共働き夫婦でもお金が貯まらないのはなぜ? 食費や光熱費を節約するコツ

皆さんは「節約」と聞いてどんなことを思い浮かべますか? 「家計簿をしっかりとつける」「水道光熱費を節約できるように日頃から使い方に注意する」「価格を比較して1円でも安いスーパーで買い物をする」といった節約術を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、日頃忙しく働く共働き夫婦の場合、節約に時間をとれないケースが多いでしょう。節約を意識するあまり時間に追われ、仕事に支障をきたしてしまっては本末転倒です。そこで今回は、共働き夫婦におすすめできる、無理のない節約のコツをご紹介します。

消費支出の4分の1を占める、食費を節約するコツは?

まず見直したいのが、食費です。総務省統計局から発表された2017年の「家計調査報告」によると、2人以上の世帯(平均世帯人員2.98人)で1ヶ月の平均消費支出は28万3,027円(※1)。そのうち食費の平均は、7万2,866円(※2)。消費支出の4分の1程度を食費に費やしている計算です。共働きの場合は、仕事の後で疲れが溜まっていると、ついつい外食や出来合いの総菜に頼りがち。食費が嵩んでしまうのではないでしょうか。

参照元:総務省統計局・2017年「家計調査報告」より、※1はP1、※2はP5より

献立を前もって考えることで、ウィークデイの負担を軽減

年間100万円以上貯蓄している共働き世帯は、前日までに夕食の献立を決めている傾向がある(出典:カクワーズ)

共働きの家庭で自炊をする際、毎日の献立を考えるだけで一苦労です。仕事帰りの電車の中で「冷蔵庫の中には何があったかな?」と考えを巡らせ、近くのスーパーで思いつくままに食材を購入。疲れた体に鞭を打って料理に励む…。これでは毎日の料理が負担になってしまいますし、うっかり家にある食材を買い足し、使いきれない事態も起こり得ます。

そこで、休日に一週間分の献立を立ててしまいましょう。きっちり考えすぎてしまうと「残業で予定の時間に帰宅できず外食になった」といった不測の事態に対応しづらいため、ざっくりで構いません。「いきなり毎日自炊するのは無理」と思うのであれば、3日分程度から始めてみても良いですし、「何品も作るのは荷が重い」ということであれば、メインディッシュだけで構いません。まとめて考えることで買い物の際に無駄がなくなり、毎日同じような食材や調理法になることも防ぎやすくなります。また、自炊に慣れていない方は、ネットスーパーなどで販売されている、献立キットの活用から始めてみましょう。

カクワーズの調査結果によると、働く主婦の約4分の3が、献立を当日に決めているとのこと。しかし、年間貯蓄額が100万円以上の共働き世帯の36.6%が前日までに、当日の朝も含めれば半数以上が、献立を決定しています。

買い物は使い切れる分だけ、まとめて購入

一週間分の献立が決まったら、次は買い物です。作るものに合わせて使い切れる分量を購入します。買い物も、一週間分をまとめて購入することで無駄な買い物を防げますし、仕事帰りに買い物をする手間も省けます。

もちろん、スーパーをはしごして食材ごとの底値を把握し、特売品を中心に買い物をすれば食費を抑えることができますが、無理は禁物。時間も手間もできるだけかけない方が長続きして、結果的には節約に繋がるかもしれません。ネットスーパーなどを積極的に利用して、省ける手間は省きましょう。また、ネットスーパーで買い物をすれば、合計金額を意識しながら買い物ができるメリットもあり、食費をコントロールしやすいのではないでしょうか。

下ごしらえ済みの食材や作り置きおかずが、心に余裕を生む!?

「購入した食材は、冷蔵庫や冷凍庫にしまう前に下ごしらえを済ませておくとラク」と教えてくれたのは、料理家の西岡麻央さん。献立に合わせてキャベツをカットしておく、ブロッコリーは小房に分けて茹でておくなど、下処理が終わっているだけでも、料理をする当日の負担を軽減できます。

また、休日にまとめて、作り置きおかずを用意する方法もおすすめです。例えば、茹で鶏を作っておけば、そのまま食べても、サラダの具にしても、サンドイッチに挟んでも美味しく食べられます。お弁当のおかずにも重宝するでしょう。もしくは、日持ちがしやすい副菜を何品か用意しておくだけでも、当日の負担を軽減できます。まとめて調理することで、無理なく光熱費を節約することもできます。

(参照記事:何かと重宝する“常備菜”「作り置きおかず」のすすめ。料理家・西岡麻央さんインタビュー

共働き夫婦の光熱費節約術は、契約プランの見直しから!

前述の「家計調査報告」によると、2人以上の世帯で1ヶ月の光熱・水道代は平均21,535円(※3)。「もっと安くできないの?」と思っている方も多いことでしょう。光熱費を節約するコツはたくさんありますが、「間隔を開けずに入浴し、追い炊き機能を使わない」「家電製品は電気代が安い時間帯に使う」といった方法は共働き夫婦の場合、生活に無理が生じがちです。

参照元:総務省統計局・2017年「家計調査報告」より、※3はP5より

まずは、料金プランの見直しから始めましょう。電力・ガスの小売自由化以降は各社がお得な料金プランを打ち出していますので、ライフスタイルに合う会社やプランに変更するだけで、光熱費を大幅に削減できる可能性があります。東京電力の「でんき家計簿」のような、これまでの電気代のデータをもとに、料金プランをシミュレーションできるウェブサイトも積極的に活用しましょう。また、電気代は、契約アンペアによって料金が変わるため、合わせて確認することをおすすめします。

また、設備や器具を利用している場合は、買い替えた方が光熱費を節約できるケースがあります。エアコンや冷蔵庫などの家電製品は、現在の製品の方が省エネ性能は高く、電気代に差が付きます。照明器具が古い場合は、LEDに切り替えることで消費電力を白熱電球の10分の1程度、蛍光灯と比べても半分以下に削減できます。

家計簿アプリを活用して、手間なく家計を管理

ここまで食費や光熱費の支出について述べてきましたが、「そもそも、食費や光熱費がどの程度かかっているのか分からない」という方もいるのではないでしょうか。支出を把握するには家計簿をつけるところから始めなければなりませんが、時間に追われている共働きの方々にとって、ハードルが高いと感じるかもしれません。

しかし、最近はスマートフォンアプリを利用すれば、手間なく家計を管理できます。レシートをスマートフォンで撮影するだけで、内容を自動で読み取って入力。支出状況を見やすく表示してくれるため、何にいくら使っているのか一目瞭然です。銀行やクレジットカードのデータも同期すれば、お金の流れをより正確に把握できるでしょう。

また、日本最大級の家計簿アプリ「Zaim」の代表取締役 閑歳孝子さんによると、アプリの機能を使って夫婦で家計簿を共有することで、夫婦の揉め事が減り、夫婦の仲が良くなったという報告も挙がっているとのこと。共働きで忙しいことを理由にどんぶり勘定を続けている方は、これを機に夫婦で節約術を考えてみてはいかがでしょうか?

(参照記事:Zaim代表取締役 閑歳孝子さんに聞く“お金の使い方を豊かにする工夫”とは?

(最終更新日:2019.10.05)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア