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多発する大きな震災、地球温暖化に伴う異常気象など、生活環境への不安は尽きることがありません。こうした背景から、耐震性はもちろん、一年を通じて室温が快適に保たれ、省エネにも優れた高気密・高断熱性能など、様々な性能を備えた「高性能住宅」のニーズが高まっています。家族の命を守り、長く快適に暮らしていける家を実現するためにはどのような性能が必要なのか、ARUHIマガジン編集部が調べてみました。

省エネルギー住宅に関わるキーワード HEMSとZEH

高性能住宅について調べていくと、よく目にするのが「HEMS(ヘムス)」と「ZEH(ゼッチ)」の2つです。どちらも省エネルギー住宅を実現するための取り組みで、政府主導のもと、2030年までに「HEMS」は全世帯(約5000万世帯)へ普及、「ZEH」は2020年までに新築住宅の過半数以上で実現することを目標に政策が進められています。これからの家づくりに欠かせない「HEMS」と「ZEH」について、まずご紹介いたします。

・HEMSとは?

「Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」を略した呼称で、家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムです。家電や電気設備などの使用状況をシステムによってモニター画面などで「見える化」し、使い過ぎや節約のポイントを把握。各機器をコントロールしてエネルギーを最適に制御できるので、生活の快適さを損なうことなくエネルギーを節約することができます。また専用アプリと連動すれば、電気を使い過ぎると自動的に通知が届いたり、出先からエアコンなどの機器をコントロールしたりすることも可能。さらに、子ども部屋の照明が点灯するなど、電力の使用状況の変化で留守中の家族の様子が把握できるなど、より便利な暮らしをかなえてくれるのも魅力的です。

・ZEHとは?

「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を表す「ZEH」とは、年間を通じ、創エネ設備によって創り出されたエネルギーが消費エネルギーよりも多い、または差がゼロになる住宅のことです。太陽光発電など自然の力を利用した創エネ設備によってエネルギーを創り出し、蓄電池に貯めたエネルギーを電気消費量の多くなる日中に使ったり、先にご紹介した「HEMS」で使用量を管理することで無駄を省いたりと、効率的にエネルギーを使います。さらに、住宅そのものの断熱・気密性能・通風採光性を高めることで年中快適な室温環境に保ち、エアコンや照明などのエネルギー消費を抑制。環境に負荷をかけることなくエコな暮らしをかなえてくれる住宅です。

地震に強い家づくり

地震の多い日本では、1950年より建築基準法によって耐震基準が定められていました。1981年には、それまでの震災経験に基づいて大きく法改正され、「新耐震基準」が制定されました。昨今では、これに則った耐震性に加え、免震性、制震性を高めた家づくりにも注目が集まっています。それぞれ同じ「地震に強い家」を表す尺度とされていますが、何が、どのように違うのでしょう。耐震性・免震性・制震性のポイントをきちんと理解し、家づくりに役立てましょう。

・免震とは?

地面と建物の間に装置を設置することで地震の揺れを建物に伝わりにくくするのが免震です。従来の耐震構造による建築物は地面の上に直接建物が建っているため、地震の揺れがダイレクトに伝わり、建物が大きく揺れてしまいます。しかし免震の建築物は、地面の上に設置された積層ゴムなどの免震装置の上に建物が乗っているため、地震の揺れが建物に伝わりにくく、ダメージが大幅に減少されます。建物躯体の亀裂はもちろん、家具の転倒や照明器具等の落下、配管の破損などを防いでくれます。とてもすぐれた性能ですが、建設コストが高く、定期的にメンテナンスする必要があるため、ランニングコストもかかってしまうのがネックです。また、軟弱地盤では装置を設置することができない※1ので、コスト面と合わせて、導入されるケースは限られてきます。

・耐震とは?

建物の構造自体を頑丈にし、地震の揺れに耐えるよう建設します。地震による倒壊を防いでくれますが、建物の揺れ自体を軽減することはできないため、外壁が崩れたり、亀裂が入ったりするなど、建物自体が損傷する場合があります。また、外からは見えない構造部分が損傷してしまうこともあるため、震災が起こった際は、一見大丈夫なようでも住宅会社や専門業者にチェックしてもらう必要があります。また、揺れを制御できないので家具の転倒や照明の落下を防止することもできません。家具の固定や、埋め込み式の照明を選ぶなど、万が一に備えた対策をとっておく必要があります。ただし、費用は免震、制震工法と比較して安価で、軟弱地盤にも対応可。工法自体にメンテナンスは不必要なので、3つの技術の中で最も取り入れやすいでしょう。

・制震とは?

ダンパーと呼ばれる地震の揺れを吸収する装置を建物に設置し、地震エネルギーを建物に伝わりにくくして建物の揺れを軽減します。制震装置は大きく分けて、電気などのエネルギーを用いて揺れを制御する「アクティブ型」と、物理的な力で制震する「パッシブ型」の2種類があります。地震による建物の揺れが吸収されるため建物の損傷を抑えることができ、さらに、近年多く見られる「繰り返す地震」や余震による倒壊にも有効です。また、「アクティブ型」はメンテナンスが必要のためランニングコストはかかりますが、免震工法と比較して安価で、軟弱地盤にも対応できるのが特徴です。

参照:「耐震」「制震」「免震」どれが一番地震に強いの?

今から押さえておきたいAIとIoTの導入

様々な分野で目覚ましい活躍を見せる「AI(人工知能)」と「IoT(モノのインターネット)」。これらの有用性は住宅業界でも注目されていて、より快適な暮らしをかなえるためのツールとして、実用化への取り組みが始まっています。例えば現在、玄関ドアホンや空調、太陽光発電システムなどはそれぞれのモニターで管理しています。また、エアコンやテレビ、DVDや音響設備などもたくさんのリモコンを使い分けて生活しています。しかし、これらが「IoT」によってスマートフォンや1つのモニターで操作できるようになれば、家の中がごちゃごちゃしませんし、複数を使い分ける煩わしさも解消されます。さらに、「AI」を備えたロボットが、家人の要望に応え、最適な操作を案内できるようになれば、小さな子どもや高齢者もぐんと生活しやすくなります。まだまだ試行錯誤の途中ですが、前に紹介した「HEMS」のように、すでに遠隔操作や家族の見守りにひと役買っているものもあります。また、都心部のマンションでは、AIとIoTを連動させて健康管理を行ってくれる物件も登場しています。近い将来、どの家庭にもAIやIoTが当たり前のように存在している生活になっているかもしれませんね。

まとめ

建築業界が長年培った経験から生まれた最新の技術によって実現される高性能住宅。選択肢がとても多く、すべてを揃えようとすると当然コストもかかってしまいます。自分たちの暮らしに必要なものをしっかり取捨選択し、理想の暮らしをかなえてくださいね。

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