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自分の年収であればどの程度の金額の借り入れが可能なのか気になるところですね。今回はいくらくらいの年収であれば4,000万円の住宅ローンを組んでも返済に問題ないのか、検証していきます。

4,000万円借りると毎月返済額はどれくらいになる?

近頃は低金利が続いていますが、まずは、仮に4,000万円のローンを組んだ場合、毎月の返済金額がいくらかになるかを借入期間別、借入金利別にみてみましょう。(表1参考)

金利、期間によって同じ借入金額でも月返済額にかなりの差が出ることが改めてわかります。

【表1 4,000万円を借り入れた場合、月の返済額はいくらになる?】

 適用金利/期間  20年  25年  30年  35年
 金利1.0%  18万3,920円  15万720円  12万8,640円  11万2,880円
 金利1.2%  18万7,520円  15万4,360円  13万2,360円  11万6,680円
 金利1.4%  10万1,160円  15万8,080円  13万6,120円  12万520円
 金利1.6%  19万4,840円  16万1,840円  13万9,960円  12万4,440円
 金利1.8%  19万8,560円  16万5,640円  14万3,840円  14万3,840円

※金利は全期間変わらないと仮定。借入金100万円あたりの返済額表から試算。 ※元利均等返済、ボーナス返済なしと仮定。保証料は考えない

ちなみに、2018年2月時点での【フラット35】の金利は、21年~35年間の借り入れで融資率9割以下が機構団信込みで1.40%、9割超で1.84%、20年以下の借り入れで融資率9割以下が1.32%、融資率9割超で1.76%、三井住友銀行20年超~35年間借り入れで、全期間固定金利型の金利が1.77%、住信SBIネット銀行の35年全期間固定金利型が1.37%(当初金利引き下げプラン)と上記の表の金利に近い水準なので、4,000万円借り入れをした場合の毎月の返済金額は上記の表でおよそつかむことができるでしょう。

【(参考)2018年2月金利一覧】

商品/金融機関 借入期間  
ARUHIフラット35:融資率9割以下(機構団信込み) 21年~35年間 1.40%
ARUHIフラット35:融資率9割超(機構団信込み) 1.84%
ARUHIフラット35:融資率9割以下(機構団信込み) 20年以下 1.32%
ARUHIフラット35:融資率9割超(機構団信込み) 1.76%
三井住友銀行:全期間固定金利型 20年超~35年間 1.77%
住信SBIネット銀行:全期間固定金利型 35年 1.37%(当初金利引き下げプラン)

なお、当然のことながら同じ借入金額、借入金利でも借入期間が長くなれば、毎月の返済負担を抑えることはできますが、支払利息も含めたトータルの返済額は増えます。したがって、借入金額が妥当なのかを判断する際には、毎月の返済負担だけでなく、総返済金額、退職時までに完済の目途がつきそうかなど総合的に考える必要がありますね。

4,000万円を借りる場合、いくらの年収であれば適正?

4,000万円を借り入れする場合に「いくらくらいの年収があればいいか?」というのは、「金融機関の審査基準を満たしているか?」と「自分の家計上、いくら借りても大丈夫か?」という2つの観点で考える必要があります。

返済比率を考える

まず、「金融機関の基準」の観点で考えてみましょう。例えば、【フラット35】では年収に占める1年間のすべての借入返済金額の割合(返済比率)が年収400万円未満で30%以下、 年収400万円以上では35%以下と収入基準が決められています。 

【【フラット35】返済比率】

年収400万円未満 年収400万円以上
30%以下 35%以下

仮に、金利1.4%で4,000万円、35年借り入れする場合、自動車ローンなどその他のローンがないケースでは、年間の返済金額は144万6,276円なので、少なくとも414万円以上の年収がないと審査基準を満たすことができません。なお、民間の金融機関は返済負担率という形で明確な基準を公表していない機関がほとんどですが、一般的には上限を35~40%程度においているところが多いようです。

借入適正額を考える

では、先のケースで審査基準を満たすからといって、年収414万円あれば4,000万円の借入金額が適正かといえるかと言うと、そうとは限りません。年収の約80%を手取り額と仮定すると、年収414万円では手取額は約331万円です。この手取額約331万円の中から年間返済金額の144万6,276円を引くと、残りが186万3,724円となり、この残りの金額で固定資産税や都市計画税、さらには生活費や教育費などをまかなっていくのはかなり大変な状況です。

つまり、「家計から見た適正年収」という観点も非常に大切といえます。住宅ローンは、年収から税金や社会保険料などを控除した「手取り」から返済しますので、一般的には、無理なく長期間返済を続けるには、年収に占める返済の割合(返済比率)を年収の20~25%以内程度に抑えておくことが理想です。

なお、住宅を購入すると固定資産税やマンションの場合には修繕積立金や管理費などその他の費用負担も増えます。したがって、住宅ローン返済に加えて、固定資産税や積立修繕金、管理費(マンションの場合)などを含めて、住居費を年収の30%程度に抑えておくと安心でしょう。

仮に、金利1.4%で4,000万円、35年借り入れするとなった場合(他のローンはなし)には、返済負担率を20~25%以内に抑えるには、約579~723万円の年収が必要なことになりますね。

ちなみに、住宅金融支援機構の調査(フラット35利用者に対する調査2016年)によると、借入者のうち返済負担率が25%未満の割合は68.7%、25~29.9%の割合が23.6%、30%以上の割合は7.6%とやはりほとんどのケースで25%未満に抑えられていることがわかります。

審査基準を満たしているとはいえ、上記の年収414万円で4,000万円の借り入れ、返済負担率35%がいかに無謀なのかがうかがえますね。

頭金はどの程度入れるのが安心?

当然のことながら、頭金を入れれば入れるほど、借入金額は少なくなるのでローン負担を抑えることが可能です。ただ、今後、子どもの教育費が増えるなど将来の家計負担の増加を考えると、手元資金を頭金につぎ込んでしまうというのも不安です。一般的には、物件価格の2割程度を頭金として準備しておくのが理想ですが、住宅取得にはローンの経費や不動産取得税などの税金など5~10%程度の諸費用も必要となるので、諸経費と合計して物件価格の3割程度を自己資金として準備することがひとつの目安といえますね。

ただ、最近では、頭金を入れずにローンを組めるケースも増えています。頭金を入れずに組んでも無理なく返済できる金額である、返済中に遺産が入る、親の援助が受けられる、昇給が確実など、収入増が見込めるなどの場合には当初は頭金を入れずに組んでも問題はないでしょう。

では、頭金を入れることでどの程度、月返済額や総返済額が変わるのかを見てみます(表2参考)。高金利時代に比べると頭金を入れる場合と入れない場合の利息負担の差は小さくなってはいますが、頭金の金額で返済額に差が出ているのがわかります。

【表2 頭金の金額でどの程度、返済額が変わるか?】

 頭金の金額  月返済額  総返済額  利息負担
 頭金ゼロ/借入額4,000万円  13万6,136円  4,900万8,960円  900万8,960円
 頭金200万円/借入額3,800万円  12万9,330円  4,655万8,800円  855万8,800円
 頭金400万円/借入額3,600万円  12万2,523円  4,410万8,280円  8,10万8,280円
 頭金600万円/借入額3,400万円  11万5,716円  4,165万7,760円  765万7,760円
 頭金800万円/借入額3,200万円  10万8,909円  3,920万7,240円  720万7,240円

※物件価格4,000万円として、諸経費は考慮しない。 ※金利1.4% 期間30年 元利均等返済 ボーナス返済なし 全期間固定金利で借り入れした場合

ちなみに、住宅金融支援機構の調査(フラット35利用者に対する調査2016年)によると、土地付注文住宅購入者では頭金の金額は平均約462万円(頭金の占める割合は約12%)、建売住宅購入者では約313万円(約9.4%)、マンション購入者では約740万円(約17.3%)、注文住宅購入者では約682万円(約20.6%)となっています。

無理なく返済できる金額と利息負担の軽減効果、将来のライフプランを考えたうえでいくら手元に資金を残しておく必要があるか、総合的に考えたうえで頭金をいくら入れるのかを判断することが大切ですね。

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この記事の筆者
金子千春 ファイナンシャル・プランナー

千春コンサルティング事務所 代表
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャル技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー

新生銀行を経て2004年より独立。ライフプランや住宅ローンセミナー、個別相談、宅建講師、企業の従業員向け投資教育、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ことのないようにという観点から、講師や執筆を中心に活動中。

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