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人は誰しも、いずれは老いるもの。身体機能が低下すれば、今まで気にすることもなかった段差で躓いたり、転倒したりといった危険が生じます。将来を見据えてリフォームすれば、先々まで安心して暮らせるでしょう。オンラインリフォームサービス「リノコ」を運営するセカイエ株式会社 リノコ事業部大東さんに、バリアフリーリフォームのポイントや補助金制度について伺いました。

バリアフリーリフォームのタイミングとリフォーム箇所

まずは、バリアフリーリフォームを行うタイミングと具体的なリフォーム箇所について教えていただきましょう。

「バリアフリーリフォームは必要に迫られて考える方が多い」と語る、リノコ事業部の大東さん

大東さん:
リフォームを行うタイミングですが、正直なところ、必要になってから準備をはじめるお客さまからが大半ですね。リフォーム箇所に関しては、必要な場所(玄関、階段、浴室等)に手すりを設置する、段差を少なくするといったちょっとしたリフォームのご依頼をいただくことが多いです。

必要に迫られてはじめて、バリアフリーリフォームを考える方が多いようです。「ホームエレベーターを設置したり、廊下の幅を広げたりといった大規模なリノベーションは、他の課題解消と合わせて計画的に行う方が多いのでは?」というお話もあり、まずは小規模なリフォームから始める傾向にあるようです。

出入りに欠かせない玄関は引き戸に変更

玄関扉を引き戸にすることで、扉の開閉時の場所を取らない

ここからは、施工場所別にバリアフリーリフォームについて伺います。まずは、段差があることが多く、転倒防止や車いすへの対応も必要になってくる玄関のバリアフリーリフォームから。

大東さん:
基本的には段差の解消・改善や手すり設置、ドアを引き戸にする工事のご依頼が多いです。「ドアが開けづらい」など、生活する中で不具合が出てから連絡をいただくケースがほとんどです。段差の解消や改善は5万円~対応させていただいております。扉を引き戸にする工事は、簡単な引き戸の場合で5万円程度ですが、採光が取れるようガラスが入った人気のタイプの場合は10万円前後みておく必要があります。防音や断熱性のある厚みがあるタイプやデザイン性の高いタイプも、扉は若干高額になる傾向がありますが、施工費用はいずれも変わりません。その他、手すりの設置が1ヶ所1万円くらいから可能で複数個所をまとめて設置する方が多いですね。また、あまり多くはありませんが足元照明を設置することもあります。

転落・転倒事故が発生しやすい階段は滑り止めの設置から

階段の転落・転倒防止に、滑り止めや手すりの設置がおすすめ

内閣府が2018年に発表した「高齢社会白書[1] 」によると、65歳以上の屋内事故の発生場所として、居室に次いで多いのが階段とのこと。転落や転倒を防ぐために、何をすれば良いのでしょうか?

大東さん:
築年数が古い家にお住まいの方は、角度が急な階段にお困りの方も多いと思います。階段の角度を改善するには、段差を小さくするなど大掛かりな工事が必要となるため、比較的手軽に工事ができる手すりの設置や足元照明のご依頼が多いですね。
階段に滑り止めを設置するケースは多く、アルミにゴムがセットされたタイプの滑り止めなら3~4万円程度で施工できるため人気があります。合わせて足元に照明を入れる場合は、電気配線工事込みで3~4万円ほどプラスになります。

在来工法の浴室をユニットバスに入れ替え、安全で快適な水廻りに

最近のユニットバスは、脱衣所と浴室の段差が少なく、滑りにくい床材やまたぎやすい高さの浴槽を採用。立ち座りに便利な手すりが設置できるタイプが多い

水に濡れた床は滑りやすく、転倒しやすいもの。浴室のバリアフリー化を考えている方も多いでしょう。

大東さん:
昔から一戸建てにお住まいの方の多くが、在来工法の浴室を利用されています。在来工法の浴室と比較して、ユニットバスはバリアフリーへの適合性が高いので、バリアフリーを検討する際、浴室の入れ替えを考えるお客さまが多い印象です。費用としては70~90万円からといったところでしょうか。
在来工法の浴室をそのまま活かし、手すりの設置や滑りにくいマットの敷設により転倒を防止する方法もあります。その場合、3万円くらいから実施できるのでリフォーム費用がおさえられます。

※在来工法:柱、梁、筋交いと柱の間に斜めに入れる材)など、木の「軸」を組み立てて建物を支える日本の伝統的な工法

毎日何度も利用するトイレは段差の解消や手すりの設置を検討

トイレに設置する手すりは上下する動作をサポートしやすいL字型手すりが有効。身体状況により、両サイドに手すりを設置したい

1日何回も足を運ぶトイレも、是非バリアフリー化を検討したい場所です。

大東さん:
築年数を重ねた建物の場合、トイレと床に段差ができているケースも珍しくありません。段差を解消する工事は7万円程度から対応可能です。また、立ち上がったり座ったりがしすいように手すりを設置する、開き扉から引き戸に変更するといった対策も有効ですね。

マンションのバリアフリーリフォーム

一戸建ての場合とマンションの場合では、バリアフリー化に向けたリフォームの方法にどのような違いがあるのでしょうか?

大東さん:
一戸建てとマンションで大きな違いはありませんが、マンションの場合は管理規約で独自の決まり事を設けているケースもあります。例えば、床の防音規定や養生の方法などが定められていたりするので事前確認が必要です。その他マンションの場合、構造上、動かせない配管などもあるため、リフォームにも制限が出てきたり工期が想定より長くなったりすることもあるので、そういった要素を念頭に計画することが大切です。

介護が必要になってからのバリアフリーリフォームで気を付けたいこと

前述の通り、バリアフリーリフォームは、必要に迫られて行う方が多い傾向にあります。リノコには、ご家族のために遠方から問い合わせが入ることもあるそうです。

大東さん:
実家で暮らすご両親のために、ご家族から代わりに問い合わせをいただくケースが多いですね。「遠方のため、工事に立ち会えない」とご相談いただくこともありますが、リノコではできるだけご家族に負担がかからないように対応しております。見積もりや契約もリノコのマイページの機能を使ってオンラインでやりとりができますし、契約者本人が当日に立ち会いをしなくてもかまいません。バリアフリーリフォームの経験を積んだ担当スタッフが、現場の状況を見て「今回ご依頼いただいた個所以外の〇〇にも手すりを設置した方が安全ですよ?」といった提案をさせていただくことも。過去の施工事例をもとに、経験値からアドバイスができますので、まずはお問い合わせください。

 また、「高齢者住宅改修費用助成制度」により、要介護認定で「要支援・要介護」と認定されている本人の住まいであれば、最大20万円を支給限度基準額として、工事費用の9割が介護保険で支給されます。また、自治体により補助金制度が設定されている場合もあるため、積極的に活用したいところです。

大東さん:
助成金を使ってリフォームをしたいという問い合わせは多いですね。ケアマネージャーの方から勧められて、ご相談いただくことが多いです。(高齢者住宅改修費用助成制度の詳細に関しては、各市区町村窓口までお問い合わせください。)

今、まさにバリアフリー化を必要としている方も、将来への備えとして検討中の方も、数万円程度の出費で、安全・安心な住まいづくりを叶えることができます。まずは、リノコに問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?

写真提供|取材協力:リノコ

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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