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毎年、発表される「世界幸福度ランキング」。これは国連が156ヶ国を対象に2012年より実施していて、「所得」「健康と寿命」「社会支援」「自由」「寛容さ」などの要素を基準にランク付けされたものです。北欧は常に上位にランクインされていますが、その中でも今回は私が21年住んでいるスウェーデンで国民を幸福にしてくれるキーワード「ラーゴム」についてお話しましょう。

「ラーゴム」はスウェーデン人のライフスタイルの基本

ラーゴムとはスウェーデン語で「ちょうど良い」「ほど良い」と言う意味。この言葉はスウェーデン人らしいライフスタイルの基本です。ちょうど良い加減というのは人それぞれ異なりますね。例えば、食べ物を数人で分ける場合、お腹が空いてる人が多めに食べてそうでない人は少なめに食べるという考え方が「ラーゴム」。

元々はバイキングの時代に食べ物や飲み物を分け合いながら暮らしていた時の言葉です。スウェーデン人は先祖がみんなで食べ物を分け合って生き抜いてきた歴史があるので、自分だけ独り占めするのではなく、お互いに助け合いほど良くということをとても大切にしています。

また、スウェーデンの祝い行事によく食べられているバイキング/ビュッフェスタイルの伝統料理「スモーガスボード」は有名ですが、その形式も昔から続くラーゴム文化から来ているとも言われております。折角の美味しい料理も食べ過ぎてしますと最後の方は味も半減してしまいますし、少なければ少ないでもっと食べたいという気持ちになりますから、ほどほどが一番美味しくいただけるのです。

ラーゴムの文化はバイキングの時代から受け継がれているのです

左:バイキングスタイルの中世料理ディナー/右:毎年7月にスウェーデンのゴットランド島で行われる“中世週間”。町中の人が当時の格好で中世の生活スタイルを楽しんでいる。

「Lagom är bäst (ラーゴム エ ベスト)」というスウェーデン語のフレーズをたびたび耳にしますが、これは「ほどほどが一番」という意味です。多すぎず少なすぎずその中間の「ほどほど」が何事においてもベストだという考えがスウェーデン的文化と言っても過言ではありません。

多くのスウェーデン人は、、ほどほどに働きほどほどにお金を稼いで、家族や友人と幸せな時間を共有しながら生活しています。日本と比べるとスウェーデンは娯楽が少ない国ですが、スウェーデン人は決してそれを不幸とは思いません。

余暇の過ごし方の例をあげると、友人とカフェでお茶をしながら話をしたり、家族で近くの湖に魚釣りに行ったり、森を散歩したり、冬は近所でソリ滑りをしたりと、アウトドアなどで十分楽しんでいます。至ってシンプルライフではありますが、みんながそれぞれの“ほど良さ”を知っているからこそおおらかで幸福度の高い国でいられるのです。

自然と触れ合う事はスウェーデン人にとって最高に幸せな時間

保育園の子供たちも毎日のように近くの森に散歩に行って、自然の中で遊んでいる

スウェーデンでは一般的に有給休暇が年5~6週間あります。もし自分が病気になった場合、病欠した初日のみ次の月の給料から引かれ、2日目からは給料の80パーセントが支払われます。また、子供が病気や怪我をして親が看病しなければならない場合、初日から給料の80パーセントが支払われます。これらのケースで有給休暇を使う必要は全くありません。

有給休暇はあくまで自分の自由に使える時間なので、夏休みや年末になると国民の多くの人が一気に3~5週間の長いバケーションを取ります。日本ではなかなか考えられない事でしょう。普段は、一生懸命働き休むときはしっかりと休んで、新たにまた仕事を頑張る。このようなライフスタイルのバランスも、「ラーゴム」の精神に基づいているのです。

自分の身近なところに「ラーゴム」な幸せはある!

天気の良い日はほとんどのスウェーデン人が外に出て余暇を楽しむ

日本で、いきなりスウェーデンのように「ラーゴム」い生活するのは容易ではないかもしれません。しかし、一番大切な事は自分を見失わず、そして自分に正直である事です。そうすれば自分に合った「ラーゴム」なライフスタイルがきっと見つかり、もっと沢山の幸せな時間が増えてくると思いますよ!

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この記事の筆者
佐藤公美 ライター

スウェーデン在住歴21年、一児の母でスパホテルYASURAGIのスーパーバイザー他、剣道7段でスウェーデン代表チーム総監督歴15年。仕事や遠征などで訪問した国は現在、30カ国。

得意分野は育児、旅行、ライフスタイル、北欧文化、ファッション、デザイン、北欧アンティーク、スポーツ。

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