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定期預金に1万円を1年間預けて数円程度しか利息がつかない低金利時代、少しでも資産を増やすために投資信託を活用したい、でもどんな投資信託を選べば良いかわからない、という人も多いでしょう。今回は投資の初心者にもわかりやすく始めやすい、インデックス型投資信託を紹介します。

インデックス型投資信託(以下インデックスファンド)ってどんなもの?

ひと言に投資信託と言っても何千商品もあり、投資対象、運用方法など、その種類はさまざまです。実は、投資信託は各運用会社のファンドマネジャーによって運用されていますが、自由に銘柄を選んで運用しているわけではなく、運用手法や運用の対象、株式や債券の組み入れ比率などの条件のうちいくつかは投資信託ごとに決められていて、その中でファンドマネジャーが運用の指示を出しています。この制約は「投資方針」のなかに書かれています。運用のスタイルは大きく分けるとインデックス(パッシブ)型とアクティブ型の2種類。

 インデックス型とは、TOPIX(東証株価指数)や日経225(東証一部上場銘柄の中でも代表する225銘柄の株価指数=日経平均株価)などのベンチマーク(比較指標・市場平均)の構成銘柄に投資して、そのベンチマークに連動する運用を目指します。つまり平均点狙いの運用をしていくやり方です。

一方でアクティブ型とは、アナリストの分析により、より成長が期待できる会社や株価の割安な銘柄など独自の銘柄の組み入れることで中長期的にベンチマーク(市場の平均)を上回る運用成果を目指します。アクティブ型はインデックス型よりも調査費用など手間がかかっているため、信託報酬など手数料が高い水準で設定されることが多くなっています。

ですから、例えば、同じ日本の株式に投資をする商品でもインデックス型とアクティブ型では、運用スタイルによって投資している株式の種類が変わるので値動きが異なる、ということです。

 インデックスファンドはどんな点が有利なの?

インデックス型は、「どんなに情報収集や企業分析を行っても、既に株価に織り込み済みだから、ベンチマーク(市場平均)を上回る運用成績を上げることはむずかしいはず」という考え方をもとに作られる一方、アクティブ型は、「情報が株価に織り込まれるまでの時間差があるので、情報収集や企業分析を行うことで市場平均に勝てるはず」という考え方にもとづいています。

どちらの方が絶対的に有利という答えが出ているわけではありませんが、一般的に考えられるインデックス型のメリットを見てみましょう。

その1)値動きがわかりやすい 

インデックスファンドは市場平均と同じような値動きを目指した運用をするので非常に値動きがわかりやすいことが一つの特徴です。例えば、日本の株式に投資をしている商品でベンチマークが日経平均株価であれば、日経平均株価の値動きを見ていれば、自分が買っている商品の値動きもわかるので、運用が初めての方でも理解しやすい商品です。

その2)コストが安い

また、運用にあまり手間がかかっていないため、手数料が安いというメリットもあります。

その3)インデックスファンドを使えば少ない金額から分散投資ができる

投資の格言のひとつに「たまごを一つのかごに盛るな」という格言があります。例えば、株だけに投資をしていた場合、株が急落したときには大きな損を抱えてしまうことになりますが、株だけでなく債券、保険や定期、また日本だけでなく外国にも投資をするなど様々な資産に分散させておけばリスクを抑えることができるでしょう、という考え方です。

インデックスファンドを使えば、1,000円程度の非常に小さな金額から世界中の平均指数に広く分散した投資が可能になります。

その4)長期投資に適している

インデックス(市場平均)そのものが、幅広い銘柄の平均等をとったものが多いので、インデックスファンドは必然的に分散投資になるわけです。また、インデックスファンドはその市場平均がある限り、ファンドそのものも存続する可能性が高いと言えます。インデックスファンドは信託期間を無期限としている商品がほとんどのため、長期投資に向いているといえます。

その5)長期でみると運用でアクティブに勝っているケースが多い

もちろん、中にはインデックスファンドよりも運用成績が良いアクティブファンドも多々ありますが、過去の統計データから見て、長期的にはアクティブ型よりも運用成績は良くなる傾向があります。

これは、アクティブ型のコストの高さが影響していると考えられます。

投資信託の基準価額の上昇・下落要因は主に以下の3つ。

1.投資対象である株式や債券などの価格の上昇、あるいは下落
2.分配金の支払い(常に下落要因)
3.運用コストの支払い(常に下落要因)

です。この3つ目のコストはかなり重要で、コストは確実にリターンを押し下げる要因となります。インデックス型はリターンに確実に響くコストが割安な分、長期ベースで見た場合、アクティブ型よりも運用面で有利に働きやすいのです。

インデックスファンドを買う際にかかる手数料は? 

インデックスファンドを買う際にかかるコストは、購入時手数料、運用時の信託報酬、解約時の信託財産留保額があります。最近では、購入時の手数料がかからない「ノーロード型」の商品も出ていますので、チェックしておきたいところです。信託報酬は、ファンドを保有している限り掛かり続ける運用手数料です。同じ日本の株式に投資をするインデックス型の商品でも割合は異なるので、この点もしっかり確認しましょう。

購入手数料は、購入時に1回だけ必要となる費用のため、長期間保有すればするほど1年あたりのコストは下がっていきます。対して、信託報酬は保有している期間ずっとかかるコストなので、保有期間が長くなるほど積みあがっていくコストです。「ノーロード型でも信託報酬が高い商品」、「購入手数料はかかるけれど信託報酬が低い商品」では、長期ベースでは後者の方がコスト面では有利になる可能性もかるのでトータルコストでの判断が必要です。

最後に信託財産留保額ですが、これは投資信託を買ったり売ったりする際にかかるペナルティー料です。これは商品によってかかるものとかからないものがあるので、合わせてチェックしておきましょう。

インデックスファンドを活用した積み立て方法は?

長期投資に適しているインデックスファンドですが、資産運用にどう活用すれば良いでしょうか? ここでは、運用のコツの一つである、「積み立て投資信託」の考え方を見てみます。「積み立て投資信託」は、毎月5,000円、10,000円といった定額で投資信託を少額購入して積立運用していくやり方です。

投資金額は毎月一定ですが、投資信託の値段は毎日変わっていくので、そのときの値段によって投資信託の購入口数が変わります。値段が安いときにはたくさんの口数が買え、値段が高いときには購入できる口数が減ります。結果、平均購入単価を下げる効果が期待できます。安く買えれば、そのあと値上がりしたときの利益も得やすいので、上手に運用するコツの一つ、と言われています。

いくらから積み立てればいいの?

金融機関によって購入できる最低金額は異なりますが、500~1,000円程度という少ない金額から積み立てを始めることができます。とはいえ、いくら積み立てればいいかわからないという場合には、

1.投資の目的は?(10年後に行く旅行資金、老後のためなど)
2.使う時期、運用期間は?
3.最終的にいくら準備する必要があるか?

この3つから積み立てる金額や購入する商品を決めましょう。

例えば、「15年後までに教育資金として300万円を貯めたい」、というのであれば、

月1.4万円を2%で運用できれば準備できることになります(下表より)。 積立金額は月1.4万円、過去の実績データから2%の目標を達成できそうな商品を選択する、といった流れです。商品はあらかじめ色々な資産に分散がされているバランス型の商品1本で運用する、あるいは、日本の株式、外国の株式など個別の資産に投資をするインデックス型の商品を組み合わせて分散しても良いでしょう。

あるいは、「老後の予備資金として25年後までにあと300万円貯めておきたい、でも、家計の中から捻出できるのは月5,000円程度」というのであれば、5%を目指した運用が必要となるわけです。このように、家計上、いくら積み立てられるか?⇒最終的にいつまでにいくら準備するか?⇒どの程度の利率で運用する必要があるか?という流れで金額や商品を選択する、という考え方もありますね。

<●年後に300万円貯めたい。毎月いくら積み立てる必要がある?>

利率 5年後 10年後 15年後 20年後 25年後 30年後
2.0% 4.8万円 2.3万円 1.4万円 1万円 8,000円 6,000円
5.0% 4.4万円 1.9万円 1.1万円 7,000円 5,000円 4,000円

(千未満四捨五入)

インデックスファンドを選ぶ際のポイントは?

では、最後にコスト以外のインデックスファンドを選ぶ際のポイントも見ておきます。

市場平均との連動制をチェック

インデックスファンドはベンチマーク(市場平均)と連動した運用を目指すので、商品の利回りが市場平均にどれだけ近い運用ができているか確認することが大切です。より市場平均に近い運用ができている商品が良いファンド、ということですね。

ファンドの資産額を確認する

ファンドの資産額が大きすぎるとあまり効率的に運用できない面もありますが、市場平均との誤差が同じなら資産の大きいほうが繰り上げ償還のリスクが低いといえます。

 運用のプロでも市場の変化を予想することは難しいわけですから、投資初心者にとっては、どのアクティブファンドが良いか、どの市場が良いかを見極めて選択するのは非常に難しいといえます。これから運用を始めようと思う方は、平均的な運用を目指すインデックスファンドを活用し、先進国への分散投資、長期投資を心掛けながら、毎月一定額積み立てていく積立投資から初めてみてはいかがでしょうか?

なお、投資信託での積立には、運用で出た収益に税金がかからない「つみたてNISA」を活用することをおすすめします。

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この記事の筆者
金子千春 ファイナンシャル・プランナー

千春コンサルティング事務所 代表
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャル技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー

新生銀行を経て2004年より独立。ライフプランや住宅ローンセミナー、個別相談、宅建講師、企業の従業員向け投資教育、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ことのないようにという観点から、講師や執筆を中心に活動中。

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