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新築マンションの購入を考えましたが、希望の物件は値段が高すぎて予算的にむずかしいです。希望の立地に中古マンションを見つけ、リノベーションをしたほうがお得でしょうか? 中古マンションのリノベーションに、どのような費用がいくらくらいかかるのか教えてください。(30代/男性)

リノベーションにかかる費用

リクルート住まいカンパニーの「2017年 大型リフォーム実施者調査」によると、2017年に中古住宅を購入してリフォームをした人のリフォーム費用の平均は628.1万円でした。リノベーションの理由は「費用を抑えたい27.2%」より、「自分の好みの家にしたかったから35.9%」「住みたい物件を見つけたがリフォームが必要だったから34.8%」などデザインや立地を優先する姿勢が見られました。

では、実際に中古マンションのリノベーションをする場合、どのような費用がかかるでしょうか。内装や水回りなどなど一部リフォームも可能ですが、今回はフローリングやクロス、断熱材などをすべてはがし、構造躯体だけを残した全面リフォーム、スケルトンリフォームの費用を考えてみましょう。

スケルトンリフォームは普段は見ることができない構造躯体を目視できるので、腐食や劣化を補修し建物の耐久性を向上させて価値を高める、まさにリノベーション手法の一つです。

スケルトンリフォーム工事の内訳と費用の一例を整理しておきましょう。ただし、物件の立地や状態によって費用は大きく変わることがあります。必ず数社から見積もりを取って検討することをお勧めします。

【スケルトンリフォーム工事にかかる費用】

工事内容 具体的な内容 費用の目安
解体・撤去費用 物件を構造躯体だけに解体する費用、廃材の処分費用 坪2万円程度が目安。立地や状態により価格は変わる
補強工事費用 構造躯体や基礎の強度が落ちている場合の診断費用と補強費用 状態による診断費用は5万円程度から
設備の価格(全面交換の場合) システムキッチン 60万円程度から
ユニットバス 70万円程度から
洗面化粧台 35万円程度から
トイレ交換 12万円程度から
設備の工事費用 設備を取り付けるための費用・給排水管・電気配線工事等 100~200万円程度
建築資材 壁材、床材、建具などの費用 坪12万円程度から
オプション工事費 リフォーム後希望により追加された工事費用 希望による
設計費 設計士に払う費用、10%程度が多い 費用に含まれている場合もある
諸費用 書類作成、各種申請、ローン・税金等 50万円程度から
費用合計(参考:60平米のマンションの場合の目安) 約600万円程度

表の目安から、60平米のマンションをリノベーションする場合の費用を試算してみると最低でも約600万円になります。

どこまでリフォームするかによって費用は大きく異なります。また、内装や設備などはすべてオーダーメイドにすると費用がかかりますが、あらかじめ用意されたタイプから選ぶことでベストではなくても、希望に近づけ費用を抑えることができます。

中古マンションを購入してスケルトン工事を行う場合は、耐震や給排水、電気の配線など、今後長期間の安心、安全、快適さにつながることについてはしっかりと費用をかけることも大切です。お金のかけどころをどこにするか、家族やリフォーム業者としっかり話し合って優先順位をつけましょう。

また、一部リフォームの場合は設備や内装などは状態がいいものは残すことで費用を格段に節約できます。

新築と中古のリノベーションとどっちがお得?

リノベーションの費用についておよその目安をつけたら、いよいよ新築物件と中古物件のどちらがお得か比べてみましょう。ただし、不動産は唯一無二の物件ですので、同じ条件で比較することはできません。国交省のデータで比較してみましょう。

まず、首都圏の新築マンション平均価格の推移※1を見てみましょう。オリンピック需要や円安によるによる建築資材の高騰、消費税増税の影響、アベノミクスによる金融緩和などの影響で平成24年ごろから新築マンションの価格は上がり始め、ピークは越えたものの平成28年末で5,000万円代半ばとなり、現在も高止まりしている状況が続いています。

新築マンション価格が高止まりしている中、中古マンションの価格も上昇し現在も高止まりしている状況です。とはいえ、首都圏で新築と中古マンションの平均価格を平成28年末で比較すると新築5,490万円、中古マンション3,144万円と2,000万円以上の開きがあります。1,000万円のリフォーム費用をかけても価格的には中古マンションに軍配が上がります。

また、首都圏でも埼玉や千葉の中古マンションの平均価格は1,000万円代後半です。全国で見ればもっとリーズナブルな中古マンションも多いでしょう。その分リノベーションにお金をかけて理想の住まいに近づけるという考えもあります。

価格以外に考えておきたいこと

以上のことから、気に入った立地に中古マンションを購入し、自分の好みに合ったリノベーションを行うことで物件の価値を高められることがわかりました。しかし、中古マンションを購入するにあたっては自分の部屋だけではなく、将来にわたる建物全体の価値についても考えておくことも大切です。

たとえば、今30歳の方が購入する場合、あと50年、60年と住み続けられるマンションか、購入前にリサーチしましょう。管理の状態や大規模修繕については、できれば管理組合や管理会社からヒアリングをしておきましょう。管理のよいマンションは将来にわたり価値が下がらないものです。

また、立地の良いマンションは数十年後の建て替えにより、立地の希少性ゆえに価格が上がることもしばしばです。新築マンションになかなか手が届かない今、中古物件だからこそ手に入れられる価値も念頭に、住まい計画を立ててみてはいかがでしょうか。

※1平成28年度住宅経済関連データ「3.マンションの推移」より

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この記事の筆者
有田美津子 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士
銀行での住宅ローン相談、住宅販売、損保会社を経て独立。現在は人生と仕事の実務経験を活かし、子育て世代の住宅購入とシニア世代の住替え相談を行う。ライフプランに沿った資金計画から物件の引き渡しまで一貫したサポートが好評。共著・監修に「トクする住宅ローンはこう借りる」(自由国民社)。

住まいのお金専門ファイナンシャル・プランナー

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