大地震で避難所に入れないことも!? マンション住民"もしも"の備え

日本は地震大国です。2011年3月11日には東日本大震災、2016年4月14日は熊本地震、そして2018年6月18日には、大阪府北部が地震に見舞われました。

今回はマンションの多い地域に大規模な地震が発生した場合を想定し、マンション住まいの方に向けた身の守り方、すぐに役立つ災害への備え、避難方法、エレベーターの使用ルールなどについて紹介します。

大地震が発生したら、まずやるべきこと

まずは、大きな地震が発生した際、パニックにならないことが大切です。焦りを感じたら深呼吸をして落ち着きましょう。身の安全確保、特に頭を守ることを心掛けてください。

そして、家具の転倒やガラス飛散の恐れが少ない場所へ移動します。このとき、避難路までの出入口を確保しておくのを忘れないようにしましょう。避難を開始する前にはコンロの火や家電のスイッチを消し、ガス栓を閉じ、電気ブレーカーを落とすことを忘れずに。

屋外へ出ても、ガラスや看板の落下など危険は続きますので、気を付けて行動しましょう。

1階へ移動する際には、エレベーターの利用は高層階であっても避けること。階段を使うようにしましょう。マンション内では理事会や管理事務所などが防災マニュアルを作成していることがあるので、日ごろから確認しておくと、いざというとき焦らないで済みます。

備えあれば憂いなし! マンション内での在宅被災生活

巨大地震発生時、いざ避難所へ向かっても、マンション住民は避難所に入れないケースがあることをご存じでしょうか。

実は、全国的に避難所の数が足りていない現状があり、周辺住民全員が入るのは難しいといわれています。基本的に戸建て住宅などに住んでいる方で全壊または半壊してしまい、自宅で生活できない人が優先されます。
1981年6月1日以降に建築確認を受けた新耐震基準のマンションであれば、耐震性が高く、巨大地震でも損壊する可能性が低いため、マンション住民は自宅で被災生活を送ることが想定されます。

「避難所に入れないなんて不安だ」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、準備さえ十分にしておけば、マンション内で被災生活を送るほうが、精神的にも肉体的にも負担が少ないともいえるのです。

例えば、衛生面の問題。避難所の窮屈な空間での生活を余儀なくされたり、衛生対策が万全でない状態で病気が蔓延したりといったリスクがあります。特に、トイレは数が足りず、水分の摂取を控えがちになり、さまざまな病気を引き起こす可能性が考えられます。

このように、避難所で生活することが必ずしも安心だとは言い切れないのです。特に小さな子どもや年配の方がいる家庭は、住み慣れた自宅で過ごすほうが、リスクが少ない場合も多いのではないでしょうか。

マンションで被災した場合に何が最も重要かといえば、自らを守る備えです。室内の安全対策はもちろん、水や食料、生活必需品の備蓄など、自分の命を自分で守るための準備が必要になってきます。

備蓄に関しては、自宅で保管できる量を考慮しながら、目安としては一週間乗り切れるだけの備えをしておくことが重要です。

災害時には携帯電話が使えなくなることもあるので、近くの公衆電話の場所もチェックしておきましょう

室内の安全対策と備蓄用品をチェック

室内の被災で多いのが家具の転倒による事故です。家具の固定は必ずしておきましょう。

室内が火災被害にあえば、マンション内での被災生活は難しくなります。そこで、主な火災発生場所となるキッチンの近くに小さめの消火器を自宅用として設置し、いつでも使えるように準備しておくと安心です。

マンションでは管理組合や自治会で防災対策を行っているケースが大半です。マンション全体の備蓄や防災マニュアルをチェックして、防災への意識を高めておきましょう。

備蓄で大切なのは、一人ひとりに適したものを用意しておくこと。例えば、女性は生理用品、高齢者は持病の薬、赤ちゃんはミルクや紙オムツなどが挙げられます。夏なら冷却用品、冬ならカイロなどもあると便利です。

水や食料(レトルト食品、カップラーメン、缶詰など)といった日々使うものは少し多めにストックしておき、使いながら補充していくのがよいでしょう。

災害への備えで忘れがちなのが、ペットがいる家庭の備えです。人間と同じように、水や食料や排泄袋など、生活用品は欠かせません。避難所では難しいこともありますが、マンション内での被災生活ならペットと一緒に生活することが可能です。

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大地震が起きたときを想定し、準備できることを簡単にまとめましたが、これらはごく一部でしかありません。もしものときにあわてないように、日頃から災害への備えを確認しておきましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
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