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Q. 子どもに賢いお金の使い方を身につけさせるために”月々お小遣いをあげて、その中で自分で運用させるといい”という話はよく耳にします。簡単にものを買い与えてもらっている今の子どもに、お小遣いがなくなったら我慢させるのは難しいのではないかと思っています、良い方法はあるのでしょうか。(30代主婦)

お金との付き合い方で大切なことは「手段」であること

子どもにどうやって金銭感覚を身につけさせたらいいのか。これは、子どもを持つ誰もが直面する悩みの1つだと思います。お金に対する考え方は人それぞれですが、同じように、お金との向き合い方にも正解があるわけではありません。ですが、お金と付き合う上で大切なことを1つ挙げるとしたら、それは、「お金は目的ではなく手段である」という認識を持つことといえるのではないでしょうか。

子どもたちに「将来、お金持ちになりたい?」と聞くと…

子どもたちに、「将来、お金持ちになりたい人はいる?」と問いかけると、多くの子どもが手をあげます。ですが、その次に「お金持ちになったら何をしたいの?」と聞くと、目を背ける子が意外と多いのです。もちろん、答えてくれる子どもたちもいますが、その中でも多いなと感じる答えは「将来のために貯金をする」というものです。

子どもたちから、こうした答えが返ってくる背景には、何があるのでしょうか。

出所:「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)より作成

家庭の中で、お金に対するマイナスな会話はどれくらいある?

子どもは、日頃から両親の姿を見て過ごしています。ちょっと思い返してみてください。ご自宅で、「将来が不安だ」「生活のやりくりが大変だ」と話すことはありませんか?

もちろん、テレビなどメディアの影響も少なからずあるかと思いますが、ご家庭の中での会話に、お金に対するマイナスな話題が多いと、子どもは、自然とお金に対してマイナスの気持ちを抱いてしまいます。その結果、「将来のお金の不安感を消したい」という気持ちが強くなり、「貯蓄する」という答えが出てくるのではないかと私は考えています。

お金を「貯める」事ではなく「何に使うのか」を考える

ここまでお読みいただいて、「何かおかしい…」と違和感を抱かれた人がいらっしゃるのではないでしょうか。実際に、この話を知人や相談者の方にすると、やはり「何かおかしいな」と違和感を持つ人が少なくありません。その違和感の正体を解き明かすと、「何のために使うのかわからないまま、ただお金を貯めることだけに意識が向いている」ということです。

もちろん、将来に備えてお金を貯めるのは大切なことですし、貯める習慣を身につけさせることは大切なことだとは思います。ただ、その前に「お金を何に使うのか」「お金を貯めて何をしたいのか」を考えることが大切だと私は考えます。

なぜなら、お金は稼いだり、貯めたりすること自体が目的ではなく、そのお金を使って自分がやりたいことを実現したり、欲しいものを手に入れるための手段にすぎないからです。まずは、このことを子どもたちと一緒に考え、伝えてあげることが大切ではないでしょうか。

お小遣いを渡す時に、子どもと行って欲しい約束とは?

「お金はそれを使って何かを得るための手段だ」ということを親子で考えた後には、実際に、子どもにお小遣いを渡して使わせてみましょう。この時の注意点としては、「自由に使っていいけれど、必ずレシートはもらってくるように」という約束を必ずしてください。 レシートをもらうことで、後から子どもがお金を何に使ってきたのかを確認できるだけでなく、それが無駄遣いなのかどうか、使った内容を見ながら一緒に考える時間を持つこともできます。

また、このやり取りを通して、子どもの行動パターンが見えてくるため、たとえば、急に出費が増えた、買う物が変わったといった変化に気づくことにもつながります。あってはいけないことですが、たとえば、いじめや万引きといった問題に子どもが関わっていないかを親が察知できることもあるでしょう。

そして、何よりも、レシートを見て、「無駄遣いではないか」「何のために使ったのか」を親子で一緒に繰り返し考えることで、少しずつではありますが、無駄遣いも減り、金銭感覚も磨かれていくはずです。

<子どもにお小遣いを渡すときのルール>
□まず、お金は目的ではなく手段であることを親子で考える
□渡したお小遣いは自由に使っていい
□お小遣いを使ったときは必ずレシートをもらってくる
□レシートを見ながら、親子でお金の使い方を一緒に考える

<貯蓄の習慣とお金に関する行動>

   全体  定期的に貯蓄をしている子ども  お金はもらっているが貯蓄はしていない子ども
おこづかいの使い方について計画を立てている  33.5%  52.3%  15.6%
 30.7%  53.6%  16.0%
おつりをもらったら確認している  64.9%  72.7%  52.2%
 61.2%  70.7%  53.1%
レシートをもらったら、金額を確認し持ち帰っている  53.0%  64.0%  39.8%
 46.0%  60.0%  35.7%
「欲しい」と思ったものは、すぐに買ってしまう  62.2%  46.1%  75.5%
 65.8%  54.3%  74.7%

※上段:中学生の調査結果/下段:高校生の調査結果

「定期的に貯蓄をしている」子どもは、計画的におこづかいを使っている傾向が強く、「お金はもらっているが貯蓄はしてないない」子どもは、欲しいと思ったものをすぐに買ってしまう傾向が強いことがわかる

出所:「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)より作成 

安心感のある親子関係が、無駄遣いを防ぐ第一歩

このように、お金の使い方を通して、いろいろな話ができる親子関係があれば、子どもは「お父さん、お母さんは自分のことをしっかり見てくれている」という安心感を持つことでしょう。そういう子どもは、心も満たされているため、衝動買いのような無駄遣いに走ることもなくなると私は考えています。

また、会話の中でのお父さんお母さんの言葉や態度を通して、子どもは、お金の良い使い方がどんなものなのかを学んでいきます。一方的な決めつけではなく、子どもと話しながら、お金の賢い使い方のルールを作り上げていくことが大切です。 お子さんも納得していれば、そのルールを守って、自分で使い道をしっかりと考えられるようになりますし、親としても子どもの成長した姿を見ることできるはずです。

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この記事の筆者
斎藤岳志 ファイナンシャル・プランナー(CFP)

百貨店勤務在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。マイホーム購入・売却相談の他、不動産投資のサポートも行っている。アニメのルパン三世や名探偵コナン、宮崎駿のジブリシリーズが大のお気に入り。

FPオフィス ケセラセラ横浜: http://fpoffice-yokohama.com/

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