初心者でも始められる“アクアリウム”を解説! 水槽や器具選びのポイント

「リビングでゆったりとくつろぎながら、大きくクリアな水槽で泳ぐ魚の姿が見たい」。日頃の仕事や家事のストレスから、そんな贅沢な時間を持ちたいという人が増えているそうです。今回は、インテリアに適した水槽や器具など、今からアクアリウムを始める人に役立つ情報を紹介します。

アクアリウムとは?

水中を美しく泳ぐ魚や、ゆらゆらと揺れる水草などをインテリアとして取り込み、観賞して楽しむための飼育設備を「アクアリウム」といいます。日本で、広く知れ渡るきっかけになったのは、1980年代後半から1990年代初頭のバブル時代に放送されたテレビドラマ、いわゆるトレンディードラマの影響といわれています。

ドラマの中で俳優たちの住む部屋のインテリアとして、アクアリウムが置かれており、当時の若者の憧れでした。その後、次第に需要が高まり、水槽や器具・観賞魚のメーカーが国内に多く設立されました。当時と比べると市場は減少傾向にありますが、今でも多くの人に楽しまれています。

プロに聞く、水槽や器具選びのポイントは?

今回、水槽本数は約500個、首都圏最大級の売り場面積を誇る熱帯魚・観賞魚直輸入直販店『トロピランド 小平店』に筆者が伺い、初心者代表としてスタッフの方にいろいろと聞いてきました。

最寄りの西武新宿線 小平駅より徒歩13分。新青梅街道沿いに位置する店舗は車でのアクセスもしやすく、駐車スペースも広め
多種多様な魚が展示販売され、水槽や器具などたくさんの商品がフロアいっぱいに並んでいます

店舗の中に入ってまず感じたのは、ユーザーの年齢層の幅広さ。平日の夕方にもかかわらず、年配の方から制服を着た学生や子連れファミリーなどが真剣に魚や器具を眺めていました。

今回、質問に答えていただいたのは現在メダカの飼育にはまっているというショップスタッフの福士さん。まずは水槽や器具選びのポイントについて伺いました。

福士さん:
「インテリア用として初心者にオススメしているのは、見栄えも良く、ある程度の魚の数も飼育でき、水草のレイアウトもしやすい45センチ水槽ですね。もう少しボリュームや迫力を求める方には60センチの水槽でもよいと思います。お客さんの中には、意外とノープランで来られる方も多いのですが、まず、“どこに設置して何センチまでの水槽が置けるのか”を計測し、どんなレイアウトの水槽にしたいのかをイメージしておくことが重要です。そうすれば、それに合ったサイズの水槽をスタッフが提案できますし、飼いたい魚に合った器具もおのずと決まってきます」

ショップスタッフの福士さんと、ご本人がレイアウトした、こだわりの詰まった水槽

福士さん:
「意外と見落としがちなのですが、水槽の下に置く専用のキャビネットも重要です。水を入れた状態の60センチ水槽でも、約70~80kg位の重さになります。一見丈夫そうに見えてもホームセンターなどで購入した普通の台だと、強度が足りなくゆがみやたわみなどが起き、水槽の落下や割れる原因になります。しかし、専用の物は、丈夫にできているため、そういった事故も起こらず安心です」

水槽や器具選びが煩わしい人には、基本的な物がセットになったものもあり、おすすめです。初心者の中には水槽と魚をいっぺんに買って帰ろうとする方もいるそうですが、同時に購入するのではなく、まずは水槽セットのみを自宅に設置し、一週間前ぐらいから魚が過ごしやすい環境を作ります。その上で、魚を購入するのもポイントだそうです。

TropiLand
『オリジナル60センチ水槽 熱帯魚飼育基本セット(LEDライト付き)』 
価格:15,800 円(税込)

水槽、上部フィルター、LEDライト、ろ過材、水温計、保温器具、カルキ抜き、バックスクリーン、飼育に役立つ小冊子がセット

アクアリウムと観葉植物が一体になった、“アクアテラリウム”に注目!

今、注目なのが、インテリアにも向いている“アクアテラリウム”です。アクアテラリウムとは、一つの水槽に水部と陸地を作り、水辺の自然を再現したものです。要は観葉植物と魚の観賞がいっぺんに楽しめる贅沢なもの。水部と陸地、両方作るために作り方など多少手間はかかりますが、材料はコケや観葉植物、水草など全て市販されているもので作れるので、魚の飼育だけ、植物を育てるだけでは物足りなく感じている人は挑戦してみてはいかがでしょうか?

店内に展示されている熱帯のジャングルをイメージしたアクアテラリウム

アクアリウムを最大限に楽しむ秘訣

いざアクアリウムを始めたがうまく飼育できなかったり、水槽維持が面倒でやめてしまったりという人も少なくないそうです。そこで長続きの秘訣を伺いました。

福士さん:
「命あるものを育てるのですから、何でもいいから飼ってみる、ということではなく、まずは『これだ!』という、お気に入りの魚を見つけることが重要ですね。少しでも興味を持った魚であれば愛情も持ちやすいですし、どんな状況が過ごしやすいか、病気しないためにはどうしたらいいかなど、次はこうしてみようという意欲が芽生え、いろいろと試行錯誤するはずですし、楽しくなってくると思います」

たしかに筆者が小学生の頃、クラスで飼育していたメダカの繁殖に成功したのがとてもうれしく、その後も大事に育てていたのを思い出しました。観る楽しみはもちろんですが、飼育や育成、そして繁殖までも楽しめる奥深い趣味、それがアクアリウムなのかもしれませんね。皆さんも興味があれば、インテリアに取り入れみてはいかがでしょうか?

(最終更新日:2019.10.05)
~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア