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通の便が良い上に、駐車場代も高い都会では、自分で自動車を保有するよりも、必要なときだけカーシェアリングを活用したほうが安上がりです。カーシェアリングの仕組みや料金、また、効果的な活用場面などについてみてみましょう。

マイカーの1年あたりの費用は数十万円!?

公共交通機関が充実していない地方の移動手段は主に「自動車」で、1つの世帯が複数台保有している場合も少なくありません。自動車は、地方の生活のインフラとして必要不可欠のものになっています。

一方、「バス」や「電車」の路線が多く運行頻度も高い都市部では、多くの人にとって通勤や日常生活で自動車を使う場面は限られるでしょう。また、都市部は駐車場代が高く、マイカーの維持費も安くありません。

【都会で軽自動車を保有した場合の1年あたりの費用(例)】

 項目  1年あたりの費用  注釈
 購入費用(諸経費含む)  15万円  新車購入費が諸経費込みで150万円とし、10年経過後に買い換える場合
 駐車場代  12万円  月額1万円の場合
 ガソリン代  6万円  月5,000円の場合
 車検代  4万円  2年で8万円の場合
 自賠責保険  1万2,000円  2年で2万5,070円
 重量税  3,000円  2年で6,600円(エコカー以外)
 任意保険  3万5,000円  一般的な契約内容(ネット損保の例)
 軽自動車税  1万1,000円  年間1万800円
 合計  43万1,000円  

自動車が趣味の方や、仕事や生活に必要不可欠な方はともかく、そうでない方が都会で自動車を保有し維持するとなると、使用頻度に見合わないほど多くの費用がかかります。駐車場代や税金、保険料などの固定費が家計を圧迫しかねません。

カーシェアリングは、短時間利用を想定したサービス

カーシェアリングの市場は拡大している

公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団の2017年3月の調査によると、わが国のカーシェアリングの車両台数は24,458台、会員数は1,085,922人となっています。6年前の2010年は車両台数が1,265台、会員数が15,894人ですので、近年急速にカーシェアリングの市場が拡大していることがわかります。これは、自動車に伴う固定費をカーシェアによって変動費化し、利用した分だけの費用負担に抑えたいというニーズを捉えた結果だといえるでしょう。

カーシェアリングサービスは、現在、30社以上の会社が提供しています。業界第1位のタイムズカープラスは全国に展開しており、2017年3月時点でカーステーションの数は9,091ヶ所、車両台数17,492台、会員数783,282人です。第2位のオリックスカーシェアは首都圏・中部・近畿・沖縄の14都府県で展開しており、カーステーション数は1,531ヶ所、車両台数2,600台、会員数170,050人です(公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団調べ)。

数時間以内の用事で活用するのに最適なカーシェアリング

カーシェアリングは、レンタカーのように不特定多数が利用するサービスではなく、あらかじめ登録した会員の間で特定の自動車を共同利用するサービスです。10分や15分ごとなど、レンタカーよりも短時間での利用が想定されており、半日、あるいは1日以上利用すると、一般的にレンタカーよりも割高な利用料になります。したがって、カーシェアリングは、主に家族の送り迎えや買い物、訪問など、数時間以内の用事で活用するのに適しています。

(関連記事:マイカー感覚で、好きな時に運転できる! カーシェアリングサービスの活用法とは?

料金設定は会社によって異なっており、同じ基準で比較することが難しいため、業界第1位のタイムズカープラスの料金例を示しましょう。なお、基本的には各社ともに、10分単位や15分単位などの短時間プランと、6時間、12時間、24時間などのパックプランがあり、会社によっては一定の条件で15円/1kmなどの距離料金を上乗せする料金体系になっています。

【タイムズカープラスの料金例(個人プラン)】(消費税含む)

 入会時手数料(カード発行料)  1,550円(1人/1枚)
 月額基本料金  1,030円
 月額無料利用料金  1,030円(利用料金に充当可能、繰越不可)
 利用料金  短時間(15分ごと)<車種によって異なる>  ベーシック(デミオ、プリウス等)  206円/15分
 プレミアム(Audi、MINI等)  412円/15分
 パック  6時間  4,020円
 12時間  6,690円
 24時間  8,230円
 アーリーナイト(18:00~24:00)  2,060円
 レイトナイト(24:00~翌9:00)  2,060円
 ダブルナイト(18:00~翌9:00)  2,580円

タイムズカープラスのHPから筆者作成。詳細はタイムズカープラスのHPをご確認ください。

利用代金には保険料やガソリン代も含まれているため、レンタカーのようにガソリンを満タンにして返却する必要はありません。また、支払いは月単位の後払いとなっているため、利用の都度申し込みをして精算する必要もありません。レンタカーよりも手軽に利用することができます。

たとえば、上記の「短時間(15分ごと)」の「ベーシック」で、月に8時間利用した場合は以下の代金となります。

カーシェアリングサービスの使い方

まずは、自宅の周辺など、使いたい場所にカーステーションがあるかどうかを各社のサイトで確認しましょう。近くに複数の会社のカーステーションがある場合には、特徴や料金などを比較して、自分の利用方法に合ったものを選びましょう。

会員登録をすると、無人のカーステーションにある車をスマートフォンやパソコンからいつでも予約して利用できます。なお、同じ会社であれば、他の地域にあるカーステーションの車を利用することもできます。

貸出・乗車は、入会時に取得したカードを使って行います。カーステーションに行って、利用する車のドアロックを解錠し、乗車して出庫します。途中で給油や洗車が必要な場合は、車の中にある給油・洗車カードを使います。なお、その際は、会社によって、代金を支払う必要がない場合や、代金の一部を利用料金から割り引く場合などがあります。

返却は出発したカーステーションで行います。予約時間内に返却できない場合、次の予約に影響がなければ延長することができますが、返却予定時間を過ぎると超過料金が発生する場合があります。短時間サービスで返却予定時間よりも早く返却すると、実際の返却時までの代金ですむため、予約の段階で、返却予定時間を少し長めに設定しておいたほうがいいでしょう。

精算は、入会時に登録したクレジットカード等で月ごとに行います。

利用中に交通事故を起こした場合は、営業補償の一部として、自走可能な場合は2万円、自走不能の場合は5万円などの補償金額がかかります。また、保険適用を受けない車の損害に対しては、休業損害や原状回復費用、緊急出動費用などの負担が発生することなどにも注意が必要です。

カーシェアリングサービスは、マーケットが拡大していることを背景に、各社とも新規会員獲得のためにいろんなキャンペーンを実施しているようです。ここ数年間で急速に認知が広がった歴史の浅いサービスですが、自分の暮らしの中で活用できそうな場面があるようなら、試しに利用してみてはいかがでしょうか。

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この記事の筆者
中村宏 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、住宅ローンアドバイザー

個人相談、セミナー講師、新聞や雑誌・Webの記事執筆や取材協力が主な業務。
暮らしのお金に関するお役立ち情報として、無料のメールマガジン「生活マネー ミニ講座」(平日:毎日)を配信中。

FPオフィス ワーク・ワークス代表

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