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住宅などの間取り図を見ると「MB」など、さまざまな略語が使われています。略語が使われる理由は、図面上の情報量をなるべく少なくすることで図面をわかりやすくするためです。
間取りを正しくチェックしたいなら、それぞれの略語が何を意味するのかを把握しておく必要があります。ここでは、間取り図で用いられる主な略語とその意味を紹介します。

【間取り図の略語1】MB

MBは、Meter Box(メーターボックス)の略語です。電気・水道・ガスなどの従量課金されるメーターを検針できるように、計器類を一ヶ所にまとめて設置する箱のことを指します。
MBが室内にない理由は、係員の定期的な点検や月ごとの検針の際に、住戸内に立ち入ることを避けるためです。とはいえ、メーター類は住戸ごとに設置されるので、扉など開口部のすぐ脇に設けられるのが一般的です。

ただし、マンション以外の建物では、一般的にMBは設置されません。たとえば、戸建住宅であれば勝手口の近くの目立たないところに、また建設のコストパフォーマンスが優先される賃貸用アパートであれば部屋の扉のすぐ脇などにメーター類があります。マンションでは、メーター類を露出することは美観の面からも好まれず、法的にも専有部と共用部を明確に区別する必要があるため、MBという区画を設けるのです。

【間取り図の略語2】PS

PSは、Pipe Space(パイプスペース)またはPipe Shaft(パイプシャフト)の略語です。これは2階建て以上の建物には必ず設置される設備配管用のスペースです。
たとえば、マンションなどの住戸を考えたとき、生活に必要な水については、上水と下水の設備が必要になります。水道水を使用して、キッチンやトイレから排水するのですが、そのための水道管や下水管をおさめておくのがPSです。主に、トイレ・浴室・キッチンなど水を扱う部屋に近接して設けられます。PSには上下水道管のほかにガス管なども同時におさめることがあります。

一般的な住宅では、キッチン・浴室の雑排水とトイレからの汚水は分けることが多く、PSが2カ所以上設けられる傾向にあります。なお、排水管は騒音源になることもあるため、PSが設置された間取り図上の位置はしっかりチェックしておきましょう。特に、寝室の近くを通っている場合は遮音仕様になっているかどうかの確認は必須です。

【間取り図の略語3】SB

SBは、Shoes Box(シューズボックス)の略語です。下足の収納スペースを指します。利便性を考えて玄関などに付随して設けるのが一般的です。
高級マンションなどでは、玄関横の壁全面にSBが設置され、棚板可動式で高さ変更が可能なタイプをセールスポイントとしている物件もあります。

靴のコレクションをいかに効率よく収納するかは住宅収納の大きなテーマのひとつです。そのため、SBよりも広い収納スペースを持つSICと呼ばれる収納も提案されています。Shoes-in Closet(シューズインクローゼット)の略語で、靴だけでなく場合によってはスキーやゴルフなどのアウトドア・アクティビティー用具まで一括して収納可能なスペースとなっています。

なお、日本のような温帯モンスーン気候の地域では、SBの湿度管理には十分な注意が必要です。梅雨の時期や夏季には湿度が高くなり、密閉したSB内ではカビが発生するおそれがあります。間取り図でSBを見つけたときは、風通しがよさそうな場所にあるかどうかもチェックしましょう。
もし、設置場所に選択の余地がなく、建物が建てられている場所が多湿地域の場合には、換気設備の設置なども検討し、風通しをよくする工夫が必要です。

【間取り図の略語4】WC

WCは、Water Closet(ウォータークローゼット)の略語で、トイレのことを意味します。間取り図では、排水設備の合理的な配置を考えて、浴室や洗面所など水回り関連設備の近くに置かれることが一般的です。
WCの配置でもっとも注意すべきなのは、音の問題です。使用中の音はもちろん、集合住宅の場合には深夜の汚水・排水音が騒音として問題になることがあります。間取り図で他の居室との距離を確認するようにしてください。

基本的には、主な居室に隣接した場所にWCを配置することは避けたほうがよいでしょう。例外的に、音の問題に神経質になる必要がない戸建住宅などでは、利便性を考えて主寝室のすぐ脇にWCを設けることもめずらしくありません。

【間取り図の略語5】W

Wは、Washing Machine(ウォッシングマシン)の略語です。洗濯機や乾燥機などの設置スペースを意味します。
間取り図でのWの位置は、洗面所内または隣接して設けられるのが一般的です。というのも、洗面所は浴室の隣にあることが多く、浴室を利用する際に脱衣した衣服をすぐに洗濯機に入れられるという合理性があるからです。なお、図面の縮尺が小さい場合には、Wという文字記号の代わりに、破線で描かれた四角形に×を入れた図記号を用いることもあります。

【間取り図の略語6】R

Rは、Refrigerator(リフリジレイター)の略語です。冷蔵庫や冷凍庫を設置する場所を指します。冷蔵庫のサイズにはかなり幅があります。1人分の必要容量は約70Lといわれています。

家族の場合、これに同居人数をかけて、常備品分の容量100Lと予備容量70Lを加えると、冷蔵庫の標準的な容量がわかります。Rとしては、その容量を満たすサイズの冷蔵庫が置ける広さが必要になるわけです。

〈4人家族の場合の標準的な冷蔵庫の容量〉
70L × 4人分 + 100L(常備品分) + 70L(予備) = 450L

なお、実際に冷蔵庫を置くときには、放熱スペースを確保する必要があります。一般的な電気冷蔵庫は、気化圧縮型と呼ばれる方式を採用しており、気化熱の原理を利用して庫内を冷却しています。

そのため、冷蔵庫の庫外に放熱用のコンデンサがあり、そこから熱が発生するのです。最近の冷蔵庫は筐体の上面および側面にコンデンサが設置されているため、上面と左右の側面に放熱スペースが必要になります。壁から離す距離も数cm程度は確保しておきましょう。機種により異なりますので、詳細は設置予定の冷蔵庫の取扱説明書を参照してください。

【間取り図の略語7】S

Sは、Service Room(サービスルーム)の略語となります。SRと表記されることもあります。一般的には、納戸とよばれる収納スペースを指しています。
建築基準法では、住宅の居室には床面積の7分の1以上の面積を持つ「採光が確保できる窓」を設けることが定められています。これを採光有効面積と呼びますが、これを満たさない面積の窓を持つ部屋は「無窓居室(むそうきょしつ)」となります。無窓居室は、法律上の居室としては扱えなくなるため、Sのような収納スペースとして活用するわけです。

【間取り図の略語8】WIC

WICとは、Walk-in Closet(ウォークインクローゼット)の略語です。WINCLまたはWCLと表記されることもあります。
もともとの意味は、歩いて入れるような通路スペースを持つ大型の衣類用収納スペースのことです。広さとしては少なくとも2〜3畳以上のものを指します。
間取り図では寝室の横に配置され、更衣室と兼用になることが多いようです。なお、一般的な衣類用の収納はCL(クローゼット)と表記されます。WICもSと同じように、無窓居室を活用するケースの一例といえるでしょう。

WICのバリエーションとして、WTCもあります。Walk-through Closet(ウォークスルークローゼット)の略語で、2つの開口部を持つ「通り抜けができる」クローゼットです。居室と居室の間に設けられ、どちらの部屋からも出入りができるタイプになります。

略語を覚えて間取り図をチェック!

間取り図にはさまざまな情報が略語で記入されているため、一般の人にはわかりにくいことがあります。意味や内容をきちんと把握したいときは、主だった略語は覚えておくほうが便利です。略語は機能を示す英単語の頭文字から構成されています。今回紹介した略語のほかにもわからない略語が出てきたら、その都度ネット検索などで確認する習慣をつけるとよいでしょう。

(※掲載の写真はイメージです)

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