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住宅ローン控除を受けるには初年度は確定申告が必要ですが、給与所得者の場合、2年目以降は勤務先の年末調整で受けられます。でも、うっかり年末調整を忘れてしまったらどうなるのでしょうか。その年の住宅ローン控除を受けることはできなくなってしまうのでしょうか。ここでは、年末調整で住宅ローン控除の申請を忘れてしまった場合に取るべき手続きや、その際の必要書類などについてご説明します。

住宅ローン控除は2年目以降、勤務先の年末調整で受けられる

住宅ローン控除を受けるためには、初年度は確定申告をする必要があります。ですが、2年目以降については、勤務先の年末調整で住宅ローン控除を受けることができるのはご存知でしょうか。

ですが、中にはうっかり勤務先の年末調整で住宅ローン控除を受けるのを忘れてしまったというケースもあることでしょう。そんな場合、どうしたらいいのでしょうか。その年の年末控除を受けることはできなくなってしまうのでしょうか。

実は年末調整を忘れてしまった場合、取るべき手続きは2つあります。

[1]勤務先で再度、年末調整をしてもらう
[2]自分で確定申告をする

この2つの手続きのうちいずれかを取れば、年末調整を忘れてしまっても、住宅ローン減税を受けることができるのです。

住宅ローン控除について確認しておこう

具体的な手続きの方法についてご説明する前に、住宅ローン控除について復習しておきましょう。

住宅ローン控除とは、「住宅ローンを借りてマイホームを購入・新築した場合に、一定期間、住宅ローン残高に応じた金額が所得税から差し引かれて還付される」制度です。具体的には、住宅ローンの年末残高の1%が10年間にわたって、納めた所得税から還付されることになります。

ただし、住宅ローンの年末残高には限度額があり、一般の住宅の場合の限度額は4,000万円で、毎年の控除額は最大で40万円、10年間で最大400万円の控除が受けられます。また、一定の基準を満たした認定長期優良住宅もしくは認定低炭素住宅を新築、もしくは新築の状態で購入した場合には、認定住宅の特例(「認定住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除の特例」)を受けられるので、控除額が大きくなります。

【住宅ローン控除の概要】

 住宅の種類  住宅ローンの年末残高の限度額  毎年の控除限度額  10年間の最大控除額
 一般の住宅  4,000万円  40万円  400万円
 認定住宅  5,000万円  50万円  500万円

仮に、その年の年末の住宅ローン残高が2,000万円だった場合、控除額は20万円(2,000万円×1%)です。ただし、その年に納めた所得税が20万円未満だったなど、住宅ローン控除の額よりも少ない場合には、所得税の全額が還付されても控除しきれないことになってしまいます。そうしたケースでは、控除しきれなかった金額は住民税から控除できることになっています。

(関連記事:住宅ローンを借りたら確定申告をして住宅ローン控除を受けよう!

方法1:勤務先で再度、年末調整をしてもらう

ここで改めて、年末調整を忘れてしまった場合に、住宅ローン控除を受けるための方法をご説明しましょう。

まず1つ目の方法は、勤務先で再度、年末調整をしてもらうことです。一般的には12月頃に源泉徴収票が配布される会社が多いようですが、源泉徴収票が配布された後でも、法的には1月末まででは年末調整の修正をしてもらうことができます。

年末調整のために必要な書類は、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」と住宅ローンの年末残高証明書の2つです。前者の書類は、税務署から郵送されてきます。2年目の分だけでなく、3年目以降の分も一緒に送られてきますので、しっかり保管しておきましょう。また、住宅ローンの年末残高証明書は金融機関から送られてきます。

年末調整をやり直すとなると手間がかかるので、勤務先の事情によっては対応してもらえないかもしれません。また、1月末を過ぎてしまってからでは年末調整をやり直すことができないため注意しましょう。

方法2:自分で確定申告をする

勤務先で年末調整をやり直してもらえない場合には、初年度と同様に自分で確定申告をすることになります。

確定申告に必要な書類は、前年の給与所得の源泉徴収票と住宅ローンの年末残高証明書です。初年度と比べると必要書類は少ないため、それほど手間はかからないといえるでしょう。もし、やり方がわからないなど不安な場合には、税務署に問い合わせれば丁寧に対応してもらえるはずです。

なお、個人事業主が住宅ローン控除の申請をせずに確定申告してしまった場合はどうなるのでしょうか。確定申告で税金を納めすぎてしまった場合には、「更生の請求」を行うことで税金が還付される場合があり、更生の請求は5年間までは遡って行うことが認められています。

ただし、住宅ローン控除のような自ら申告しないと受けられない税制上の特典については、いったん確定申告をしてしまうと、基本的に更生の請求をしても認められないことになっていますので、くれぐれも申告し忘れることのないよう気をつけてください。

【年末調整を忘れた場合の必要書類】

   必要書類
 年末調整をやり直してもらう場合 「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」 
住宅ローンの年末残高証明書
 自分で確定申告する場合 源泉徴収票 
住宅ローンの年末残高証明書

必要な書類を紛失してしまった場合には?

もしも年末調整や確定申告に必要な書類を紛失してしまった場合はどうしたらいいのでしょうか。

まず、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」については、税務署で再交付の手続きを取りましょう。所定の交付申請書を提出すれば、再交付してもらうことができます。もしも紛失してしまった場合には、すぐに税務署に問い合わせることをおすすめします。

また、住宅ローンの年末残高証明書を紛失した場合には、融資を受けている金融機関に連絡すれば再発行してもらうことができます。いずれの書類も税金を取り戻すための大切な書類ですので、くれぐれも紛失することのないよう大切に保管しておいてください。

住宅ローン控除には時効がある

実は住宅ローン控除には時効があります。所得税の還付については、過去5年間まで遡って受けることができます。逆にいえば、5年間を過ぎてしまった場合は還付を受けることができなくなってしまいます。たとえば、2017年の年末調整で住宅ローン控除を受けるのを忘れてしまった場合、2018年1月1日から5年間は確定申告をして所得税の還付を受けることができます。

住宅ローン控除はマイホームを新築・購入した人が受けられる税制上の大きな特典です。年末調整を受けるのを忘れてしまった場合でも、住宅ローン控除を受けることはできますが、余計な手間がかかることになってしまいます。書類の紛失などに注意して、年末調整で住宅ローン控除を受けられるよう、確実に手続きを済ませておきたいところです。

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この記事の筆者
小島淳一 ファイナンシャル・プランナー

日本FP協会AFP(R)認定者、相続診断士
住宅相談全般(購入・リフォーム・ローン)の他、保険や相続、老後・教育資金形成、資産運用のコンサルティングを手掛ける。各種セミナー講師としても活躍中。
FP相談のライフワーク

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