家の性能が向上し、高気密・高断熱な空間が実現する一方、化学物質が家のなかに留まり、シックハウス症候群やアトピーなどの引き金になることが懸念されています。

そこで、家の性能とともに注目したいのが、建材です。自然素材が持つ機能を上手に生かすことで、高性能で体に優しい家づくりが可能になります。

今回、どのような自然素材があるのか、ARUHIマガジン編集部が調べてみました。

無垢材

天然の木材で、杉・クルミの木・檜・桜など、種類によって独特の風合いがあり、建具やフローリング、天井、腰板などによく用いられます。

温もりを感じられる木肌の風合いや、すべすべとした滑らかな肌触りが心地よく、経年変化によってさらに質感が深まっていくのが魅力です。

保温性や調湿性にも優れ、一年を通じて快適な居住空間をかなえてくれます。防虫効果もあり、耐久性も優秀。

ただし、杉や檜など比較的柔らかな木材は時間が経つにつれ反りや曲がり、ねじれが生じることも。

水に弱いため、ワックスやオイルなどを定期的に塗ってメンテナンスしなければなりません。

また、値段が比較的安価な杉は人気がありますが、輸入材木の場合、傷みを防ぐために化学物質を含む薬をたっぷり塗られている場合があります。

体への優しさを重視したい場合は、産地や輸送方法などもしっかり確認するようにしましょう。

※参考記事:自然素材を取り入れる! “無垢材”のメンテナンス方法

珪藻土と漆喰

自然素材の壁材として人気が高い、珪藻土と漆喰。珪藻土は太古の植物プランクトンが堆積して土になったものです。

無数の微細な孔を持つため通気性がよく、また湿度が高いときは空気中の湿気を吸収し、逆に湿度が低くなると蓄えていた湿気を放出するなど、調湿性に優れています。

居心地のよさはもちろん、窓や壁の結露も防いでくれるので、カビやダニの発生も抑えてくれます。

また消臭性にも優れており、部屋にこもる匂いも軽減されるといいます。

一方漆喰は消石灰を主とする壁材で、こちらも人体に有害な化学物質が含まれていません。

一番の利点は耐火性で、昔の城や蔵に漆喰壁が使われていたのも、優れた防火材であったからだといわれています。

さらに高い吸着性もあり、空気中の二酸化炭素やホルムアルデヒドなども吸着し、空気を浄化してくれます。

珪藻土も漆喰も見た目の質感も素晴らしく、どこか温もりがあり、優しい雰囲気があります。

ただし、乾燥するとヒビが入る場合があり、自然素材ゆえ素材にもばらつきがあり、色むらが出ることも。

施工に手間がかかるためコストも高くなってしまいますが、リビングや寝室など、こだわりたい場所に部分的に取り入れるのもおすすめです。

植物由来の壁紙

自然素材を紙の表面層に含み、その素材が持つ特徴をいかした壁紙です。塗り壁として人気の高い珪藻土を含んだタイプもあり、通気・調湿・消臭性がよく、ビニール壁紙に起こりがちな結露の心配もありません。

世界で初めて非木材パルプを用いた壁紙として認定されている「ケナフウォール」に竹炭パウダーを組み合わせた「竹炭ケナフウォール」は、消臭・調湿・通気性が優れています。さらに、竹炭もケナフも枯渇する心配の少ない資源といわれており、環境にも優しいです。

また、機能よりも見た目のよさで人気を集めているのは、稲麦やマニラ麻の繊維を漉き込んだ和紙の壁紙です。ナチュラルで素朴な風合いは、心安らぐ空間を演出してくれます。

いずれも塗り壁よりも安価なので、コストを抑えながら自然素材を取り入れたい人におすすめです。

塗料

無垢材の床や建具、家具などにも仕上げに塗料が塗られています。こちらも合成樹脂を原料とした科学塗料と自然塗料がありますが、自然塗料も種類によってはアレルギーを起こしたり、乾いていく過程でホルムアルデヒドを発生したりするものもあるため、体に優しいとは一概にいえません。

では、大きな違いは何かというと、科学塗料は木材の耐久性を高め、メンテナンスの手間を少なくしてくれます。乾くのも早いため、施工時間も短くすみ、とても便利です。

一方自然塗料は、木材の木目を生かし、時間が経つほどに色合いが深まっていく経年変化を引き立てます。

種類は大きく分けて3タイプあり、木材本来の木目を際立たせ、しっとりとした質感に仕上がるオイル系、木の表面とコーティングして汚れから守り、無塗装のような自然な仕上がりになるワックス系、オイル系・ワックス系の機能を併せ持ったオイルワックス系があります。

原料には蜜蝋、漆、亜麻仁油、大豆油、ヒマシ油、ヒマワリ油などがあり、それぞれをブレンドして多種多彩な色合いを表現します。

まとめ

自然素材には優れた特徴があり、そこにいるだけでほっとくつろげる、心地よい空間を叶えてくれます。何より、経年変化が楽しめるのは自然素材ならでは。

手入れの手間がかかるものは多いですが、その分、我が家に愛着が増していくというもの。自分たちの叶えたい暮らしに合わせて、上手に自然素材を取りいれてくださいね。

(最終更新日:2019.10.05)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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