戸建て住宅の値下げ交渉のコツは? 誠意を持って交渉に臨もう

人生に何度とない住宅購入の機会。できるだけ安く購入したいという願いは誰しもが抱くものでしょう。でも、現実的に購入可能な額と理想があまりにもかけ離れている場合は、何かの策を講じることも必要です。この記事では、戸建て住宅購入の際に役立つ価格交渉のコツや狙い目物件の見極め方などを紹介します。

価格交渉はマナーを守って行うのが吉

新築・中古に関わらず、戸建て住宅を売り出し価格より低い購入価格を希望して交渉することは可能です。これだという物件に出合ったら、ダメ元でも交渉してみると担当者が首を縦に振ってくれる可能性は十分にあります。

それでは、実際の価格交渉はどのように行うべきなのでしょうか。スタンダードな方法は、購入を前提とした話し合いのうえで、正式契約前に行うパターンです。

「この物件、○○万円まで下がりませんか?」などと軽い気持ちで投げかけるのはNG。まず応じてもらえないと思ったほうがよいでしょう。申し込みに必要な書類を用意し、本気で購入する意思を表明しつつ、購入希望価格を記入することが大切です。

あまりに相場からかけ離れた金額を提示するのはマナー違反になるので、その土地の不動産価格はあらかじめ把握しておきましょう。

限られた予算の中でいかに満足できる住宅に出会えるか。タイミング次第では、納得できるまで見送るのも選択肢の一つ

土地の適正価格を把握するには、地道にその地域の不動産情報を収集するのも効果的ですが、膨大なデータが集積されたシステム「レインズ」がカンタンで便利。多数の不動産業者が登録しており、実際の取引事例を参照することが可能です。

ただし、レインズは不動産業者用に作られたシステムのため、個人で閲覧することはできません。「不動産ジャパン」でほぼ同様の情報を閲覧できますので、まずはチェックしてみてはいかがでしょうか。新築・中古を問わず、実際の相場を知ることは大きなメリットとなりますので、交渉の際は上手に活用しましょう。

安く買うための狙い目物件とは

新築の分譲住宅の場合は、長期間売れ残っていたり、1区画だけ売れ残っていたりする物件が狙い目です。ただし、売れ残っている物件には「日当たりが悪い」「間取りが独特」など、それなりの理由があることがほとんど。ここはチェックしておきたいところです。

時期的には決算前の時期であれば、売主が現金収入を欲しているので、若干交渉がしやすくなるでしょう。

中古住宅は売主が個人の場合、適正価格と売値が乖離しているケースをよく見かけることがあります。そういった場合は適正価格をリサーチしたうえで交渉すれば、その付近まで値を下げられる可能性は大いにあるでしょう。

売主側の事情で早く手放したいと思っている場合は割安な価格で応じてもらえることもありますが、これは狙って交渉できるものでもありませんので過度の期待はできません。

いずれの場合にしても、近隣の不動産会社と懇意になり、予算感や希望の条件を相談しておくと思わぬ物件を紹介してもらえる可能性は高くなります。時期的な余裕を持つことも、相場より安く買うためのコツです。

希望価格と大幅に差があるなら中古も視野に

これまで新築しか検討してこなかった場合は、思い切って中古も視野に入れてみましょう。東日本不動産流通機構の調査によると、首都圏における新築一戸建ての平均成約物件価格は3,537万円、中古一戸建ての平均成約物件価格は3,072万円で、約500万円の価格差があります。

これだけの価格差があれば、予定より早く住宅購入が可能になったり、同じ資金でより立地条件のよい物件を候補に入れることができたりするはず。中古を選ぶことで修繕費などの経費がかかりやすいというデメリットはありますが、それを補って余りあるだけのメリットを享受できる可能性もあるのです。

各種制度も積極的に利用して

購入価格を交渉で下げる努力も大いに結構ではありますが、誰もが利用できる公的なサポートを忘れずに利用することも、住宅購入への近道となります。

最大500万円が控除される「住宅ローン減税」や、年収が一定以下の場合に給付が受けられる「すまい給付金」、親族からの贈与税が非課税となる「住宅取得等資金の非課税制度」などはその一端です(申請には各種要件があるため、事前によく確認を)。

住宅購入にかかる全体的な資金計画をシミュレーションすることは、交渉の際に根拠をもった金額提示をするために欠かせません。急がず焦らず、自分が手の届く範囲の金額を見極めることが確度の高い交渉につながることでしょう。

(最終更新日:2019.10.05)
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