フリーランスとして、母として。「気に入った家にずっと住み続けられたら幸せ」――エッセイスト・犬山紙子

2014年に結婚、2017年に出産を経験した、エッセイストの犬山紙子さん。ライフステージや働き方が変わっていくとともに、住まいの“価値観”はどのように変化したのでしょうか。子育てに理想的な家や、フリーランスが住宅を購入するときの不安など、さまざまな側面からお話を伺いました。

ボードゲームのために引っ越した家は、子育てとも相性抜群

――まずは、これまでの住まい遍歴を聞かせてください。独身時代はどんな家に住んでいましたか?

犬山紙子さん(以下、犬山):独身時代はお酒を飲みに出歩くことが多かったので、利便性を重視していました。だから、すぐに友達と遊べるように、とにかく都心に。広さは全然気にならないタイプだったので、20平米の部屋に住んでいましたね。夫と同棲をするために引っ越したときも、相変わらずアクセスを優先して、40平米の物件を選びました。

――大人2人で40平米はなかなかコンパクトですね……。

犬山:20平米が基準になっているから、40㎡でもすごく広いと感じていたんですよ(笑)。当時は、広い家に住むよりも家賃をなるべく抑えて、洋服や旅行にお金を使いたかったんです。

――次に引っ越しをされたのは、どんなタイミングでしたか?

犬山:同棲して、しばらく経ったころですね。もともと私はゲームがすごく好きだったんですが、仕事で交友関係が広がるにつれて、ボードゲームを一緒にプレイできる友達が増えてきたんです。そうすると家で遊ぶことが多くなるのに、狭くて散らかっている家だと、居心地が悪いじゃないですか。もっとみんなとゲームがしたいという気持ちから、リビングが広い賃貸マンションに引っ越しました。そこに今も住み続けています。

――結婚や出産というライフイベントではなく、友達との時間を充実させたいという思いが、引っ越しのきっかけになったんですね。

犬山:そうですね。でも、ボードゲームのために引っ越した今の家は、結果的に子育てにもすごく合っているんです。大人も呼べる広めのリビングだから、子どもを連れて出かけづらいときには、友達が家に来てくれる。子育てって、複数の大人がいるだけでぐっと楽になるんですよ。自分も他愛ないおしゃべりができるし、子どももいろんな大人とふれあえるし、「友達が来やすい空間づくり」をして本当によかったと思っています。

――子育て中に気になりやすい騒音などはいかがですか?

犬山:意外と気にならないですね。部屋の外に出て確認したこともあるけれど、今のところ音漏れはしていないと思います。趣味がカラオケなので、娘にごはんを食べさせながら「JOYSOUND TVPLUS」で歌ったりもしているけれど、それも漏れていませんでした(笑)。

理想の住まいは、「庭のある家」。一方で、ローンを組むことへの不安も

――独身時代は「とにかく遊びに行きやすい家」がベストだったようですが、子育てを踏まえた“理想の住まい”は、どんな家でしょうか。

犬山:やっぱり、庭があると最高だなと思います。このあいだ、弟が一軒家を建てたんですよ。家族で遊びに行ったとき、庭で子どもたちと犬が一緒に遊んでいる様子を見るのが、本当に幸せすぎて……。自分自身、犬と走り回っている景色をたくさん覚えているから、余計にそう思ってしまいます。それから、柱に傷をつけて身長を測ったりできるのも、いい思い出になりますよね。

――持ち家だと、できることの自由度が上がりますもんね。

犬山:家具を壁に取りつけたり、壁の色を塗り変えたり、カスタマイズもできるのがいいですよね。ただ、我が家は夫婦ともどもフリーランスなので、家を購入してローンに縛られるのは少し不安があります。収入がまちまちだから、毎月どれくらい払えるのか、何年間払い続けられるのか、保証が一切ないし……。

――ARUHIの『家探し前クイック事前審査』というサービスでは、物件を決める前に、自分たちの借入額を算出できるんですよ。無理なく組めるローンの範囲がわかるから、予算の範囲で物件が探せます。

犬山:そういうサービスがあるのはいいですね。収入に波があるとはいえ、具体的な金額のイメージが湧けば、現実的な検討ができそう。それに、今ってどんどん寿命が延びてるじゃないですか。100歳まで生きることを考えると、安定した収入があるなら、購入したほうが安心できるなって思います。

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いつかは友達と共同で物件を購入して、“中年シェアハウス”にするのもいい

――フリーランスでも安心してローンを組めるとしたら、賃貸・購入のどちら派ですか?

犬山:今のところは賃貸派ですね。きっと私も100歳くらいまで生きるから、悩むところではあるんですけど……自分のすごく飽きっぽい性格を知っているので。年を重ねたときにどこに住みたいかは、そのときになってみないとわからないなって思うんです。でも、実家の父なんて、家を建ててからもう20年も経つのに、いまだに自分の家が大好きなんですよ。帰省するたびに「ええ家やろ」って言われる(笑)。

――それはとってもハッピーですね。

犬山:そうですよね。とことんこだわって自分の家を建てて、しかもそれをずっと気に入っていられるなら、すごくいいなって思います。でも、私はまだ子どもも小さくて、保育園のある場所から離れられないし、住まいの制約が多いんですよね。

――確かに、どこかに引っ越してまた保育園を探すのは、ちょっと現実的ではないですね。結婚・出産を経た今、次に住まいの価値観が変わるタイミングがあるとすれば、どんなときだと思いますか?

子育てが一段落して、子どもが自分の手を離れていくタイミングですかね。「保育園や学校のことを考えないで、好きなところに住める!」とか「子どもに汚されたり壊されたりする心配もなく、好きなインテリアを楽しめる!」となったら、自由度の高い持ち家に惹かれるかもしれません。今はやっぱり子どもを中心にインテリアを決めているから、これがしばらく続けば、20年後にはフラストレーションが溜まってるんじゃないかなと思うんですよね(笑)。

――自由に家を選べるときがきたら、どんな家に住みたいですか?

シールを貼られたりラクガキされたりしないなら、まずは好きな家具を置きたいです(笑)。あと、壁も一面ずついろんな色に塗り替えたい。沖縄の一軒家とか、外国に住むのも夢が広がります。血のつながりがなくても家族みたいな関係ってつくれると思うから、友達と一緒に家を買って“中年シェアハウス”みたいにするのも楽しそう。将来の自分が何をしでかすかはわからないけど、ずっと楽しく暮らせたらいいなと思います。

(最終更新日:2019.10.06)
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