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今から数十年前は、「結婚したら家を買う」ことが当たり前でした。当時は土地の値段が右肩上がりだったため、多少無計画に家を買っても高く売ることができたのです。そんな背景があり、ご両親から「早く家を買ったら?」と勧められる新婚カップルが多いのではないでしょうか。でも、すぐに買っても大丈夫? 賃貸か購入か、購入するなら何をしたらいいのか考えてみましょう。

約9%の新婚夫婦が、結婚してすぐに新居を購入

「ゼクシィ新生活準備調査2016※1」によると、8.9%の新婚夫婦が結婚後まもなく新居を購入していることが明らかになっています。「結婚=住宅購入」と考えている方にとって、家賃にお金を費やすことがもったいないと感じるのかもしれません。

また、厚生労働省統計情報部の2016年「人口動態統計※2」によると、平均初婚年齢は男性が31.1歳、女性が29.4歳。ゆっくりと晩婚化が進んでいるため、結婚した時点でそれぞれに貯蓄があるケースも増えています。

最近は頭金を潤沢に用意しなくても住宅ローンを組むことができ、物見遊山で物件見学へ行くと、不動産会社の営業担当者から「今の年収で住宅ローンの借り入れができますよ」などと声を掛けられるケースが多いため「買えるなら買ってしまおう」と考える方も少なくありません。

結婚直後の住宅購入は、身の丈に合う予算やライフスタイルが確立していないリスクあり

大抵の場合、新婚当初の家計は手探り状態です。夫婦それぞれの収入をどのように管理し、どれだけの収支があるのか明確にしなければ、家にどれだけの金額を当てることができるのかはっきりしません。「何となく家が欲しい」という気持ちだけで、資金計画を立てずに住宅を購入してしまうと、住宅ローンの返済が始まってから後悔することになりかねません。

また、他人が一つ屋根の下で暮らすため、お互いの習慣や住まいに求めることなど、一緒に住んでみて初めて気づくこともあるでしょう。「親から多額の援助がある」「土地を譲渡される」「同棲期間が長くお互いのお財布事情もライフスタイルも想定できる」といった事情がなければ、貯蓄と計画を温める期間を設けた方が良いでしょう。

新婚家庭は家計の把握からスタート。お金と将来の見通しをもとに、賃貸か購入か決断を

「生活費」の把握、「教育費」の試算、「住宅費」の想定をしておく

新婚夫婦はまず、「生活費」がいくら必要なのかを把握し、子どもが生まれた場合の「教育費」なども試算することが大切です。子どもを授かれば、産休や育休をとる方が多いでしょうし、お子様の手が離れるまで仕事復帰できない可能性も考える必要があります。

もしかしたら、夫婦どちらかがリストラの憂き目に遭ったり、病気を患って休職したりするかもしれません。「住宅費」は、あらゆるシチュエーションを想定して、最悪の事態に陥っても家計が破綻しない範囲内に抑えた方が安心です。夫婦一方の収入がなくなっても生活を継続できる資金計画を立て、その予算内で賃貸か購入か、家を買うならどの程度の予算で探すのか考えましょう。

気軽に引っ越しできる賃貸生活。社宅や家賃補助が充実している方にもおすすめ

賃貸ならライフスタイルに合わせて住み替えができる

新婚生活は転職や転勤、お子様の誕生など、近い将来に生活が一変する可能性が高く、結婚しても当分は、家を買う予定はない方も多いでしょう。家族構成やライフスタイルに合わせて、気軽に転居できることが賃貸生活最大の強みです。

また、新婚夫婦の9.7%が社宅に住んでいるという調査結果※1もあります。社宅の場合は課税対象にならないため、節約の一助となるでしょう。家賃補助・住宅手当といった名目で住宅費用の一部を支給している企業も多いと思いますが、こちらは課税対象です。

住宅手当や家賃補助があるなら、貯蓄に専念するのもオススメ

東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情※3」によると、住宅手当を支給している会社は40.2%と半数以下。1人当たりの住宅手当の平均支給額は1万8,781円。扶養家族ありの世帯で平均2万234円です。

また、最近は勤務先の近くに引っ越すことで家賃補助が出る会社も増えています。手取り月収が少ないうちは特に、福利厚生が貴重な収入源となります。当面は賃貸生活を続け、貯蓄に専念しても良いでしょう。

新婚カップルの多くが、賃貸生活からスタート。出産やお子様の成長に合わせて購入を検討

新婚時は約7割が賃貸で新生活

前述の「ゼクシィ新生活準備調査2016※1」によると、新婚夫婦の74.1%が賃貸住宅で新生活をスタートさせており、そのほとんどがマンションかアパートを選んでいます。

新婚当初はある程度の貯蓄をつくることに専念し、お子様が生まれて家族が増えた時や、保育園や幼稚園、小学校に入るタイミングで転校しなくても良いよう、住宅購入を決める方が多いのではないでしょうか。その頃には夫婦の収入も安定し、妻が仕事復帰をするのか、その後定年まで働く予定はあるのか、パートタイマーで家計を助けるのかといった見通しが立ちやすい事情もあります。

快適性の向上や将来に備える資産とするなら、マイホーム購入も

マイホームを購入するメリットは、賃貸物件と比べて構造や仕様、設備のグレードが高い家で、快適に暮らせること。マンションなら、セキュリティ面や共用部の充実にも期待できます。

また、住宅ローンを借り入れる際、団体信用生命保険に加入すれば、万が一の時に返済が免除され、家族にマイホームを遺すことができます。将来住み替えが必要になった場合には、自宅の売却や賃貸に出すことで、ある程度の費用を捻出することもできるでしょう。

これから結婚を控えている方や、結婚したばかりの方は上記を参考に、賃貸か、家を購入するか考えてみてはいかがでしょうか?

※1「ゼクシィ新生活準備調査2016」
※2「人口動態統計」平成28年人口動態統計月報年計
※3
「中小企業の賃金・退職金事情」

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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