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この記事は、ディスプレイデザイナーとして活躍する荒川昌子さんに「自分らしい部屋をつくる秘訣」を聞き、紹介する全2回の連載コラムです。前編の今回は「狭い空間を有効活用するコツ」について語っていただきました。

新居に引っ越しをしたら、インテリアにこだわりたくなる方が多も多いでしょう。より自分好みの快適な空間にするために、何から始めたらよいのでしょうか? 空間デコレーターであり、ディスプレイデザイナーとしても活躍する荒川昌子さんに、そのヒントを伺いました。

まずはお部屋の“キーカラー”探しとテーマに“足したい色”を見つける

ウィンドウディスプレイのデコレーション、店舗やオフィスの空間デコレーターやディスプレイデザイナー、ファッション系コンテンツのライターやパーソナルスタイリストとしても活躍する荒川昌子さん。

――「部屋の雰囲気を変えたい」「自分らしさを出したい」と考える方は多いと思いますが、どんな配色が合うのか、どこに何を置けばいいのか考えるのは、楽しくも難しいですよね?

インテリアを変えたいと思ったとき、私は画像を収集・共有するサービス、ピンタレストの活用をおススメしています。例えば、「ピンク インテリア」で検索してみますと、グレーを混ぜて大人っぽくしている部屋や、水色を効かせてメルヘンにしている部屋など、ピンクをベースにした様々な空間を一度にチェックでき、ヒントがたくさん見つかります。お気に入りの写真を集めてみると、自然と自分の好みが見えてきます。テーマにどんな色を足していけば自分好みの空間が完成するのか。認識することが第一歩です。

――荒川さんご自身は現在、戸建てを借りてお住まいなのですよね?

はい、築20年弱の戸建てで子育て中です。4LDKと部屋数はあるのですが、細かく仕切られているので個々のスペースが狭く、LDKは9畳しかありません。その狭い空間をどう使うか。今回は水色をベースに赤を足し、白黒のモノトーンで引き締めながら空間を構成しました。ニューヨークにある、Gramercy Park Hotelのインテリア写真を参考にして、似たような色の壁紙を貼りました。

荒川さんが賃貸物件に手を加えたリビング。飾っているポスターもGramercy Park Hotelの世界観を思い浮かべて、同じようなデザインテイストを意識しながら選んでいるそう。

狭い部屋でも快適に楽しむための工夫

――写真を拝見すると、LDKで9畳しかないとは思えない、素敵な空間ですね! 色遣い以外にもコツはありますか?

ソファはコンパクトで背もたれが低いタイプをチョイス。L字型なので空間を有効に活用できます。オットマンを繋げればシングルベッドくらいの長さにできるので使い勝手がいいですし、家具の背を低くすることで天井の低さを感じさせません。カーテンの柄も、縦のストライプを選ぶことで、視覚的に高さを強調しています。

ポスターは本来、もう少し下に貼った方がバランスは良いのですが、子どもの手が届かないよう、少し高い位置に飾りました。

ホームセンターなどで販売している2×4材にDIYグッズを設置して突っ張り棒のようにして壁掛けテレビに。テレビ台を置くスペースを節約している。

――部屋の雰囲気に合うポスターは、どのようにセレクトしていますか?

私は、商用利用もOKの写真やイラストを集めたWEBサイトからお気に入りの写真やイラストを見つけて、コンビニのレーザープリンターで印刷しています。ポスターを購入するよりもお得です。

中古の洋雑誌を古本屋で購入して気に入ったページを切り抜いたり、コラージュしたりすれば、よりお金を掛けずに素敵な空間を作れますよ。

飾るところ・見せるところのメリハリをつけることが成功の秘訣

――限られたスペースですっきりと暮らすには、家じゅうに溢れたものをどこに収納するかも悩みどころです。

リラックスする場所、収納スペース、デコレーションするエリアのメリハリをつけることが大切です。我が家では、和室を収納スペースとして活用。息子が保育園で使う道具類をしまっている他、ちょっとしたパントリーの役割も果たしています。黒のメタルシェルフにA4ファイルボックスを合わせていますが、ホームセンターの商品がおむつの横幅にピッタリで重宝しています。中を見せたくないので、透明な商品は選ばずシンプルにまとめました。

収納サイドの壁に貼ってあるのは、実は包装紙です。300円程度で購入し、マスキングテープで四隅をラフに貼っただけ。壁紙を貼るよりも気軽に模様替えができますし、お気に入りの柄が視界に入ると、楽しい気持ちになります。飾るところと見せるところのメリハリをつけることが大切ですね。

「見せる収納」はきれい好きでないと継続することが難しい。荒川さんは敢えて、不透明な収納ボックスを選んでいるそう。

マイホームを購入するなら、中古戸建てをリノベしたい

――ご自身は現在、賃貸住宅で暮らしていらっしゃいますが、もしマイホーム住まいなら、できること・やりたいことも変わってきますか?

今の賃貸住宅は3階建てなのですが、実家は平屋の戸建てだったので階段のある家に暮らすのは実は今回が初めてです。

マンション・戸建て・平屋や上階があるかどうか…どんな形の家が自分たちのライフスタイルに理想的なのか、色々と試してみたい気持ちがあるので、今は賃貸で楽しんでいます。

賃貸住宅で暮らす限り、何をするにも原状復帰が前提ですが、マイホームならできることが増えますよね。例えば、中古戸建てを購入して、自分好みにリノベーションができたら楽しいだろうなと思うことがあります。リビングを広くとってハンモックを天井から吊り下げられるようにしたり、憧れのシューズクローゼットも作ってみたいです。

マスキングテープを壁に貼って、即席のフレームに。賃貸住宅でも手軽にデコレーションできて、剥がすのもラク。お子様の絵を飾る時などにお薦めだ。

――壁はどんな色にしましょう?

壁や天井は白を選ぶ方が多いと思いますし、広く明るく見えるメリットもあります。でも、「何色を選んでいいか分からない」と言う方には様々なテイストに合わせやすくおしゃれな雰囲気を演出しやすい、グレーがおススメです。ダークグレーは和風にするにも、シャビーシックな空間を演出することもでき、応用が効かせられます。にもぴったりです。和の空間にするなら、アジアモダンを意識して紫にしてみてもいいかもしれません。個人的には、マゼンタやライムグリーンなど、一見壁紙には難しそうな色に挑戦し、部屋ごとにキーカラーとテーマを決めて楽しみたいですね。

<取材者プロフィール>
荒川 昌子(あらかわ まさこ)
大学時代にプロダクトデザインと空間デザインを学んだ後、空間デザインの会社で大手百貨店のウィンドウディスプレイなどVP(ヴィジュアルプレゼンテーション)の施行管理を担当。空間デコレーター・ディスプレイデザイナーとして空間の装飾を行うほか、ファッション系コンテンツのライター・パーソナルスタイリストとしても活躍している。

<連載>プロに聞くお部屋を自分らしくデコレーションして楽しむコツ
自分らしい部屋をつくる秘訣【前編】配色を決めるコツと狭い空間を有効に活用する方法
自分らしい部屋をつくる秘訣【後編】気軽にディスプレイを始めるための心構えとは

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この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

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