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住宅を取得すると最大30万円(消費税率8%時)が受け取れる「すまい給付金」制度は、消費税率アップに伴う負担軽減策として2014年4月にスタートしました。ただし、受け取るには住宅や収入などに一定の条件が定められています。マイホーム取得の前に自分が受け取れるか、また、いくら受け取れるかを確認しておきましょう。

消費税率8%時には最大30万円、消費税率10%では最大50万円の給付額

「すまい給付金」は、消費税率8%への引き上げに伴う負担軽減策として2014年4月にスタートしました。消費税率は2019年10月には10%への引き上げが予定されていることもあり、この制度は2021年12月まで実施されることになっています。

なお、消費税率アップに伴う負担軽減策としては、この他にも住宅ローン減税制度が拡充されています。ただ、住宅ローン減税制度は低収入層に対する負担軽減効果が低いため、それをカバーする目的で「すまい給付金」は導入されました。

給付額は、取得する住宅にかかる消費税率が8%か10%かによって変わります。また、収入や、住宅の登記簿上の持分割合によっても変わります。

たとえば、収入が400万円の人が消費税率8%の住宅を取得したとすると、給付基礎額は30万円となります。この方の住宅の持分割合が80%、配偶者が20%の場合、この方が受け取れるすまい給付金の額は、30万円×80%=24万円になります。

なお、収入の判定は、実際には都道府県民税の所得割額で行います。市区町村が発行する課税証明書で確認をする必要があります。また、持分割合とは登記簿に記載された不動産の所有割合のことで、原則としてその不動産を取得するのに負担した金額の割合に応じて決まります。

「すまい給付金」を受け取ることができる条件は、収入や持分割合だけではありません。また、基本的には住宅ローンを使って住宅を取得した人の負担軽減を図るものですが、住宅ローンを使わずに現金で住宅を取得する場合でも受け取れます。しかしその場合は50歳以上の方に限定され、さらに消費税率10%のときの収入額の目安の上限が650万円(所得割額13.30万円)になります。

一定以上の品質の住宅が対象になる!

「すまい給付金」には住宅の条件も定められています。まず、新築、中古にかかわらず登記簿上の床面積が50平米以上なければなりません。

そして、新築の場合で住宅ローンを使う場合は、住宅瑕疵担保責任保険に加入していることや、住宅性能表示制度を利用しているなど、施工中に検査を受けている住宅が対象になります。住宅ローンを借り入れせずに現金で取得する場合は、検査を受けていることに加えて、【フラット35】Sと同等の基準をクリアする等の住宅が対象になります。

中古住宅の場合は、宅地建物取引業者から購入する物件で、既存住宅売買瑕疵保険への加入など、売買時に検査を受けている住宅が対象になります。個人から購入する物件は対象外です。なぜなら、業者から購入する中古住宅には消費税がかかりますが、個人から購入する場合には消費税がかからないからです。「すまい給付金」の目的は消費税率アップに伴う負担軽減です。消費税のかからない住宅を取得しても「すまい給付金」を受け取ることはできません。

参考:すまい給付金について | 対象要件(中古住宅)

(関連記事:中古住宅購入で住宅ローン減税やすまい給付金などの支援策はある?

自分が受給できるか? いくらできるか? 住宅が条件を満たしているか? を確認する!

「すまい給付金」の受給条件は、細かく定められています。まずは、自分が受給対象者はどうか、対象者の場合は消費税率ごとの給付額を確認しましょう。この制度を所管する国土交通省が開設している「すまい給付金」に特化したWebサイト(※住まい給付金サイト:国土交通省)には、制度の概要や条件の詳細、申請手続きなどが記載されているほか、自分が給付金を受け取れるかやいくら受け取れるかをシミュレーションできる機能がついています。

また、自分が取得する住宅が条件を満たしているのか、どういう手立てを講じれば条件を満たす住宅になるのかは、専門家でない素人にはなかなかわかりません。そんな場合は、取引の相手先である建築会社や不動産業者に問い合わせて確認しましょう。これらの業者には「すまい給付金」の受給申請の手続き代行を依頼することもできます。

「すまい給付金」のWebサイトには地域ごとの電話相談先としてサポートセンターが案内されています。これらもうまく活用して「すまい給付金」の受給漏れがないようにしたいものです。

消費税率8%の住宅を取得するか? 10%の住宅を取得するか?

消費税率は2019年10月1日に、現在の8%から10%に引き上げられる予定です。住宅は土地と建物に分けることができますが、土地に消費税はかかりません。かかるのは建物だけです。たとえば、土地の価格が2,000万円、建物価格が2,000万円の場合、消費税率8%のときの税込み価格は土地・建物の合計で4,160万円ですが、消費税率10%になると合計4,200万円になり、負担は40万円増加します。

消費税率が10%に上がると「すまい給付金」の給付額も増えます。増える給付額が消費税率2%アップに伴う負担増より多い場合は、消費税率10%になるのを待ってから住宅を取得したほうがいいとも言えます。逆に増える給付額が消費税率アップに伴う負担増より少ない場合は、消費税率が8%のうちに住宅を取得したほうが有利とも考えられます。

住宅の消費税率が決まるのは、引き渡しのタイミングです。したがって、2019年10月1日以降に引き渡しがされる住宅の消費税率が10%になります。しかし、住宅の場合、経過措置として、半年前の2019年3月31日までに売買契約や建築請負契約を締結した場合に限り、引き渡しが2019年10月1日以降でも消費税率が8%になるとされています。

近い将来マイホームの取得を検討しようと思っている方は、消費税率のアップによる負担増と「すまい給付金」の給付額をあらかじめ把握したのちに、どのタイミングで契約をするか、また、どの時期に引き渡しの日程を組むかなどを検討し、スケジュールの調整をするなどをしたほうがいいでしょう。消費税率8%で住宅を取得したいなら、消費税率がアップする前に駆け込み需要が起こることも想定し、2019年3月31日までの契約を目指して、早めにスタートをした方が良さそうです。

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この記事の筆者
中村宏 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、住宅ローンアドバイザー

個人相談、セミナー講師、新聞や雑誌・Webの記事執筆や取材協力が主な業務。
暮らしのお金に関するお役立ち情報として、無料のメールマガジン「生活マネー ミニ講座」(平日:毎日)を配信中。

FPオフィス ワーク・ワークス代表

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