実家と新居、ベストな距離の取り方は? 住宅購入者、購入予定者600人に調査

新居の場所を決める際には、通勤・通学のためのアクセスや、買い物のしやすさといった住環境のほかに、“実家との距離”について考える人もいるでしょう。いったいどのくらいの距離に住むのがベストなのでしょうか。今回は、住宅購入者、購入予定者600人を対象に行ったアンケート結果を基に、実家と新居の理想的な距離について、ARUHIマガジン編集部が調査しました。

実家と新居、距離の決め手は“安心感”と“利便性”

Q.実際に家を買ってみて(またはこれから家を買うにあたり)、“実家”と新居でどのくらいの“距離感”がベストだと感じますか?
第1位 「電車もしくは車で1分以上10分以内」39.8%
第2位 「電車もしくは車で11分以上30分以内」27.3%
第3位 「電車もしくは車で31分以上1時間以内」17.7%
第4位 「電車もしくは車で1時間1分以上2時間以内」4.4%
第5位 「電車もしくは車でそれ以上」10.8%

「実際に家を買ってみて(またはこれから家を買うにあたり)、“実家”と新居でどのくらいの“距離感”がベストだと感じますか」と聞いたところ、最も多かったのは「電車もしくは車で1分以上10分以内」で39.8%、次いで「電車もしくは車で11分以上30分以内」が27.3%でした。頻繁に通える近い範囲を理想とする人が67.1%に上っています。

また、「電車もしくは車で31分以上1時間以内」は17.7%でした。これも定期的に通ったり、何か問題が起きた時には駆けつけやすい距離といえそうです。

【比較的近い位置関係を望む人の意見】
・「近いと便利」(41歳/男性)
・「子育てで頼れる」(34歳/女性)
・「何かあれば互いに助け合うことが可能だから)」(43歳/女性)

近くに両親が住んでいると、子育てや地域行事などの面でサポートを受けたり、困ったことを直接相談したりすることが可能です。また、両親が体調を崩した時にもすぐに様子を見に行けるため、心配も少なくなるようです。

一方で、「電車もしくは車で1時間1分以上2時間以内」4.4%、「電車もしくは車でそれ以上」10.8%という風に、実家とある程度の距離を保ちたいという人も15%程度存在しました。

【なるべく遠い位置関係を望む人の意見】
・「近すぎると疲れるので」(39歳女性)
・「近いことが関係のプラスには繋がらないから」(43歳/男性)
・「実家は他県」(48歳/女性)
・「実家は意識しない」(32歳/男性)
・「実家近くに住むと通勤に不便だから」(41歳/女性)

実家が近すぎると生活に関して口を出される場面も出てきて、煩わしく感じる人がいるようです。また、県外などの離れた場所で就職している人は、仕事に通える範囲で住まいを探すのが最優先になるため、実家との距離は考慮しないケースが多いようでした。

【調査結果】夫婦それぞれの実家と新居の距離は?

夫と妻、どちらの実家に近い? その理由は?

Q.夫と妻のどちらの“実家”の近くで家を買いましたか?(または買いたいと思いますか?)
第1位 「妻の実家から近い」36.3%
第2位 「ほぼ中間地点」34.0%
第3位 「夫の実家から近い」29.6%

 「夫と妻のどちらの“実家”の近くで家を買いましたか(または買いたいと思いますか)」と質問したところ、「妻の実家から近い」36.3%、「ほぼ中間地点」34.0%、「夫の実家から近い」29.6%という結果になりました。妻の実家近くを希望する人が最も多く、夫の実家近くを望む人は3割を切っています。

しかし、住宅購入者と購入予定者に分けて見てみると、大きな差が生まれていました。購入予定者については、全体の結果と回答の順位は同じでしたが、「妻の実家から近い」が38.7%、「ほぼ中間地点」が37.4%、「夫の実家から近い」が23.9%と、夫の実家近くを希望する人の割合が全体の割合に比べさらに低くなっています。一方、購入者の結果をみると、「夫の実家から近い」35.0%、「妻の実家から近い」34.1%、「ほぼ中間地点」30.9%という様に、順位が逆転していました。つまり、検討段階では“妻の実家近く”や“中間地点”を望む意見が多いものの、最終的な購入は“夫の実家近く”に決めるというパターンが少なくないようです。

それぞれの項目を選んだ理由としては、次のような意見が挙がりました。

【夫の実家から近い】
・「元々義両親の土地に住むと決めてたから」(33歳/女性)
・「長男であるため」(35歳/男性)
・「妻の実家は遠いから」(29歳/女性)
・「土地を譲り受けたから」(33歳/男性)
・「夫の希望で」(32歳/女性)
・「その土地に嫁いだため」(30歳/女性)
・「子守を頼みやすいから」(33歳/男性)
・「介護が必要だから」(44歳/男性)

夫が家を継いだり、妻が遠方から嫁いで来たりする場合は、夫の実家近くに住まいを構えるという人が目立ちました。中には土地を譲り受けたり、夫の実家があった場所へ二世帯住宅を建てたりする人もいるようです。

【妻の実家から近い】
・「子どもを見てもらいやすいから」(34歳/男性)
・「子育てを手伝ってもらいたい」(29歳/女性)
・「妻の実家の土地をもらったから」(36歳/男性)
・「夫の実家は遠いので」(42歳/男性)
・「妻の方が家にいる事が多いから」(33歳/男性)
・「介護もあるから」(44歳/女性)

子育てを理由に挙げている人が多く見受けられました。妻の方が家にいる時間が長い家庭も多いため、子育てがしやすいように妻の両親の近くで暮らすという人もいるようです。また、こちらも土地を譲り受けるケースが複数見受けられました。

【ほぼ中間地点】
・「実家同士が近い」(51歳/男性)
・「どちらにも手助けしてもらえるから」(32歳/女性)
・「公平に」(32歳/男性)
・「平等だから」(46歳/男性)
・「対立がないように」(33歳/女性)
・「程よい距離感」(41歳/男性)
・「どちらの親も具体的に介護が想定されるため、お互いの親の介護に無理がないよう考慮」(44歳/男性)
・「便利」(55歳/女性)

両家の距離がある程度近い場合は、中間地点を選ぶ人が多いようです。また、「平等」「公平」「バランスが取れる」という意見が目立ち、どちらか一方に生活圏が偏らないように意識している様子もうかがえました。

まとめ

内装や住宅設備はリフォームによって変えることができますが、住む場所については一度決めてしまうとなかなか移すことはできません。生活を始めた後に不満が出ないように、しっかりと話し合い、お互いが納得した上で決めることが大切です。

今回のアンケートでは、どの項目を選んだ人からも「介護」についての意見が挙がっていました。子育てはもちろん、お互いの両親の介護についても相談した上で、実家と新居の距離を考えてみると良いかもしれません。

【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:住宅購入者、購入予定者の20代から60代の男女
調査期間:2017年6月26日~28日
有効回答数:600サンプル 

(最終更新日:2019.10.05)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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