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いくつもの物件を見学し、やっと理想の物件を見つけたときから、将来の生活へのさまざまな夢が広がります。しかし、そんなワクワクした瞬間もつかの間、「果たしてその物件が購入できるだけの住宅ローンは借りられるのか?」という現実に直面して、住宅ローンの事前審査に通るまで落ち着かない時間が続きます。 この「購入希望の物件が決まらないと、住宅ローンの事前審査ができない」という住宅ローン業界の常識を変えたのが、アルヒ株式会社の「家探し前クイック事前審査」です。2017年12月にリリースされ、その後も2018年8月には「審査時間を最短1分に短縮」するなど進化を続けています。「家探しをもっと安心で、スムーズなものにしたかった」と開発理由を語る担当者に、その“スゴイ”理由を聞きました。

利用者目線で考え、家探しのスタート地点に一緒に立つ

従来、住宅ローンは購入したい物件が決まらないと審査が受けられませんでした。希望物件を目の前にした購入者は「借りられるの? 買えるの?」という不安からスタートすることも多いのです

家探し前クイック事前審査の開発・運用を担当する大森麻未さんは、開発にあたって「近年、お客さまの家探しが変化していること」に着目しました。「自分はいくら住宅ローンを借りられるか、知った上で物件を探したい」とい新たなニーズがうまれていたのです。しかし、住宅ローンの情報を自ら調べ、比較検討するのは大変です。

そのニーズに応えるためには、私たち金融機関の担当者もただ待っているのではなく、お客様が家探しをスタートする地点に一緒に立つ必要があると考えました。日常生活では、あらかじめ自分の収入や財布の中身などから予算を決め、商品やサービスを比較検討してから購入するのが当たり前ですよね。ところが、これまでの家探しのシーンでは、逆の順序で進められることがほとんどでした。はじめに購入希望の物件を決め、その後に「買えるか・買えないか」のハードルが待っていたのです。

「希望の物件」という「夢」にたどり着いた後に、「住宅ローンの借入可能額」という「現実」を知ることでギャップに困惑したり、時には「夢」を諦めたりといった事態が起きてしまうケースも少なからずあります。そこで、「住宅ローンの借入可能額がわかる=購入できる物件価格の目安が事前にわかることで、家探しがもっとスムーズで、安心できるものにしたいという発想から生まれたのが、家探し前クイック事前審査なのです。(大森さん)

アルヒ株式会社「家探し前クイック事前審査」担当の大森麻未さん

従来の家探しでは、せっかく気に入った物件と出合っても、住宅ローンの審査の結果次第では、あきらめたり、思っていた金額が借りられず、自己資金を増やすのかを短期間で考えなくてはならなくなったりすることもあり、利用者の心理的な不安も小さくありませんでした。

家探し前クイック事前審査は、この「予算と買える・買えないの検討」と「夢と現実」という「家探しの順序」を変える画期的なものでした。購入希望の物件が決める前でも「あなたが借りられる金額はおよそこれぐらいです」と教えてくれるので、ほかの買い物と同じように、まずは財布の中身、つまり住宅ローンの借入可能額を把握し、予算をはっきりさせてから物件探しすることを可能にしました。

「知りたいときにわかる」を目指し、利用者本位の仕組みを実現

家探し前クイック事前審査の開発ポイントは、「いつ・誰に・何を」伝えるかを「家探しの最初に・お客様に直接・住宅ローン借入可能額」と決まりました。しかし、住宅ローンの審査は信用審査です。提携する信用調査会社には、正確な情報を伝える必要があります。

従来の住宅ローンの審査申請書類には、書き込む項目が100から150もあり、家探しのスタートとしてはハードルが高すぎるという現状がありました。そのため、家探し前クイック事前審査では、「項目を減らして利用者の負担を減らす」ことと「正確な情報を提供してもらう」ことの両立を可能にするべく、運転免許証の画像を利用する申請方法を採用しました。入力項目を少なくして利用者の手間を大幅に削減する一方で、本人確認に必要なデータは免許証から読み取って自動入力されるため、手続きの正確性との両立を実現しています。(大森さん)

家探し前クイック事前審査 利用イメージ

運転免許証の画像(表・裏両方)をアップロードすると「氏名・生年月日・住所・免許証番号」など本人確認情報を自動で読み取り入力します。あとは「性別・勤務先・勤務先電話番号・本人の電話番号・前年年収・その他借入返済額」を入力するだけで審査の申請ができます

画像アップと項目入力は数分で可能です。2017年12月のリリース時から、その手軽さが評価され、利用者の反響も上々。2018年には、申請後の審査を完全自動化することで審査結果を最短1分で回答できるようになり、2018年11月からは主契約者含め2人までの収入合算の申し込みにも対応が始まるなど、利便性も進化しています。現在では、月に約1,000件の利用があり、今後も増加が見込まれています。 

住宅ローン借入金額の目安がわかると家探しが変わる

同社が行った、家探しの検討段階で家探し前クイック事前審査によって住宅ローンの借入可能額を把握し、アルヒの【フラット35】を利用して不動産購入を実現した人への聞き取り調査では、

・家探しを何から始めればわからない中、具体的な金額をもとにリアルなイメージを持てたので、その後の家探しに役立った
・いくら借りられるのか、ある程度把握できたので、安心して家探しができた

など、住宅購入の意志を固める上で背中を押されたといった声が多く寄せられています。

また、家探し前クイック事前審査の利用によって、借りられる額(借入可能額)と無理なく返せる額、その両方を把握した上で予算を立て、より絞り込んだ条件の中で物件の比較検討が可能になるため、納得度・満足度の高い家探しも期待できます。住宅ローンの借入可能額という「現実」が知りたい時に分かることで、物件という「夢」へのアプローチが、よりスムーズになる。同審査は、家探しの過程をより安心で、納得のいくゴールへの最短距離を実現するツールとなっているようです。

「終の棲家」という言葉もあり、家探し、不動産購入は、一生に一度の大きな買い物というイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、欧米では、家族構成やその時々のライフスタイルに合わせ、人生で数回家を買い替えることもめずらしくありません。今後は、日本でも中古住宅の活用や働き方の変化、人生100年時代のライフプランの変化などによって、節目節目で住まいを変える、家を探すニーズが増えていくと考えられます。買いたいときが増えれば、住宅ローンがいくら借りられるかを知りたいときも増えるでしょう。知りたいときにすぐ分かるが当たり前になれば、家探し前クイック事前審査がライフシーンの中でますます役立つ存在となっていくはずです。

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この記事の執筆者
塩澤 雄二 ライター

フリーランス編集者・ライター

紙媒体・webコンテンツの編集制作、取材執筆全般でフリーランスとして活動。読者の「結局、何の役に立つの?」への着地を念頭に、取材本意、現場主義のコンテンツ制作を多ジャンルで取り組む。SSI認定利き酒師・焼酎利き酒師。
神楽出版企画

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