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家の中で大きな面積を占めている「床」を張り替えれば、家全体のイメージを一新することができます。畳の和室をフローリングの洋室に変えたい方も多いでしょう。日本では室内で靴を脱いで過ごすため、素足で触れることも多く、床に張る材質選びは重要です。場所ごとにお薦めの素材と、注意ポイントをまとめました。

床の張り替えリフォームは低コストの重ね張り? 下地補強とセットで耐久性も向上?

フローリングなどの床を張り替えるには大きく分けて「重ね張り」「床材のみ張り替え」「下地ごと交換」といった方法があります。隣接する居室との兼ね合いや既存の劣化具合、予算、掛けられる時間に応じて、最適な方法を選びましょう。

重ね張り

コストをできるだけ抑えながら床の張り替えを行いたい場合、既存の床の上に重ね張りをする方法が一般的です。既存の床材を撤去する手間も、費用も掛からないため、短期間で施工が可能です。ただし、既存の床材の上に張る訳ですから、床材の厚みの分だけ、床が高くなってしまいます。そのため「天井が低いと感じる」「他のエリアと段差ができてしまった」「扉と干渉してしまって開閉できない」というケースも。間取りや既存の天井高を考慮しながら施工した方が良いでしょう。また、木部の裏に緩衝材を貼った遮音フローリングなど、クッション性がある床材の上には重ね張りができないため、注意が必要です。

床材のみ張り替え

次に手軽な方法が、既存の床材を剥がして、上から床材を張る方法。重ね張りよりは手間とコストが掛かりますが、下地が劣化していないか状態を確認できますし、天井が低くなる、段差が生じるといった心配もありません。ただし、フローリングにしても、タイルにしても、接着剤で下地に張り付けているため、既存の床材を剥がした時に「下地が傷んでしまう」「凸凹になってしまう」という問題が起こりえます。下地の状態と、どんな床材を張りたいかで、施工できるかどうかが決まります。

下地ごと交換

床鳴りや床の沈みが感じられるようであれば、床下部分が傷んでいると考えられます。腐食やカビ、シロアリなど原因は様々ですが、根太(床板を支える横木)の劣化や床の凹凸が生じているようであれば、下地から張り替えて補強した方が良いでしょう。「この機会に床暖房を入れたい」「段差があるのでフラットにしたい」「底冷えが気になるので断熱材を入れたい」といった希望も同時に叶えることができます。マンションで階下への足音に配慮したい場合も、下地工事を行って遮音性を高めましょう。

【メリット・デメリット比較】

  メリット デメリット
重ね張り 短期間で施工できる 床に厚みが出る
低コストで施工できる 下地の状態が分からない
床材を張り替え 下地の状態を確認できる 重ね張りよりも工期やコストが必要
フラットな床を施工できる 下地が傷んでいたら施工が難しい
下地ごと交換 劣化した下地から一新できる 施工に時間がかかる
段差や遮音性も向上できる 下地工事や廃材処理費用がかかる

来客の目に触れる玄関の床リフォームは、デザインと機能性を両立すべし!

住まいの顔ともいえる玄関は、多くの人が目にする場所。デザイン性にこだわって床材を選びたいところです。その一方で、土足で入る場所であることを考えると、掃除のしやすさも重要なポイントと言えます。

玄関の床として最もよく見かけるのは、タイル仕上げではないでしょうか。水を吸わず汚れを落としやすいため扱いやすいですし、様々なサイズや色・デザインから家の雰囲気に合ったタイプを選べます。

「高級感を演出したい」という方には、大理石が人気です。自然素材ならではの風合いや色、模様を楽しめますし、圧倒的な存在感があります。ただし、水分を含むとシミになりやすいこと、冬場は足元が冷えることを覚悟しなければなりません。

人造大理石であれば、大理石よりも安価に施工できますし、キッチンや浴槽に使用される素材のため耐水性にも優れています。ただし、大理石と比べて柔らかく傷が付きやすいため、こまめに優しくお手入れをする必要があります。

また、最近は“男前”なインダストリアルデザインがトレンドのため、コンクリートのような仕上がりのモルタルも注目を集めています。タイルよりも安価に施工できることもポイント。ひび割れなどの傷ができても「経年変化による味わい」と受け取れる人にお薦めです。

キッチンの床リフォームは、リビングダイニングとの繫がりを重視? 清掃性を優先?

最近のキッチンはLDKが一体の対面式が主流のため、キッチンの床材は「リビングダイニングと同じ床材で揃えたい」と考える方が多いようです。おのずとフローリングが選択肢に挙がるでしょう。素材を統一すれば一体感のある空間を演出できますが、フローリングは水や油汚れに強くはできていません。汚れたらすぐに拭き取らなければ跡が残りやすく、表面が傷んでしまうことも。無垢フローリングであれば尚のこと、こまめなメンテナンスが必要です。ただし、キッチン用に汚れや傷が付きにくいフローリングも開発されていますし、表面の塗膜をリビングダイニングと変えるなど、清掃性を高める工夫はできます。

水拭きしやすく、かつおしゃれな床材を求めるならば、タイルはいかがでしょうか。水を吸わず、耐久性が高いためメンテナンスがラクですし、キッチンに合わせた色・デザインを選ぶことができます。ただし硬いため、食器を落としてしまうと割れやすく、場合によってはタイルの床を傷つけてしまうことも。また、タイルとタイルを繫ぐ目地に汚れが付きやすいため、防汚目地を使用するなど対策が必要です。

機能性を最優先するなら、塩化ビニール製のクッションフロアフロアタイルがお薦めです。その名の通り、クッションフロアはクッション性があり柔らかな踏み心地。フロアタイルは厚みがあり、タイルのように敷き詰めて貼ります。耐水性に優れているため掃除がしやすく、価格もフローリングやタイルと比べて安価です。

ワインのコルク栓でお馴染みの素材、コルクタイルも、クッションフロアやフロアタイルと同様に耐水性やクッション性が期待できる床材です。保育施設の床材としてよく使われていることでも分かる通り、弾力性があるため食器を落としても、小さなお子様が転んでも安心。足触りの良さも魅力です。

洗面所やトイレ、浴室の床リフォームは、耐水性を重視した素材選びを

洗面所、トイレ、浴室といった水廻りの床材は、防水性を最優先すべきエリア。特に男性のご家族が多い場合、トイレはアンモニアによるシミができやすいことを認識しましょう。トイレ用洗剤も強力なため、リビングと同じフローリングを張ってしまうと、あっという間に黒ずんでしまうこともあります。リフォーム前にそうした兆候が見られる場合は、床組みが腐食している可能性もあります。床材を張り替えるタイミングで、床組みの点検と補修も行いましょう。

水廻りの床材を統一したい場合は、安価で掃除がしやすいクッションフロアがお薦め。シート状のため、隙間から水や汚れが侵入する心配もありません。デザインのバリエーションが豊富なことも特徴で、他の居室はシンプルな床材を選んでいる方も、水廻りだけは遊び心を取り入れて柄物を取り入れる方が多いようです。

どうしてもフローリングを張りたい場合は、「耐アンモニア」の表記がある商品を選ぶと良いでしょう。ただし、継ぎ目から水や汚れが侵入する恐れがあるため、施工上の工夫と、日頃のこまめなケアが必要です。

より清掃性にこだわるなら、大判のセラミックタイルも検討しましょう。クッションフロア以上に耐久性能が高く、抗菌効果もあります。便器の周囲だけ施工する方法が一般的で、その範囲内は継ぎ目がないため水がしみたり汚れが溜まったりする心配がありません。セラミックタイルの周囲にフローリングを張ることもできます。

洗面所は、トイレと同じ床材を選ぶ方が多いですが、前述のコルクタイルや、宿の脱衣所でよく見かけるサイザル麻などの自然素材もお薦めです。いずれも足裏に優しい肌触りが人気ですが、クッションフロアのような耐水性はないため、リフォーム後は換気に気を遣いましょう。

いかがでしたか? 床材によってデザイン性・機能性・必要なコストが異なります。それぞれの特徴を把握した上で、ベストな床材を選びましょう。

(掲載の写真はイメージです)

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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