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住宅ローンにはたくさんの種類があります。家を購入し住宅ローンを選ぶ時に初めてそれを知り、豊富なラインナップに驚く人も多いでしょう。そういった人は、住宅ローン選びに不安を感じるかもしれません。しかし、ローンの種類や特徴を知れば、自分に合ったローンを見つけることができるはずです。より良い選択をするために、代表的な住宅ローンの種類や返済方法について学んでいきましょう。

住宅ローンは大きく3つに分類できる

住宅ローンには大きく「フラット35」「民間住宅ローン」「財形住宅融資」の3体系があります。それぞれどのようなローンなのでしょうか。

1.【フラット35】

住宅金融支援機構(以下、機構)が提供する住宅ローンで、「全期間固定金利型」の住宅ローンの代表ともいえる存在です。借り入れから返済まで、金利の変動がなく、返済額が一定なので、返済計画が立てやすいことが大きなメリットといえます。

取扱窓口は民間金融機関ですが、機構が債権化した住宅ローンを買い取ります(買取型の場合)。保証料は不要ですが、取得する住宅が一定の技術基準を満たしていないと融資を受けることができません。

2.民間住宅ローン

民間の銀行など、金融機関が提供する住宅ローンです。金利タイプは大きく分けて、「変動金利型」「固定期間選択型」「全期間固定金利型」の3つがあります。

金融機関がそれぞれ独自の商品を提供しているので、商品数は非常に多く、一般の人が広く申し込むことができるローンです。

中には、提携ローンといって、ハウスメーカーや不動産会社が金融機関と提携し、お客さんに斡旋する住宅ローンもあります。提携ローンの場合、そのハウスメーカーや不動産会社と契約した人が対象になるため、一般の人が利用することはできません(提携ローンについては後述します)。

3.財形住宅融資

勤務先で財形貯蓄を行っている人が利用できる住宅ローンです。財形貯蓄の一部を原資とした還元融資型住宅ローンで、借入限度額が財形貯蓄額によって変わるのが特徴です。また、返済期間中、5年ごとに適用金利が見直され5年間固定金利制となっています。

なお、【フラット35】との併用が可能です。併用する場合は、同一金融機関にて、同時申し込みをすると手続きがスムーズです。

繰り返しになりますが、財形貯蓄融資は勤務先に財形貯蓄の制度があり、かつ、制度を利用していないと申し込みできません。そのため多くの人が利用を検討できるのは【フラット35】と民間住宅ローンということになります。改めて、2つの住宅ローンの特徴を見てみましょう。

【フラット35】の特徴は?

【フラット35】は機構が提供する住宅ローンですが、適用金利や融資手数料は各金融機関が決定します。取り扱う金融機関によって、金利に差があることを知っておいてください。

また、【フラット35】には金利引き下げ制度があります。たとえば、【フラット35】の技術基準よりもさらに耐震性や耐久性などに優れた住宅に対して、5年間もしくは10年間といった一定期間、金利引き下げを受けられる【フラット35】Sがそのひとつです。

全期間固定金利型の場合、変動金利型と比較して金利水準は高くなるのが一般的ですが、こうした制度を利用すれば、金利負担を抑えることができます。

では、【フラット35】の金利引き下げ制度にはどんなものがあるのか、ご紹介しておきましょう。

【フラット35】S

【フラット35】の金利引き下げタイプです。省エネルギー性、耐震性など、【フラット35】で定められた技術基準よりもさらに優れた住宅に対して、当初5年間、または10年間金利引き下げの適用を受けることができます。

【フラット35】リノベ

中古住宅を購入して性能向上リフォームを行う場合、もしくは、性能向上リフォームがされた中古住宅を購入する場合に利用できるものです。要件を満たしていれば、当初5年間、または10年間、金利引き下げを受けることができます。

また、自分でリフォームする場合には、物件価格にリフォーム代金を上乗せして借り入れることができることも特徴です。

【フラット20】

【フラット20】とは、【フラット35】のうち、15年以上20年以下(※60歳以上は10年~20年)の借入期間を選択した場合をいいます。借入期間が20年超の場合と比較して金利が低くなります。

借入期間が21年超35年以下の場合と比べて、総返済額を低く抑えることができます。20年以内で完済できる見通しがあるのなら、借入期間35年で組んで繰り上げ返済するよりも、当初から【フラット20】を利用したほうが合理的です。

【【フラット35】の金利引き下げ制度】

【フラット35】 【フラット20】 【フラット35】S 【フラット35】リノベ
通常の金利タイプ 【フラット35】よりも金利が低くなる 当初5年間または当初10年間、【フラット35】の借入金利から金利を0.25%引き下げ 当初5年間または当初10年間、【フラット35】の借入金利から金利を0.5%引き下げ

民間住宅ローンの特徴は?

民間の住宅ローンは、金融機関ごとに商品の内容が異なります。

サービス内容もいろいろで、キャンペーンによる優遇金利が適用されたり、金利とは別に銀行のATM利用時の手数料が無料になったりといった優遇を受けられる場合もあります。団体信用生命保険の特約が豊富な商品もあります。

また、数は多くありませんが、【フラット35】以外の全期間固定金利型の住宅ローンを取り扱っている金融機関もあるなど、選択の幅が大きいといえます。

【フラット35】の場合、取得する住宅が一定の技術基準を満たす必要がありますが、民間の住宅ローンの場合は、収入や勤続年数などの人的要件が厳しく審査される傾向にあります。

なお、【フラット35】と民間住宅ローンの双方を取り扱っている金融機関も多くあります。たとえば、【フラット35】の実行件数シェアNo.1のアルヒ株式会社では、住信SBIネット銀行や楽天銀行、ソニー銀行の住宅ローンも取り扱っています。

(参考)

住信SBIネット銀行「MR.住宅ローンREAL(団信・全疾病保障、交通事故傷害補償付)」 

ソニー銀行の住宅ローン

楽天銀行住宅ローン【Type-R】(全疾病特約付団体信用生命保険)

提携ローンってお得なの?

上でも触れましたが、提携ローンについて改めてご説明しておきましょう。

提携ローンとは、ハウスメーカーや不動産会社など住宅を販売する事業者と金融機関が提携したローンのことです。審査の手続きがスムーズで、金利が優遇される場合もあります。

また、ハウスメーカーや不動産会社が間に入るので、申し込みの手続きや、住宅の引渡日と融資実行日スケジュール調整など、金融機関とやり取りする手間が省けることもメリットといえます。

提携ローンに決めてしまえば、住宅ローン選びに悩むことはないでしょう。しかし、提携ローンが必ずしも自分に合った住宅ローンだとは限りません。

メリットはありますが、ハウスメーカーや不動産会社に勧められるまま選んでしまうのではなく、ご自身でも住宅ローンについて勉強をして、ご自身のニーズに合った住宅ローン選びをされるようおすすめします。

住宅ローンの金利タイプを選ぶ

住宅ローン選びで大切なポイントのひとつが、金利タイプの選択です。住宅ローンには、「変動金利型」「固定期間選択型」「全期間固定金利型」の3つの金利タイプがあります。それぞれについて、改めてご説明しておきましょう。

変動金利型

変動金利型は、3つの金利タイプの中で一番金利水準が低いものです。民間金融機関が扱う住宅ローンの主力商品といえる存在です。

返済期間中、半年ごとに金利が見直され、返済額が増減する可能性がありますが、返済額については5年ごとに見直されるのが一般的です。また、返済額が上がる場合でも、見直し後の返済額は、従前の1.25倍までとするのが一般的です。

そのため、大きく金利が上昇した場合には、未払い金利が発生する可能性があります。

(参考記事:変動金利の方要注意! ローン残高が増えてしまう「未払利息」の原因と対策

固定期間選択型

借入当初から一定期間の金利が固定されるタイプです。固定期間終了後は、改めて変動金利か固定金利期間選択型を選ぶことになり、その時点の金利が適用されます。

金利の固定期間は2年、3年、5年、7年、10年…など金融機関によって異なります。固定期間が短いほど金利が低くなるのが一般的ですが、中には10年固定型のほうが、5年固定型や7年固定型よりも金利が低いといったケースもあるのでしっかり確認しましょう。

全期間固定金利型

金利の変動がないため、借り入れから返済終了時まで返済額が変わりません。他の2つの金利タイプに比べると金利水準は高めに設定されている傾向にあります。

ただし、近年は低金利化が進んでいるため、他の金利タイプとの金利差は小さく、現在の金利水準で完済まで融資を受けられるのは、かなり大きなメリットといえるでしょう。

【金利タイプごとのメリット・デメリット】

  変動金利型 固定期間選択型 全期間固定金利型
メリット 適用金利の水準が低い 固定金利期間を自由に選べる 完済時まで返済額が一定なので安定して返済できる
デメリット 金利変動リスクがあり、返済額が5年ごとに変わる
(未払い利息が発生する場合がある)
固定金利期間終了後の金利がどうなるかわからない 適用金利の水準が高め

金利上昇によって返済額が増える可能性があっても、当初の返済額を抑えたいなら変動金利型や固定期間選択型を選ぶといいでしょう。

ただし、金利上昇リスクがあることは十分に認識しておいてください。いくら当初の返済額が低くても、将来の金利上昇で返済苦に陥ってしまうなら、賢い選択とはいえません。

金利が少々高めでも、安定した返済を望むなら全期間固定金利型がおすすめです。特に、現在は金利水準が低いので、全期間固定金利型を選択しやすい環境といえるでしょう。

完済するまで返済額が変わらないことは大きなメリットです。「今後、教育費の負担が増える」「転職を考えていて一時的に収入が減るかもしれない」など、家計支出が増えることがわかっている場合や、収入が不安定になるリスクがある場合には、家計収支の見通しが立てやすい全期間固定金利型は有利です。

目先の金利にとらわれず、全期間固定金利型を検討してみてはいかがでしょう。

まとめ

ここでは、【フラット35】、民間金融機関の住宅ローン、財形住宅融資といった住宅ローンの種類と3つの金利タイプについて、それぞれの特徴をご紹介しました。

変動金利型の場合、金利が上昇すると利息の支払いが増えて元金の返済が進まないというリスクもありますが、全期間固定金利型であればそうしたリスクはありません。先にもご説明したように、完済まで返済額は一定で、返済計画が立てやすいのは大きなメリットといえます。

住宅は人生最大の買い物です。住宅ローン選びにあたっては、住宅ローンの基本的な知識を知ったうえで、慎重に検討してください。

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この記事の筆者
横山晴美 ファイナンシャル・プランナー

ライフプラン応援事務所代表 AFP FP2級技能士 住宅ローンアドバイザー
2013年にFPとして独立。企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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