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賃貸・分譲に関わらず、マンションで暮らしたことのある方のほとんどが、管理人と何らかのやり取りをしたことがあるでしょう。マンションの規模や管理規約により業務内容は多少変わりますが、管理人は普段、どのような仕事をしているのでしょうか? そして、入居者との関わりは? マンションと管理人の関係を見ていきます。

管理費を支払う意味は? マンションの管理人は管理業務全般を担う管理会社が派遣

マンションにお住まいの方は毎月、「管理費」を支払っている方が多いのではないでしょうか。中には「何に使っているのか分からない」「勿体ない」と思っている方も多いかもしれません。

管理費は共用スペースを維持・管理するための費用です。一例を挙げると、共用部全ての電気代やエレベーターの保守点検費用、排水管や貯水槽の定期点検費用、オートロックシステムの維持費用、清掃費用、そして管理人を雇う人件費も含まれています(賃貸マンションの場合は、一部を「共益費」として徴収するケースも多いです)。

こうしたマンションの管理に欠かせない業務は管理会社に委託をするケースが主流で、国土交通省が発表した平成25年度「マンション総合調査※」によると、全ての業務を管理業者に委託しているマンションは72.9%、一部委託している業者も含めると93.8%にのぼります。

※平成25年度マンション総合調査結果 P14:10.管理事務の実施状況〔管32、管32 1〕

賃貸・分譲を問わず、マンションの管理人は管理会社に雇われていることがほとんどです。ただし、賃貸マンションのオーナーが管理人を兼ねているケースや、小規模の分譲マンションで管理組合が管理人と直接契約をしている場合は、この限りではありません。

マンションの管理人は主にどんな仕事をしているの?

管理人の仕事内容は多岐にわたり、居住者にトラブルが生じた際の一次対応や外来者の受付、掲示物の管理、エレベーターや貯水槽の点検立ち合い、入居者が出したごみの分別やごみ置き場の清掃などが一般的な業務。エントランスや階段など共用部の清掃や植栽への散水、電球交換、除雪作業など、建物規模により仕事の範囲が変わってきます。また、管理人が目を光らせていることで不審者が侵入しにくく、防犯面でも安心感が生まれるでしょう。

分譲マンションを購入する際「管理の行き届いたマンションを購入したい」と考える方は多いと思いますが、管理人の手腕ひとつでマンションの品質が維持され、将来の資産価値に大きな影響を与えることもあるのです。

分譲マンションと賃貸マンションの管理人に差はあるの? 違いは雇用主!

賃貸マンションの場合、管理会社を雇っているのはオーナー、つまり物件の所有者で、様々な事象に対して最終的なジャッジを下す立場にあります。

それに対して、分譲マンションの場合は入居者それぞれが区分所有者であり、オーナーです。すべての入居者が管理人を雇用している関係にあります。賃貸マンションは運営コストを重視して管理を行いますが、分譲マンションでは自分たちのよりよい生活を求めて管理人を雇うため、業務内容や勤務時間、業務内容も自然と変わってきます。

もし、管理人がずさんな管理しかしてくれない、気に入らないことがあるといった場合、管理会社にクレームを入れることができます。それでも改善されなかった場合、賃貸マンションの入居者は、明らかに悪質なケースを除き、泣き寝入りをするか、自分が引っ越すしかありません。

それに対して分譲マンションの場合は、自分たちが管理会社を雇っている立場のため、管理会社ごと変更する権利があります。

マンションの管理人の勤務形態、常駐・日勤・巡回はそれぞれ何が違うの?

管理人の勤務形態は、住み込みの常駐管理から、毎日通勤して決められた時間(概ね9時~17時)に対応してくれる日勤管理、1人の管理人が複数のマンションを巡回する巡回管理まで様々です。常駐管理であれば夜間や緊急時も対応してもらうことができますが、住人1人辺りの管理費負担はその分だけ大きくなります。

また、現在は24時間対応のコールセンターに外部委託をすることで、営業時間外の緊急対応ができるようになったことから、多くのマンションでは日勤管理を採用しています。

前述の通り、各種管理業務は一般的に、管理組合が管理会社に委託します。管理人もそこから派遣される訳ですが、築年数が古い一部のマンションでは「自主管理」を採用しているケースもあります。入居者が直接管理人を雇ったり、自分たちで管理業務を行ったりするため、管理会社に支払う委託料が掛かりません。その分管理費が安く、魅力に感じるかもしれませんが、きちんと管理ができる管理人を選定できるかどうかは、入居者の判断にかかってきます。管理人を雇わず、雑務を自分たちでこなそうとすればなおさら大変です。「戸建てよりも管理がラクだからマンションを買いたい」と思っている方は、自主管理のマンションを選ぶ前に、管理状況を確認すべきでしょう。

マンションの管理人に引っ越しの挨拶はすべき? 手土産は必要?

ところで、マンションに引っ越す際は、何かと顔を会わせる機会が多い左右の部屋に住む方と、引っ越しの作業音などで迷惑をかける可能性がある上下の部屋の方に挨拶をする方が多いと思います。エレベーターを占有してしまうなど、その他の住戸の方々にも迷惑をかけることを踏まえると、管理人さんにも引っ越しの前に挨拶をしたいところです。

最近は、防犯上の問題から敢えて挨拶をしないという方も多いようですが、管理人への挨拶は省かない方が、万が一の際にトラブルを回避しやすいでしょう。手土産はなくても問題ありませんが、近隣住戸の方々と同様、500~1,000円程度のお菓子やタオルといった日用品を渡しても良いでしょう。

(関連記事:引っ越しの挨拶は、ご近所づきあいの基本! 気を付けたいポイントとマナーを伝授

現在、マンションにお住まいの方の中には「管理人と顔を合わせたことがほとんどない」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、管理人はマンションの入居者が快適に生活をする上でとても大切な存在です。管理人が日頃どのような仕事をしているのか知れば、管理体制がととのったマンションを購入する一助となり、それは資産価値を維持しやすいマンションの見極めにも繋がります。

また、管理人と入居者が信頼関係を築き、コミュニケーションを育むことで、問題が生じても迅速・的確に対応してもらいやすくなります。マンションにお住まいの方はこれを機に、管理人さんがどんな方で、どのような仕事を担っているのか、確認してみてはいかがでしょうか?

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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