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2018年は、大型の台風や豪雨、地震など、自然災害での大きな被害が急増した年でした。2019年を迎えた今、もしもの時のために、私たちはどんな準備をしておけば良いのでしょうか。防災啓発活動などを行うNPO法人プラス・アーツにお話を伺いました。

ライフスタイルの変化と共に、避難袋の中身も変化

電池式の充電バッテリーやラジオは必須アイテム

私たちは、いつ、どこで災害に見舞われるかわかりません。電車や地下鉄が止まったり、道路が寸断されたりすると、出勤先や外出先から帰れなくなることもあるでしょう。外出先で万が一震災に合った場合、被災地で一晩を越せるような必要最低限のグッズを揃えておくと安心です。

【常時携行するべきアイテム チェックリスト】

外出先で一夜を過ごす事態に備えた、最低限の持ち歩きアイテムです。

小型ラジオ・電池式バッテリー
携帯電話が繋がらない場合はラジオで情報収集。携帯の充電ができる電池式の充電バッテリーも必須

携帯用の薄型アルミ製ブランケット
保温性に優れ、雨をしのぐカッパがわりにも。音が気になりにくい静音タイプがベスト

小型ヘッドライト
停電時にはライトも必須アイテム。両手が空くのでヘッドライトが便利

自立式携帯トイレ
抗菌性凝固剤で便や尿を固めるケミカルタイプ。水がなくても使えるので安心

大判のハンカチ
マスクや止血帯、骨折時の包帯がわりに使える他、物を運ぶ際にも便利

口腔ケア用ウェットティッシュ
口内だけでなく、全身の衛生を保つために使えます

ホイッスル
助けが必要な時、自分の存在を周囲に知らせることが可能

電話帳
携帯を見ることができなくなった時に備えて、最小限の連絡先をメモしておく

※そのほか、栄養機能性食品をおやつがわりに持ち歩く習慣をつけていると◎

自宅への災害用備蓄も万全に

家庭用備蓄は“1週間分以上”の確保が必要

将来的に発生するといわれている『南海トラフ巨大地震』では、日本の広範囲に大きな被害が出ると予想されているため、都会では大量の被災者をすべて避難所で受け入れるのは難しいでしょう。また、地方では道路の寸断などによって孤立してしまう場所も出てくるはずです。そのような場合、被災者は自力で生き延びなくてはなりません。そのため、2013年5月に行われた国の有識者会議では「家庭用備蓄は“1週間分以上”の確保が必要」と発表されています。

【1】水

人間は1日に約2リットルの水が必要なため、単純計算をすると1週間分で14リットル(大型ペットボトル7本分)、家族4人の場合は56リットル(28本分)を備蓄しなければなりません。しかし、他の方法で水を得ることができるケースもあります。例えばエコキュートを使用している家では、貯湯タンクに数百リットルの水が溜まっているはずです。また、マンションの場合には貯水槽が設置されています。震災で停電が起きると、貯水槽から水を汲み上げるポンプが機能せず、各部屋の水が出なくなるケースが多いですが、貯水槽から直接水を出せる場合もあるので確認しておくと安心です。

自宅避難に必要な水は、1週間分で1人14リットル

【2】トイレ

大災害時にはトイレも使えなくなります。また、マンションでは汚水菅の破断で階下へ漏れる危険もあるので、水が流せたとしても使用しない方が良いでしょう。上下水道が安心して使えるようになるまでは、災害用の簡易トイレを使ってください。しっかりと水分を吸収して固めることができる“シートタイプ”がオススメです。

人が1日にトイレへ行く平均回数は5〜6回のため、家族4人で1週間に140回もトイレを使うことになります。製造メーカーでは、使用の度にシートをかえることが推奨されていますが、節約するために小便は3回、大便は1回で交換するという方法でも大丈夫です。

【3】ライト

LEDランタン3台と、ヘッドライトを家族の人数分用意しましょう。一人暮らしであればLEDランタンは1つでも大丈夫ですが、家族の場合はリビングとキッチン、トイレに1台ずつ照明が必要です。昔からよくある大型の懐中電灯を使う場合は、上向きに自立させて照明部分にペットボトルを乗せれば光が拡散してランタンのように使えます。ペットボトルに水を入れて、牛乳を2〜3滴垂らすとより明るくなります。

【4】非常食

近年では、ローリングストック(備蓄した食品を食べ、減った分を足していく)という考え方が主流になっています。賞味期限が1年程度の一般的なレトルトやフリーズドライの食品を多めに買って災害時に備えるという方法です。介護食や離乳食が必要な家族がいる場合には、多めに保存しておきましょう。乳幼児やアレルギーの人向けの食品などは支援物資として届きにくい傾向にあります。

【5】カセットコンロとガスボンベ

レトルトやフリーズドライの食品を食べる際の必需品です。シミュレーションを行ったところ、家族4人が食べる料理の温めや湯沸かしに1日20〜30分ほどかかりました。ボンベが1本で65分間燃焼できるので、2〜3日はもつ計算になります。都市ガスの場合は震災時に1ヶ月程度止まるといわれているため、15本以上は必要でしょう。

あると便利な“万能アイテム”

あると便利なアイテムは「新聞紙」と「ゴミ袋」と「ダンボール」です。

新聞紙は保温効果があるので防寒用に使えるほか、紙食器や畳めば骨折の添え木としても活躍します。また、ゴミ袋の中に入れて吸収剤にすれば簡易トイレも作れます。

ゴミ袋は雨をしのぐ簡易ポンチョになるほか、水を運ぶのにも便利です。特に高層階へ水を運ぶ際には、ゴミ袋に入れた水をリュックサックで背負うと運搬が楽になります。また、ダンボールの内側にゴミ袋を被せて簡易バケツを作り台車で運べば、ポリタンクがなくても楽に大量の水を運ぶことが可能です。

まとめ

災害後に建物が無事だったとしても、家具や家電が散乱する状態では自宅で安全に過ごせません。そのため、転倒防止対策はしっかりと行っておきましょう。また、外出先で被災した場合の家族との安否確認の方法や、逃げる場所などもしっかりと決めておくことが大切です。

そして、いざという時に周りの人と助け合えるように、普段から近所の仲間とふれあい、良好な関係を築いておくことも大きな備えになるでしょう。

※写真はイメージです

取材協力:NPO法人プラス・アーツ 理事長 永田 宏和さん

NPO法人プラス・アーツ
アートやデザインといったクリエイティビティを導入した防災教材の開発や、防災訓練の実施によって幅広い世代に防災の知識や技を普及。イベントを地域に定着させていくことで、コミュニティの活性化や共助力の向上にも貢献している。
Photo by Yoshiaki Tsutsui/ AXIS

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