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従来、鉄骨のプレハブ住宅を強みとしていた大手ハウスメーカーが、次々と木造住宅の事業に参入しています。各社とも新ブランドを立ち上げることで、幅広い顧客を獲得しています。

そこで今回は、木造住宅の新ブランドを手がけるトヨタホームと、パナソニック ホームズ、住友林業といった木造住宅に力を注ぐ各社から、木の家のメリットや可能性について聞きました。

【トヨタホーム】ワンランク上の性能で、多くの木造住宅ファンの期待に応えたい

トヨタホームが2018年度から本格展開した分譲向け木造住宅「MOKUA」

1975年にトヨタ自動車の住宅事業部として誕生したトヨタホーム。独自に開発した「鉄骨ラーメンユニット構造」(2015年グッドデザイン賞)による注文住宅を得意とする同社が、このタイミングで木造の分譲住宅に力を注ぐことになった理由の一つが「市場動向」です。

「住宅市場の着工戸数は年間約96万戸。その中で戸建ては約50万戸。その中の約14万戸がプレハブ住宅という市場。戸建住宅については残りが地元工務店やビルダーの手によるものです。そして今後、少子高齢化による人口および世帯数減少の影響で、新設の住宅市場は縮小していくと予想されています。そこで、幅広い客層を取り込むためにも、トヨタホームの強みを生かした木質住宅に参入しようと考えました。当社の既存商品に比べ価格を抑えている点もお客さまに満足いただけるものと思っています」(経営企画部 企画室 広報グループ長・星川さん)

トヨタホームが目指したのは、強度や性能、素材、空間設計など、ワンランク上のこだわりを持ちながら、プレハブ住宅よりも低価格で手が届きやすい木造住宅。空間デザインの自由度や木の温もりなど、木造住宅ならではの利点も多く、「より素敵なライフスタイルを実現できる」住宅を提供したいという思いから、木質邸宅シリーズMOKUAは開発されました。

自然の温もりが感じられる「木の家」は根強い人気があります

耐震・耐風・断熱などで最高等級を獲得。価格が抑えられるのも魅力

MOKUAシリーズの木造住宅にはツーバイフォー工法を採用し、グループ会社であるトヨタウッドユーホームから部材を調達。自動車生産のノウハウを活かし、建物の躯体となるパネルなどは、優れた品質管理で知られる「トヨタ生産方式」の一貫体制のもとで製造しています。

「グループ会社が持つ木造住宅の生産技術を活用することで、高品質・高性能の住宅を提供することができます」(星川さん)

「木造」と聞くと、鉄よりも強度が弱いイメージがありますが、MOKUAシリーズは耐震・耐風・断熱などの主要5項目において最高等級を獲得。さらに、最長30年の長期保証サービスが付けられるため、末永く家のことを相談できる点も強みといえます。

MOKUAのデビューによって、トヨタホームでは従来の鉄骨住宅よりも、建物価額を2~3割抑えることに成功。今後は関東圏や近畿・中国圏への展開を計画しています。

国土交通省が定める住宅性能表示制度。耐震、耐風、断熱、維持管理、劣化対策の主要5項目において最高等級を獲得しています。※商品・プランにより異なる場合があります
30年保証制度によって、住まいを長期的にサポートしてもらえる点も強みです

【パナソニック ホームズ】木造だからこそデザインや機能、ニーズに柔軟に対応できる

時をほぼ同じくして、パナソニック ホームズも木造住宅の分譲事業に参入。同社宣伝・広報部 広報課の井筒克彦さんは、「住まいの価値観が変化し、これまでの鉄骨住宅では需要に対応しきれないケースがありました。価格はもちろん、デザインや機能面など、多様化する顧客ニーズに応えるためにも、今後は木造住宅の分譲事業を本格的に進めていきます」と話します。

ターゲットは世帯年収500~600万円台の若い世代。木造住宅の設計の自由度を活かして、地域の価値をさらに高める「街づくり」を展開していきたいといいます。

パナソニック ホームズは、住宅だけでなく「街」としての価値づくりも追求します

【住友林業】今後、木造建築の可能性はさらに広がる

木造住宅のリーディングカンパニーのひとつ、住友林業は、2018年9月に開放的な大空間を叶える家「The Forest BF」シリーズをリニューアルしました。同社 コーポレート・コミュニケーション部の佐藤みどりさんによると、優れた耐震性を確保しながら大開口や大空間を実現する「ビッグフレーム構法」がさらに進化。
深軒、庇が描くモダンなデザインや、床材は国産の木材8樹種を含む15樹種から選ぶことができるなど、より自由度の高い空間を表現できるといいます。加えて、日本の二十四節気などの暦に合わせ、季節の移ろいを住まいに取り入れ、暮らしの中で四季を楽しめる設計プランを提案しています。

開放的な大空間を叶える、住友林業の家「The Forest BF」

さらには、創業350周年の節目を迎える2041年を目標に、高さ350mの木造超高層ビルの研究技術開発構想「W350」を計画中。将来、豊かな自然と木々に恵まれた高層ビルが、街なかにお目見えするかもしれません。

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