引っ越し作業で忘れがち。ライフラインの要“電気”を確保するための手続きを解説

引っ越し作業で忘れてはならないのが、電気・水道・ガスなどのライフラインの手続きです。その中でも「電気」は、2016年に電力の自由化が始まったことにより、引っ越し先によっては手続きが完了していないとすぐに使えないことも。そんな困った事態に陥らないためにも、電気の引っ越し手続きについて、いつまでに、何をしたらいいのかをARUHIマガジン編集部が調べてみました。

旧居は電気使用停止手続きを。でも、引っ越し当日まで使えるように!

引っ越しする際、それまで住んでいた家での電気使用を停止しなければなりません。これが完了できていないと、電気は使わないときも基本料金が発生するため、退去後の分まで請求されてしまいます。使用停止手続きをすると基本料金を日割り計算してくれるので、必ず忘れないようにしましょう。

なお、退去する日まで電気を使える状態にしておくことが肝心です。「もったいないから早めに使用停止しよう!」と、退去日前に使用停止してしまうと、電灯が点かない暗い部屋で荷物の運び出しをして危なかったり、最後の片付けに掃除機が使えなかったりと不便な思いをすることも。「使用停止日は引っ越し当日!」と覚えておきましょう。

使用停止手続きに立ち会いは必要なく、電話一本で完了します。当日に電話してもよいですが、バタバタして忘れてしまわないためにも、1週間程度前に済ませておくと安心です。電話口では、以下のことを伝えます。

[1]現住所
[2]契約者の氏名
[3]お客さま番号
[4]退去日(停止日)
[5]引っ越し先の住所
[6]最後の月の支払い方法

[3]の「お客様番号」は検針票や領収書に記載されているので、手元に用意しておきましょう。

また、[6]の最後の月の支払い方法ですが、引っ越し先も同じ電力会社の管轄であり、引き続き利用する場合はこれまでと同様のクレジット決済や口座引き落としができます。電力会社が変わる場合は、後日請求書を発送してもらうか、引っ越し当日、電気会社の係員に来てもらって、直接支払うことになります。都合のいい方法を選びましょう。

また、多くの電力会社がインターネットでの使用停止手続きを受け付けています。会社によっては、使用停止日の2、3日前が受付締め切りとなっているので、こちらを利用する際もやはり1週間程度前に取り掛かっておくのが無難です。

なお、引っ越し先でも同じ電力会社を利用する際は、使用停止手続きと同時に、引っ越し先での電気使用開始申込みも完了することができます。

新居では電気使用開始手続きを。引っ越し当日から使えるように

前項でも紹介したとおり、旧居と新居で同じ電力会社を利用する際は、引っ越し前の手続き時に新居の電気使用開始手続きまで完了しておきます。使用開始にあたり立ち会いの必要はなく、ブレーカーを上げればすぐに電気は使用できます。電力会社が異なる場合も、ブレーカーを上げれば電気は使えますが、「電気使用申込書」に記入して送付し、手続きをしなければなりません。申込書は新居の玄関やポスト、ブレーカーの近くなどに備え付けてあるので、忘れずに送付しましょう。

なお、電力自由化にともない、「スマートメーター」が設置されている物件が増えています。このメーターは電力会社と通信して、その部屋と電力会社の契約の有無を確認し、電気を通すかどうか決めるための設備です。下見の際に電気が使えていても、それは物件の管理会社または大家さんが電力会社と契約を結んでいる状態だからであり、引っ越し後は入居者が電力会社と契約しないと電気は使えません。事前に管理会社や大家さんに「スマートメーター」の設置状況を確認し、引っ越し前に手続きしておきましょう。

また、引っ越しを機に電力会社を切り替えるのもおすすめです。電力会社ごとに独自のプランや料金を設定しており、場合によっては従来よりも電気料金を安くすることが可能です。あらかじめしっかり調べて比較検討しておきましょう。経済産業省の資源エネルギー庁ホームページに切り替え可能な「登録小売電気事業者一覧」が掲載されているので参考にしてみてください。なお、新たに電力会社へ申し込みを行う際は、以下を準備しておきましょう。

[1]現在契約中の電力会社の名前
[2]現在契約中のお客さま番号
[3]供給地点特定番号
[4]電力会社を切り替えたい日(引っ越し日)
[5]契約者の本人確認ができる書類(運転免許所や健康保険証など)

電気・水道など各種サービスの一括手続き可能!“引越れんらく帳”とは?

電気や水道、ガスなど、複数の事業所に連絡をするのは大変です。そこでおすすめしたいのが、これらの手続きを一括で行うことのできる無料サイト「引越れんらく帳」です。契約者の名前・引っ越し先の住所・電話番号・メールアドレスなどをたった一度登録するだけで、公共サービスの引っ越し手続きはもちろん、NHKやクレジットカード、損害保険の住所変更までまとめて済ますことができます。しかも24時間いつでも利用でき、帰宅後や休日の手の空いた時など、都合のよい時に行えるのでとても便利です。

まとめ

スイッチひとつで照明がつき、エアコンが効いて快適な室温に調整される便利な時代。使えるのが当たり前になってしまっている現在、たった一日使えないだけでも、不便であることは間違えありません。新居で気持ちの良い生活を送るためにも、引っ越し前後にきちんと手続きをしておきましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
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