住宅ローンの残債がある状態で追加融資って受けられるの?

住宅ローンの返済中に、リフォームなどを行う場合、住宅ローンの追加融資を受けることは可能なのでしょうか。住宅ローンはマイホームを購入するためのローンなので、住宅を購入した後で追加融資を受けるのは難しいというのが原則です。ですが、住宅ローンの借り換えをうまく活用すれば、追加融資を受けるのと同じ効果が得られます。ここではリフォームローンや借り換えの賢い活用法をご紹介します。

リフォームや増改築で住宅ローンの追加融資を受けたい場合

マイホームを購入する際、ほとんどの人は住宅ローンを利用しているといっていいでしょう。住宅ローンの返済期間は最大35年間と長期にわたるものですから、ローンの返済が終わる前に、住宅のリフォームや増改築工事が必要になるケースもでてきます。

住宅ローンの返済中であっても、リフォームや増改築工事にはある程度まとまった資金を用意しなければなりません。現金で支払うことができればいいのですが、融資を受けて資金を準備したいとなった場合、住宅ローンが残っている段階で追加融資を受けることはできるのでしょうか。

住宅ローンの追加融資は難しい?

原則、追加融資は難しい

原則論を申し上げれば、「住宅ローンの融資を追加で受けることは難しい」ということになります。そもそも住宅ローンとは、住宅の購入資金を準備することを目的として、購入する住宅を担保にして融資を受けるものです。そのため、すでに住宅を購入した後に追加融資を申し込んだとしても、原則的には金融機関に追加融資を認めてもらうのは難しいのです。

もちろん、その可能性がゼロというわけではなく、金融機関と交渉した結果、応じてもらえるケースもあるでしょうが、そのハードルは高いと考えておいてください。

また、追加融資を受けるには、新たに審査を行う必要があります。仮に、現在融資を受けているところとは別の金融機関に申し込みをした場合、融資を受けるのは非常に難しいと言わざるを得ません。住宅ローンは担保となる住宅に第一位の抵当権を設定するのが通例です。そのため、他の金融機関が第一位の抵当権を設定している住宅に対して、金融機関が住宅ローンの融資を行うことは非常に考えにくいことなのです。

リフォーム費用なら返済中のローンに組み込める?

一方、現在の住宅ローンを借り入れしている金融機関に、追加融資の交渉をした場合はどうでしょうか。借り入れするのがリフォーム費用であれば、返済中の住宅ローンに組み込んでもらえる可能性はあるようです。すでに返済中の住宅ローンに組み込むのであれば、他の金融機関で融資を受ける場合よりも審査は楽になると考えられます。

ただし、借り入れ可能かどうかは、あくまでも金融機関の判断次第ということは認識しておいていただきたいところです。まずは借り入れをしている金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。

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リフォームローンなら無担保で借り入れできる

リフォームや増改築工事の費用を借りる場合、より確実な方法として、リフォームローンがあります。住宅ローンの追加融資を受けるのではなく、住宅ローンとは別に新たにリフォームローンを借り入れする方法です。

リフォームローンは無担保で借りることができます。住宅ローンと比べると金利が高く、借入期間も短くなっていますが、また、住宅ローンよりも審査期間が短く、審査基準が緩やかといえるでしょう。

【リフォームローンの特徴】

項目 内容・特徴
借入期間 10〜15年
金利 2〜3%
借入上限額 500〜1,000万円
借り入れまでにかかる日数 早ければ1週間程度
担保 必要なし
審査 住宅ローンよりも緩やか

たとえば、住宅ローンの残債が2,000万円で返済残期間が20年の時、費用500万円を返済期間10年でリフォームローンを借り入れする場合を考えてみましょう。それぞれのローンの金利は、東京三菱UFJ銀行の2018年3月の金利をあてはめることとし、金利変動は考慮しないものとします。この時、返済額は次の表のようになります。

●住宅ローン
借入額(残債):2,000万円
返済残期間:20年
金利:2.475%

●リフォームローン
借入額:500万円
返済期間:10年
金利:2.875%

ローンの種類

借入額

毎月返済額

返済期間

総返済額

住宅ローン

2,000万円

10万5,737円

20年

2,537万6,880円

リフォームローン

500万円

4万7,992円

10年

575万9,040円

合計

2,500万円

当初10年:15万3,729円、

11年目以降:10万5,737円

20年間

3,113万5,920円

追加融資よりも借り換えがおすすめ

住宅ローンの追加融資が難しいのは前述した通りですが、それよりも現実的な方法で、追加融資を受けるのと同じような効果を得られるのが「借り換え」です。しかも、住宅ローンの借り換えは、一般的に借り入れ中の金利よりも低い金利で借り換えるものなので、返済額を抑える効果もあります。現在のような超低金利でしたら、なおさら追加融資を考えるよりも、借り換えを検討することを私はおすすめします。

ローンには、教育ローン、自動車ローン、諸費用ローンなど、その利用目的が決められていて、たとえば住宅ローンと自動車ローンをまとめて借り換えるなど、融資の目的が違うローンをまとめることはできません。ですが、リフォーム資金については、住宅ローンに含めて借り換えを認めてくれる金融機関が多くあります。まずは金融機関に相談されてみてはいかがでしょうか。

ここで、借り換えの効果を検証してみましょう。

上と同じ条件の住宅ローンにリフォーム費用を加えて、金利2.0%、1.5%、1%の3つのパターンで借り換えた場合の返済額をシミュレ−ションして、リフォームローンを別に借りた場合からの利息削減額を計算してみます。

なお、返済期間は変更せずに20年とします。

●住宅ローン
借入額(残債):2,000万円
返済残期間:20年
金利:2.475%

●リフォーム費用
借入額:500万円

●借り換える住宅ローン
借入額:2,500万円
返済期間:20年 

借り換え金利

毎月返済額

返済期間

総返済額

利息削減額

1.0%

11万4,973円

20年

2,759万3,543円

275万9,349円

1.5%

12万636円

20年

2,895万2,604円

218万3,199円

2.0%

12万6,470円

20年

3,035万2,892円

78万2,911円

借り換えの効果を実感していただけるのではないでしょうか。

ただ、借り換えにあたっては、事務手数料や保証料、抵当権の設定費用といった諸費用がかかります。そのため、諸費用の額以上に、利息を削減できなければ、借り換えの効果がなくなってしまうことは留意しておいてください。

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中古住宅を購入してリフォームする場合は?

次に、中古住宅を購入してリフォームする場合についても見ておきましょう。

この場合、いったん住宅ローンの融資を受けて住宅を購入した後にリフォームを行うと、その費用を自己資金で用意できなければ、リフォームローンを新たに借りたり、リフォーム費用を組み込んで住宅ローンを借り換えたりする必要が出てきます。

そこでおすすめなのが、中古住宅購入と同時にリフォームを行い、住宅の購入資金とリフォーム資金を一本化した住宅ローンを組んでしまうことです。【フラット35】にも、中古住宅購入とリフォームを一度に行う人向けの住宅ローンである【フラット35】(リフォーム一体型)があります。

中古住宅の購入に【フラット35】を利用するには、住宅金融支援機構が定める一定の技術基準をクリアする必要がありますが、住宅金融支援機構:【フラット35】のホームページでは、すでに物件検査を受けている中古マンションを検索することができます。中古マンションの購入を考えている人は活用してみてはいかがでしょうか。

住宅ローンとリフォームローンを一本化するメリットは?

住宅ローンとリフォームローンを一本化するメリットとしては、手続き面と費用面の2つのメリットが考えられます。

住宅ローンであっても、リフォームローンであっても、融資を受けるには審査を受けなければなりませんし、印紙税や手数料などの諸費用がかかります。ローンを別々にすると、その手間は二重になってしまいます。ですが、リフォーム一体型であれば、手続きは一度で済みますし、諸費用を抑えることができます。

また、住宅ローンは金利が低く、返済期間が長いので、毎月の返済額を低く抑えることができます。また返済も一本化されるので、返済計画が立てやすいことも見逃せません。

ここまで見てきたように、住宅ローンの追加融資を検討するよりも、リフォームローンを含めた借り換えを行ったほうが有利といえます。すでに述べたことですが、現在のような超低金利時代であればなおさらのことです。中古住宅を購入してリフォームすることをお考えなら、初期費用を抑えたいからとリフォームを後回しにするよりも、購入と同時にリフォームも行って、リフォーム費用も一本化した住宅ローンを組んだほうが有利になるケースが多いといえるでしょう。借り入れにあたっては、しっかりとシミュレーションを行って、無理のない借り入れを行うようにしてください。

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(最終更新日:2023.07.18)
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