自治会(町内会)には入らなくてはダメ? 活動内容・自治会費をリサーチしよう

自治会への加入はマストではない

日本全国の地域社会に根付く自治会。引っ越しが済むとほどなくして加入を求められる場合が多くありますが、必ず入らなければならないものなのでしょうか。

その答えは「ノー」です。自治会は任意団体ですので、法律等によって加入を強制されるものではありません。加入後も、加入者の状況に応じて任意による脱会が可能です。

マンションの場合、管理組合と同列に扱われるケースもありますが、マンションの管理組合と地域住民の生活向上を目的とする自治会はそもそも異なる団体です。引っ越しの際にはあらかじめ頭に入れておくとよいでしょう。

自治会の活動内容を探ってみる

自治会は、同一地域の住民により共通の利益や生活の向上を目的として結成されている団体。実際はどのような活動をしているのでしょうか。活動範囲は多岐にわたりますが、概ね下記のようなものが挙げられます。

防犯活動
夜道でも安心して歩けるように地域の安全を確保するため、防犯灯の設置や維持管理を行う。犯罪を未然に防ぐため、パトロールなども行う。

環境美化活動
ごみ置き場や公園などの清掃、空きカン・空きビン拾いなどを行う。ごみの減量に取り組むほか、資源ごみを有効に活用するため有価物回収事業にも協力し、資源を守る運動を行う。

福祉活動
子供会・老人会・女性団体や青少年育成会などの組織・支援を行うとともに、自治体と連携を取り、地域活動の情報連絡など互助活動を行う。地域福祉の推進に努めるほか、各種募金に協力し、募集など取りまとめを行う。

親睦活動
会員同士の親睦や交流を目的として、地域住民が参加できるイベントを企画・開催する。夏祭りや運動会などの文化・レクリエーション活動を行うほか、サークル活動などにおいて、一人ひとりが趣味を生かした生涯学習活動を行えるよう支援する。

地域によって活動が盛んか否かは差が出てくるところですが、自治会活動のおかげで住みよく、活気のある町に近づいているケースが多くあることは確かです。町における自治会の存在意義を考えながら、どのような活動をしているのかをリサーチしておくと、入会のタイミングで判断に役立つはずです。

美化活動などを通して、会員同士が交流するきっかけになることも。

かなりの負担を強いられるケースも…

自治会の活動費がどこから捻出されているかと言うと、そのメインは会員が負担する自治会費になります。

「地域にとってよい活動を行っているのだから、そこに住む者として自治会に入るのは当然」という認識の方も多いと思いますが、自治会費は地域によってかなりの差が生じているのが現状です。

月額数百円程度であれば家計への負担も少ないですが、月額数千円、年間で数万円ともなれば、気軽に支払える額ではなくなってきます。加入する際に数千円から数万円の入会費を求められるケースもあるため、事前のリサーチは必須と言えるでしょう。

住み始めてから「えっ!? こんなにかかるの?」と驚かないためにも、前段階で不動産会社の担当者等に聞いておくのがベスト。特に長期的な居住を考えているのであれば、忘れずにヒアリングしましょう。

活動内容に納得できるかがポイント

実質的に自治会費が支払い可能なレベルの金額かどうか、という問題がクリアできた場合に入会を迷うのであれば、一旦保留にするのも手です。活動が盛んな地域であれば、日々の暮らしの中で自治会の活動を目にする機会も多くあることでしょう。

「近所の方が防災パトロールを頑張っていた」「お祭りに参加して楽しかった」「清掃活動に参加したくなった」など、自治会の活動に興味を抱いてからでも入会するのは遅くありません。

また、自治会の決算は回覧板等を通して周知されるケースがほとんど。自分が支払った町会費が納得できる使われ方をしているかどうかをチェックすることも、会員を継続する上ではポイントと言えるでしょう。

日々の暮らしに影響する自治会の存在は金銭が絡むことから、認識の甘さがトラブルを招いてしまう可能性もあります。会の活動内容に納得できるかを見極めながら、自身のライフスタイルに合わせて入会を検討しましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア