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全国には12万軒以上※の不動産会社が存在し、大きく分けると知名度のある大手不動産会社と、地元に根差して営業を続ける地域密着型の不動産会社、2つのタイプに分けられます。それぞれに優れているポイントがありますので、自分にとってどんなタイプの不動産会社が合っているのか考えてみましょう。

※参考:国土交通省「宅地建物取引業者数の推移」

不動産会社は大手・地元密着に限らず、紹介される物件に大きな違いはない

家探しをするため、インターネットで情報収集をする方が多いと思います。ポータルサイトに条件を打ち込み、チェックをした結果「同じ物件なのに、いくつも取り扱える不動産会社が出てきた」という経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか? また、不動産会社を何軒も廻ったのに「お薦めされたのは同じ物件だった」という話もよく聞きます。

その理由は、全国の不動産業会社が物件情報を共有するネットワークシステム「レインズ(不動産流通標準情報システム)」に登録された情報だからです。物件情報がレインズに掲載されるか否かは、媒介契約の種類によって決まります。

 媒介契約の種類  契約内容  登録義務
 一般媒介契約  複数の不動産仲介会社と媒介契約が可能  任意
 専属専任媒介契約  依頼した1社の不動産仲介会社との媒介契約のみ可  あり
 専任媒介契約  専任媒介契約と同様。自ら買主を見つけて直接契約可  あり

大半の物件がレインズに掲載されているため、ほとんどの不動産会社で同じ情報を紹介してもらうことができます。情報が共有されないのは、「一般媒介契約」の物件の一部。また、「専属専任媒介契約」の物件は休業日を除く5日以内、「専任媒介契約」は7日以内に登録する義務があるため、媒介契約直後の物件が「未公開物件」として取り引きされることがあります。ただし、未公開物件の中でも、いわゆる“掘り出し物”はごく一部。不動産会社と良好な関係を築き、更に運が味方につかなければ、そうした物件と出会うのは難しいでしょう。

取引実績が豊富で全国各地の物件に対応できる大手不動産会社

上記の通り、物件情報の大半はどの不動産会社へ行っても共通しているため、やみくもにたくさんの不動産会社を訪問しても、同じ情報しか出てきません。それでは、どんな不動産会社を窓口にすべきなのでしょうか?

大手不動産会社は、圧倒的に知名度が高いため、媒介契約直後の「未公開物件」が集まりやすく、豊富な取引実績と独自のネットワークに基づく情報量が魅力。全国展開している会社も多く、どのエリアの物件でも対応してもらえるでしょう。ただし、「大手」と一口で言っても、財閥系や電鉄系、銀行系など様々。例えば、電鉄系でしたら沿線の物件に強いなど、ある程度の特徴はあります。

また、大手の看板を背負う以上は一定以上の水準を求められることから、社員をしっかりと教育している傾向にあります。対応もマニュアルに基づいて行われるので、安心感があるでしょう。

【大手不動産会社の特徴】
1.豊富な取引実績があり、独自のネットワークに基づく情報量も豊富。
2.全国展開している会社が多く、どのエリアの物件でも対応してもらいやすい。
3.マニュアルに基づき社員教育が行われる傾向にあり、一定以上の対応を望める。

地主と繋がりが深く、エリアの特徴も詳細まで把握。地元密着型の不動産会社

特定のエリアに店舗を構え、限られた範囲内で営業しているのが、地元密着型の不動産会社です。地元地域の特色を細かく理解しているため、どの道の交通量が多いか、人気の学区はどこか、治安の良し悪しといった「ご近所さんしか知らない情報」を一通り網羅している可能性が高いでしょう。エリア内で暮らす地主(売主)と繋がりが深く、過去の取り引きデータも知り尽くしています。そのため、物件の相場も細かく把握しており、適切な価格で売買がしやすいでしょう。大手と比べて営業担当者個人の裁量権が大きい傾向にあり、柔軟な対応が可能です。

ちなみに、地元密着型の中には、フランチャイズに加盟している店舗も数多く存在します。全国規模の名前とともに個々の不動産会社も明記されている不動産会社がそれで、加盟店はロイヤリティーを支払って全国的に知名度がある看板を背負い、共通するシステムを導入しています。こうした不動産会社は、地元密着型でありながら、全国規模のネットワークを活用できるメリットがあるでしょう。

【地域密着型不動産会社の特徴】
1.対応エリアは限られているが、該当地域の情報には精通している。
2.エリア内の価格動向を常に把握し、適正な価格に基づいた売買ができる。
3.営業担当者の裁量権が大きく、柔軟な対応を望める可能性が高い。

エリアにこだわらず物件を紹介して欲しい方はまず、大手不動産会社へ

複数のエリアで家探しを検討中で「幅広い物件をエリア探しから相談したい」という方は、大手不動産会社のネットワークを活用しましょう。「現在住んでいる物件を売却し、売却益を元手に新居を購入したい」といった方も、全国各地にたくさんの顧客がいる大手不動産会社の方が、早期売却を見込めますし、ワンストップで対応してもらえるので自身の負担も減るでしょう。また、司法書士や税理士、ファイナンシャルプランナーなど不動産に関連する専門家との連携もスムーズな傾向にあります。

特定のエリアに絞って家探しをするなら、地元密着型の不動産会社へ

お子様の進学先などの事情で、特定の学区内にこだわって家探しをしたい方、実家から離れたくないため近隣で家を探している方など、特定のエリアに照準を絞っている方は一度、地元の不動産会社を訪ねてみましょう。人通りや車の通行量の多さ、学区の特徴など地元だから知りえる情報を教えてもらえますし、その不動産会社が懇意にしている地主が物件の売却を検討していれば、いち早く情報をもらえるかもしれません。

大手不動産会社と地元密着型の不動産会社、それぞれに得手・不得手があります。自分が求めている物件の特徴に合わせて不動産会社を選べば、効率よく家探しができるでしょう。ただし、ほとんどの方にとって家を買うのは初めての体験。数軒の不動産会社を訪れた上で、お世話になる一軒を決めてみてはいかがでしょうか?

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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