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東京23区など都心部を中心に、高層マンションでの都会的な暮らしにあこがれる人は多いでしょう。特に人気の高いタワーマンションは、高さ247m・52階建の「虎ノ門ヒルズレジデンス」(東京都港区)、高さ209m・54階建の「The Kitahama」(大阪市中央区)などが有名ですが、そのほか2026年には東京都新宿区に高さ235m・65階建の日本最高層のタワーマンションも完成予定で、ますますスケール感のあるマンションに注目が集まっています。でも、あこがれと現実にはギャップがあるもの。後悔しないマンション選びをするため、高層階について知っておきたいポイントをARUHIマガジン編集部が調べてみました。

何階から高層なの?

まず、「高層」とは何階以上の建物を指すのか説明しましょう。

残念ながらこの答えに正確な基準は存在しません。建築物関係法令を見ると、「市街地建築物法」で定められていた建築物の高さの制限「100フィート(約31メートル)」が、一つの目安になるようです。

しかし、昭和38(1963)年7月の建築基準法による特定街区の規制の改正、及び昭和45(1970)年6月の建築基準法改正により、高さの制限が解除されたため、31メートルを超える建築物が続々と建築されることとなりました。この、31メートルを超える建築物が高層に該当し、10階以上の高さで「高層」と呼んでいいのではないかとされています。

高層階の“これってホント?”

地上数十メートルから数百メートルを超える高さにある高層階は、風が強く、揺れの影響も大きいのでは?と心配される方も多いと思います。もちろん、高層階になるほど強風は吹き付けてきますが、高層マンションは、様々な制振装置によって風対策が施されており、住人が快適に暮らせるように設計されています。振り子の原理を利用して揺れを相殺する、揺れをセンサーで感知して油圧や電気などで重りを動かして制震する、振動エネルギーを吸収する特殊素材を採用するなど、日本の高層建築の技術は世界トップレベルです。日常的な風対策はもちろん、地震にも配慮した構造となっています。

また、風と同様、日光も強く降り注ぎます。対策として、断熱効果の高いガラスなどの複合ガラスが使用されていますが、日中サンサンと差し込む光はジワジワと室温を上げ、春や秋であっても冷房が必要なほど暑くなります。

高層階の窓は安全面から開けられないように造られているため、窓を開けて熱を逃がすことができず、空調でコントロールするしかありません。高層階に暮らす場合、一般的に人気の高い東南の角部屋や南向きの部屋よりも、一年を通じて日の光が穏やかな北向きの部屋が暮らしやすいでしょう。

地上から離れた高層階にも虫は現れる!?

暮らしやすさと言えば、住戸内で虫に遭遇するかどうかも気になるところ。地上から離れた高層階には、ゴキブリや蚊、コバエなどの虫はあまり出ないという話を耳にしたことはないでしょうか?

実際、6階以上ではゴキブリはほとんど出ることはなく、ゴキブリが大の苦手という方は6階以上の住宅を選ぶのがおすすめです。ただ、下の階に飲食店が入っていると発生率はやや高くなるので、そのあたりもしっかりチェックしましょう。

一方蚊は、残念ながら、11階以上の住戸でも出ることがあるそうです。マンションの近くに緑豊かな公園があったり、敷地内に池や水路が設けられている場合、そこにいた蚊が風に運ばれたり、衣服についたまま部屋に入ったりしてしまうのです。高層階であっても夏場は虫除け剤を置きましょう。

また、水たまりがあると蚊が増えるため、ベランダの隅やプランターに雨水がたまったままになっていないかチェックし、発生を防ぎましょう。なお、高層階であっても排水管を通ってコバエが侵入することもあります。コバエを寄せ付けないよう、掃除をこまめにしましょう。

高層階に住むと体調が悪くなる?

地上から離れた高層階での暮らしでは、様々なトラブルに見舞われるのでは?と心配されている人も多いと思います。「高層マンション症候群」などと呼ばれており、環境面での大きな違いとして挙げられる気圧差や高層階特有の建物の揺れからくると言われています。「高層マンション症候群」を発症しやすいタイプとは、もともと頭痛持ちの人や三半規管が弱い人などと言われています。自分がこのような症状が発生しやすいタイプかどうか見極める事が大切です。

次に考えられるのは、換気不足による体調不良。コンクリート製で高気密の高層住宅ではしっかり換気しないと空気が循環しにくく、ダニやカビが発生しやすくなり、アレルギー疾患を引き起こす原因にもなります。特に、強い風を受ける高層階は窓を閉め切ることが多いため、よりリスクが高くなります。換気や空気清浄、室内の手入れをしっかり心がけましょう。

また、高層階で暮らすことで“出不精”になり、運動不足から体調を崩すケースもあるようです。外出するにはエレベーターを利用しなければならず、高層の建物ほどエレベーターを待つ時間も長くなるため、家から出るのが煩わしくなってしまう人は意外と多く、室内に籠もることでさらにストレスがたまりやすいのだとか。休日はなるべく外出する、趣味の習い事に参加する、自然に触れて心と体をリフレッシュさせるなど、積極的に外に出る機会を作るのがおすすめです。

低層階との比較

一方低層階には、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

【メリット】

まずメリットとして考えられるのは、「子育て世代が暮らしやすい」ということです。高層階に比べて価格が安いので、これから出費が増えていく子育て世代には購入しやすいようです。さらに子どもが小さいうちは、例えば1階なら生活音を階下に気兼ねしなくてよいですし、階段やエレベーターを使わずに子どもが外に出られて安心です。強風が吹き込むことがないので、窓を開けて外の空気を感じたり、ベランダやテラスで過ごしたりと、より伸び伸びと子育てができます。また、戸外の気温や通行人の様子が把握できるため、外出する際の服装や、傘を持っていくかどうかの判断もつきやすいです。忘れ物をしても取りに帰りやすく、フットワークのよい暮らしがかないます。また、万が一火災や震災が起きた際も避難しやすく、救助もされやすいです。

【デメリット】

デメリットとしては、地面に近い階ほど湿気がこもりやすくなること、上階の生活音が気になること、高層階のような開けた眺望が楽しめないことなどが挙げられます。眼下に広がるパノラマビューを楽しみながら室内でのんびり過ごしたい、日中は仕事や学校などで家族がほとんど家にいない世帯などには高層階がおすすめです。子どもと一緒に過ごす時間が長く、気軽に外出したり、自然を身近に感じられる暮らしをかなえたい世帯には低層階が好ましいでしょう。

<低層階のメリット・デメリット比較>

 メリット
 高層階と同じ間取り・広さでも、価格が安い
 エレベーターを使わずに外出できる
 強風が吹きこまないため、窓を開けて外の空気を取り入れたり、ベランダやテラスで過ごしたりできる
 戸外の様子がよくわかり、その日の服装や傘の有無など判断がつきやすい
 忘れものをしても取りに帰りやすい
 火災や震災の際も、避難しやすく、救助されやすい
 デメリット
 地面に近い階ほど湿気がこもりやすい
 上階の生活音が気になる
 高層階のような開けた眺望は楽しめない

まとめ

多少の不便はあるものの、オシャレで都会的な高層階の暮らしは、やっぱり魅力的! 事前にメリット・デメリットをしっかり把握することで、「暮らし始めて初めて気が付いた!」という想定外の事態を防ぐことができます。今回紹介したポイントを参考に、高層階での暮らしはどのようなものなのかきちんと理解し、後悔しないマンション購入をかなえてくださいね。

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