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海上輸送のための大型の鉄製の箱、コンテナを活用した『コンテナハウス』にいま注目が集まっています。中古ISOコンテナであれば、本体価格は10万円未満で入手可能。建築確認対応コンテナでも200万円程度と知ると、がぜん興味が湧いてきませんか?

実際にコンテナに住むにはどうすればいいのか、建築費用は? 建築基準法はクリアできる? 断熱方法は? 水回りの設置は? そんな疑問にお答えします!

違法建築と言われてきたコンテナハウスが建築基準法をクリアできた秘訣とは?

コンテナハウスは日本各地で見かけますが、実は建築基準法をクリアしている物件はほとんど存在しないといいます。そこで、国内で初めて建築確認を取得した2階建てのコンテナハウス『IRON HOUSE TETSUYA 』の安藤大輔さんに、住宅ローンも組めるコンテナハウスづくりについて、お話を伺いました。

輸送用のコンテナで、本格的な住宅を建てるにはどうすればいいのでしょうか?

「埠頭で見かける海上輸送用コンテナは、ISO規格でサイズが決まっていて、20フィート、幅2.45×奥行6×高さ2.6(もしくは2.9)mとなっています。コンテナハウスというと、この輸送用のコンテナを活用して家を建てるというイメージを持たれる方も多いと思いますが、その場合、日本国内では違法建築となってしまい建築確認を取ることができません。そもそも住宅用につくられていないため、柱や梁が住宅用として認定されませんし、使っている鋼材も住宅建材の基準をクリアすることができないからです。そこで、弊社では、建築構造用鋼材であるSS400というJIS鋼材を使ってコンテナづくりから国内工場で行うことで、建築基準法の壁をクリアしました。2015年にオープンしたこのモデルハウスが、国内で初めて建築確認を取得した2階建てのコンテナハウスです」

これまでも、日本各地でコンテナハウスは見かけましたが、それらは建築基準法をクリアしていないのですか?

「平屋(1階建て)の場合、4号建築物扱いとなり構造計算の必要がないため設計士の任意で建築確認を取得している物件もありますが、2階建て以上の物件ではありませんでした。弊社が建築基準法をクリアしたきっかけは東日本大震災です。2011年に宮城県女川町で、平置きのプレハブ仮設住宅では十分な戸数が供給できないため、世界的な建築家の坂茂氏と弊社代表の引地努が協力してコンテナを使った2、3階建ての多層構造の仮設住宅を建設したのです。その仮設住宅を国土交通省の方々が見に来られて、『確かにこれは住宅だね』ということになったわけです。そして、強度計算や構造計算ができる建材を使ってコンテナをつくれば住宅用の建物として認定してもらえることになり、建築確認の取れるコンテナハウスが販売できるようになったのです」(安藤さん)

2018年7月、横浜元町に誕生したコンテナハウス(左の3層ユニット)と重量鉄骨建築を組み合わせた商業ビル『Le Noir 横濱元町』

耐震性や断熱性だけでなく、遮音性や耐火性も高く移動や増減築まで可能!

コンテナハウスを発注する場合、どうすればいいのでしょうか?

「ご相談から発注、建築、引き渡しまでの流れは一般的な注文住宅と変わりありません。間取りの自由度も高く、ユニットバスも入れられますし、キッチンなどの水回りも注文住宅と同じように好きな位置につくることができます。ただ、コンテナは道路幅によっては物理的に運べない場合もあるため、トラックやクレーン車が通れる道があるかどうかの事前調査は必要です。また、案件により現地で内装工事をする場合もありますが、基本的には国内の工場で内装・外装ともにつくりこんでから敷地に設置するため、工期は短く約3カ月。大工さん二人で建築可能です。このモデルハウスの場合、1階部分が20フィートのコンテナを2つ、2階部分は40フィートのコンテナを使っています。壁の断熱材はグラスウール、床の断熱材は弊社オリジナルで、宇宙ステーション『きぼう』でも使用されているものです。外壁にも遮熱性の塗料を使っていますので、断熱性は注文住宅より高いくらいです」(安藤さん)

東京都八王子市元八王子にあるコンテナハウス『IRON HOUSE TETSUYA』

断熱性もしっかりと考えられているのですね。

「輸送用コンテナの鋼材の厚さは0.8~1mmですが、住宅用はそれよりも厚く1.6mm。長期間にわたる海上輸送に耐えられる波型のコルゲートパネルなので、断熱性だけでなく、耐震性、遮音性、耐火性も高く、強度も抜群。土砂崩れで倒壊する心配もありません。さらに、トレーラーや鉄道、船による海上輸送も可能ですから、家ごと引っ越すこともできます。また、将来的に増築や減築が簡単にできるといったメリットもあります」(安藤さん)

住宅だけでなく、アパートやホテル、イベント用ショップにも最適

これまでに何棟のコンテナハウスを建てたのか実績を教えてください。

「建築基準法をクリアしたコンテナハウス建築の実績は、こちらのショップを含め5棟です。住宅用だけでなく、商業ビルや展示場もあります。最大で7階建てまでつくれるので、将来的にはアパートやホテル、期間限定のイベント用ショップなどへと活用の幅を広げて行きたいと思っています」(安藤さん)

2018年3月にオープンした青森・八戸展示場『ジェイフロンティア』

価格はいくらくらいするのでしょうか?

「20フィートのコンテナ1本、内装・外装・基礎工事込みで500万円(ただし、敷地条件や用途地域の制限によって上下します)です。2LDKの住宅の場合、4本のコンテナで建築費は2000万円。格安とはいえませんが、弊社のコンテナハウスであれば、建築確認も取れますし、保険に加入することもできるので住宅ローンを組むことも可能です」(安藤さん)

八戸展示場の内装。内階段をつけたり、窓の形や大きさも自由自在にできる

コンテナハウスは、重量鉄骨造という扱いになるため建築基準法上の耐用年数は36年。外壁の塗装や窓枠のコーティングなど適切なメンテナンスを施せば、50年100年と持つ構造となっているそうです。そのうえ、完全オーダーメイドのため、一般的な注文建築より間取りの自由度は高い。なによりも人目を惹くカッコいい外観に、30~40代のお客様からの問い合わせが多いといいます。

『IRON HOUSE TETSUYA』では、内覧予約を随時受け付けているので、興味のある人はぜひ足を運んで実際にその目で確かめてみてください。

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この記事の筆者
なかむらかつら ライター

雪国出身、立教大学卒。フリーライターとして雑貨やコスメ、家電、飲食店やショップ、インタビュー記事など子ども向けから大人向けまで雑誌や、書籍などで幅広く執筆している。

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