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住宅ローンを返済中のマイホームをリフォームする場合、ローン残高にリフォーム資金を上乗せして住宅ローンを借り換えることができます。現在は金利水準が非常に低いので、リフォームローンを別に借り入れするよりも返済負担を軽減できる場合が多いといえるでしょう。ここでは、リフォーム資金を上乗せして住宅ローンを借り換える場合のシミュレーションを行うとともに、その条件や注意点を解説します。

リフォームをするなら住宅ローンの借り換えを考えよう

住宅には修繕やリフォームが必要です。住宅の設備や資材にも寿命がありますから、年月を経るとともに、住宅設備の故障が起こるだけでなく、建物そのものの老朽化も進んでいきます。

たとえば、壁紙の張替えや給湯器の交換、浴室・洗面所などの水回りの点検は築5〜10年のタイミングで行うのが一般的とされていますし、築10〜15年になると、浴室・トイレ・洗面台・キッチンといった水回りに不具合が出てくるので、交換工事が必要になるケースも多いでしょう。快適な住環境を守るだけでなく、マイホームの寿命を伸ばし、資産価値を保つためにも、適切なタイミングでリフォームやメンテナンスをすることが大切です。

そう考えると、住宅ローンの返済中にマイホームのリフォーム資金が必要になるというのは、ごく一般的なことといえるでしょう。リフォーム資金についても、当初から資金計画に組み込まれていて、十分な金額が確保できている場合は問題ありませんが、リフォームローンなどで借り入れをする方が多いことでしょう。

リフォームローンを組むより借り換えがお得?

リフォームローンの借り入れを考えるのであれば、まずは住宅ローンの借り換えを検討してはいかがでしょうか。借り換えをすれば、住宅ローンの残債にリフォーム資金を上乗せして、住宅ローンで一括借入れすることも可能です。

リフォームローンの金利を見てみると、たとえば三菱UFJ銀行の場合は、変動金利で1.99〜2.875%(保証料込み)と住宅ローンの金利よりも高くなっていますし、借入期間も一般的なリフォームローンの場合は10年程度(三菱UFJ銀行の場合は6ヶ月以上15年以内)と短くなっています。住宅ローンの借り換えにあわせて、リフォーム資金も一緒に住宅ローンで借り入れすれば、低い金利でまとめて借り入れすることができますし、1本にまとまることで、家計管理がしやすくなることもメリットといえるでしょう。

何よりも、借り換え前の住宅ローン金利によっては、返済負担を減らせるケースが考えられます。住宅ローン金利が現在のような非常に低い水準になったのは2016年以降です。現在お住いの住宅についてリフォームをお考えであれば、2016年以前に住宅を購入した方が大半ではないでしょうか。リフォームに合わせて住宅ローンの借り換えをすることで、返済負担を減らせる人方は多くいらっしゃると思われます。

【フラット35】の金利推移

借り換えでどれくらいお得になる?

たとえば、金利3%で全期間固定金利型の住宅ローンを返済中の人が、マイホームをリフォームするとして、リフォーム資金を上乗せして住宅ローンを借り換える場合と、リフォームローンを別に借入れる場合について考えてみましょう。住宅ローンの残債は2,000万円、残りの返済期間は25年、リフォーム資金は250万円とします。

借り換え後の住宅ローン金利は、ARUHIフラット35の金利1.73%(借入期間20年以下、融資比率10割、団信加入)を適用し、リフォームローンについてはイオン銀行のリフォームローンの金利2.5%(固定金利、3月10日時点)を適用、借入期間は10年間とします。

   借入額  金利  借入期間  毎月返済額  総返済額
 借り換え前  2,000万円  3%  20年  110,919円  26,620,567円
 住宅ローンを借り換える場合  2,250万円  1.73%  20年  110,969円  26,632,560円
 リフォームローンを別に借り入れする場合  2,250万円  住宅ローン:3%リフォームローン:2.5%  住宅ローン:20年リフォームローン:10年  当初10年間:134,486円11年目以降:110,919円  29,448,606円

このケースではリフォーム費用を組み込んで、住宅ローンを借り換えたほうがお得という結果になりました。借入額が250万円増えますが、毎月返済額は50円のアップ、総返済額でも12万円のアップですみます。また、リフォームローンを別に借りる場合と比較すると、総返済額で300万円近くの差が出てしまいます。

実際に借り換えをする場合には、諸費用が50万円程度かかると考えられますが、この負担を考えても借り換えた方がお得といえるでしょう。

ただし、現在返済中の住宅ローンの金利や借入額、またリフォーム資金の額などによって、結果は変わってきますので、実際に借り換えをするかどうかは返済額のシミュレーションをした上で検討してください。

知っておきたい、住宅ローン借り換え+リフォーム費用借り入れの条件

現在、住宅ローン残高にリフォーム資金を上乗せして借り換えができる金融機関は多くあります。ただし、利用するには条件があるので注意してください。たとえば、りそな銀行の場合、次の2点があげられています。

・現在他の金融機関にてお借入れされているご本人居住用住宅に対する住宅ローンをお借入れ後、2年以上遅延なくご返済をされている方
・瑕疵担保責任法人が登録するリフォーム工事業者、または「増改築工事証明書」の発行可能なリフォーム工事事業者によるリフォーム工事に限ります。

※参照:りそな銀行ホームページより

リフォーム資金を上乗せするだけで、借り入れするのはあくまでも住宅ローンですから、申込者本人が居住するための住宅に対する借り入れでなければなりません。また返済の遅延がある場合に借り換えることはできません。

2点目のリフォーム業者に対する条件についてですが、「瑕疵担保責任法人が登録するリフォーム工事業者」とは住宅瑕疵担保保険に加入している事業者のことです。住宅瑕疵担保とは、リフォーム工事が完了した後、工事に欠陥が見つかった場合に、その修繕費用が支払われる保険のことで、工事完了後には検査が行われますので消費者としては安心できるでしょう。また、増加築工事証明書とは、建築確認の必要がない小規模なリフォーム工事を実際に行ったかどうかを証明する書類のことです。

なお、具体的な条件については、借り換えを検討している金融機関に必ず確認してください。

リフォーム費用を組み込んだ借り換えをする際の注意点は?

その他の注意点についても見ておきましょう。

1点目は、リフォーム資金を上乗せする分、借入額が大きくなるので審査が厳しくなる可能性があることです。借り入れにあたっては無理なく返済できる借入額に留めるようにしましょう。

2点目は、すでに着工しているリフォーム工事、もしくは完了してしまったリフォーム工事については融資の対象になりません。工事着工は融資審査が完了した後になるようにスケジュールを調整してください。リフォーム工事の検討を始めたタイミングで、金融機関に相談しておくといいでしょう。

3点目は、通常、リフォーム資金と住宅ローンの融資実行日が同一となります。リフォーム工事では、前金や中間金などの支払いが必要になる場合がありますので、融資実行日と工事のスケジュールについて金融機関と相談しておくようにしましょう。融資実行はリフォーム工事完了後としている金融機関もありますので、その場合には前金などの支払いを自己資金で用意するのか、つなぎ融資を利用するのか検討する必要があります。

まとめ

ここまで見てきたように、住宅ローン返済中にマイホームをリフォームする場合、リフォーム資金を住宅ローン残高に上乗せして借り換えをすることができます。現在の金利水準は非常に低いので、借り換えをすることで返済の負担を減らせるケースが多いと思われます。リフォームをお考えの方は、住宅ローンの借り換えを検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、借り換えにあたってはここでお伝えしたような注意点や条件がありますので、金融機関と相談しながら慎重に検討を進めてください。

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小島淳一 ファイナンシャル・プランナー

日本FP協会AFP(R)認定者、相続診断士
住宅相談全般(購入・リフォーム・ローン)の他、保険や相続、老後・教育資金形成、資産運用のコンサルティングを手掛ける。各種セミナー講師としても活躍中。
FP相談のライフワーク

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