住者が普段使うようなスペースには私物を置かないことが鉄則です。特に廊下や階段は、緊急時の避難経路にもなります。日頃から物を置かないようにすることで、いざというときに命が救われることもあります。また、故意に汚さないように、飲み物をこぼしてしまったなどのトラブルがあれば、自分から掃除をしておきましょう。共用スペースは何日かおきに掃除されるのが通例ですが、いつか掃除されるからといって汚したまま放置しておくのはマナー違反です。

さらに、ベランダやバルコニーも災害時の避難に使われるため、物を散乱させておいてはいけません。とりわけ、避難はしごや隣と隔てる壁付近に物を設置しないことを徹底しましょう。しかし、共用スペースだからといって、緊急時以外に階下のベランダへ避難はしごを使って下りていくことはできません。

共用スペースは共有部分でもある?

区分所有法には共有スペースという概念はないと述べましたが、分譲マンションを購入した場合には、共用スペースであると同時に区分所有者全員が所有権を持つ共有部分でもあるという考え方もできます。「専用使用権」は、共用部分や共用の敷地を排他的に使える権利です。たとえば、専用庭や駐車場、ベランダなどが該当します。ただし、排他的とはいってもあくまで債権的権利なので、ベランダや駐車場に緊急避難してきた人や車を追い出すことはできません。もしも排他的に使用する権利を主張するのなら、そのスペースを共有している人全員が同意しなければなりません。

共用スペースの使い方に配慮を!

分譲マンションの一定部分は共用スペースで成り立っています。共用スペースは自分たちだけでなく、マンションの住人やその客人たちも利用します。共用スペースを使う際には、ほかの居住者の使いやすさのことも考えながら利用する必要があります。常識やマナーに配慮して共用スペースを使いましょう。

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