共働き夫婦の“お財布管理”はどうあるべき? 3タイプ別メリデメ比較

今から20年ほど前、高度成長期の家庭は「夫が働き、妻が家を守る」のが当たり前。夫の稼ぎのみで生活をするため、家計の管理も単純明快でした。しかし、共働きの家庭が増えるにつれ、家計のあり方も多様化しています。もし、「共働きでそれぞれに収入があるのに、家計が苦しい」と思っている方がいたら、原因はお財布の管理方法にあるかもしれません。そこで今回は、共働き世帯が家計を管理する様々な方法をご紹介。それぞれのメリット・デメリットを考えます。

一定額を生活費として出し合う「共有口座型」

夫婦共有の口座に収入を振り込み、その中でやりくりをする方法が「共有口座型」です。夫婦の収入を全て振り込み、生活費や貯蓄、小遣いなど全てを賄っている家庭もあれば、生活費と貯蓄分を振り込んで小遣いは自由に使うケース、生活費のみ共有口座でやりくりをするケースもあります。「収入の〇割を共通の財布に入れる」など、収入に応じてそれぞれの負担金額を決めることが多いようです。

メリット

収入に応じて全部、もしくは一定の金額を口座に入れるため、不公平感が生じにくい管理方法です。家計の管理がしやすく、貯蓄分も含めて口座に入れれば貯蓄も計画的に、夫婦で相談をしながら行えます。そして、一定の負担金額を決めて入金する場合、残りのお金は各自が自由に使えるため、家計をパートナーに管理されている息苦しさを感じないこともポイントです。

デメリット

生活費のみ共有口座に入れる場合、貯蓄は個別に行うことになります。夫婦でどれだけ貯蓄ができているのか分かりづらく、「実は貯蓄が全くできていなかった」となるリスクがあります。反対に、すべての収入を共有口座で管理する場合、小遣いをどれだけ引き出したか丸見えなので気を遣いがち。隠し事ができない家計管理方法と言えるでしょう。また、共有口座はどちらか一方の名義で作成することになるため、手続きの負担はすべて名義人にかかってしまいます。万が一の際には、名義人でないと引き出しづらいデメリットもあります。

項目別に分担する「費目別分担型」

住宅ローンと水道光熱費は夫が払い、食費と通信費は妻が払うといった具合に、項目ごとに支出を分担する「費目別分担型」の共働き家庭は、多いのではないでしょうか。収入の多い方が住居費や光熱費、主に料理を担当する方が食費などを負担するケースが多いようです。

メリット

「自分で働いて稼いだお金は自分で管理したい」と思っている方にとって、夫婦で財布を別にする家計管理が一番しっくりとくるかもしれません。夫婦がお互い、経済的に自立していればいるほど「お金の使い方を干渉されたくない」「独身時代と変わらない生活がしたい」と思うのは当然のこと。「費目別分担型」ならお互いに遠慮することなくお金を使うことができるでしょう。

デメリット

それぞれが支払っている項目以外の出費を把握しづらいため、自分たちがお金を使い過ぎているのか、節約できているのかはっきりしません。貯蓄も各自の判断に委ねられるため、強い意志がなければお金はなかなか貯まらないでしょう。光熱費などの口座引き落としは1冊の通帳に集約するなど、お金の流れを把握しやすいように工夫することで、使い過ぎをある程度防ぐことができます。

スピーディに貯蓄ができる「1人の収入で生活型」

主に片働きの家庭で採用されている、昔ながらの方法が「1人の収入で生活型」です。専業主婦である妻がお財布をコントロールし、生活費の中から夫にお小遣いを渡します。共働きの場合も、夫婦のいずれか収入の多い方が生活費全般を負担。それぞれの小遣いも生活費の中から捻出し、パートナーの収入は全て貯蓄に回すケースが多いようです。

メリット

共働き夫婦で多いのが「夫の収入のみで生活し、妻の収入は丸々貯蓄に回す」というケース。家計管理のルールとしては至って単純で分かりやすく、貯蓄もハイスピードです。「子どもができるまで」「マイホームを買うまで」など、目標をもってお金を貯めたい方にお勧めの方法です。ちなみに、筆者の知人夫婦はこの方法で、住宅ローンの繰り上げ返済を実行。3,000万円のマンションを購入した6年後には、完済してしまいました。現在は、グレードアップした住宅への買い替えを検討しているそうです。

デメリット

他の共働き世帯と比べて、当然のことながら使えるお金が少なくなります。子どもが生まれて教育費がかかるようになると、このスタイルを貫き続けるのは厳しくなるかもしれません。また、片方に金銭的負担を強いることになるため、もう一方の収入をどのように運用するか話し合っておかないと、不平不満が出てくる可能性もあります。「貯蓄の一部からボーナスを出す」「貯蓄が一定額溜まったら旅行に行く」など決めておくと、モチベーションを継続できるのではないでしょうか。

 

まとめ

共働き世帯の家計管理の3つの方法を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? 「共有口座型」「費目別分担型」「1人の収入で生活型」いずれの家計管理方法でも共通して言えるのは、家計管理を人任せにしている限り、満足に貯蓄をするのは難しいということです。「夫婦共働きである程度の収入はあるのに、なぜかお金が貯まらない」と悩んでいる方は、夫婦で家計の現状を共有・把握し、改善策を立ててみてはいかがでしょうか。

(最終更新日:2019.10.05)
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