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住宅ローンは優遇された商品で、他のローン商品と比較しても最も金利が低いローンです。そのため、自動車ローンや教育ローンなどを住宅ローンにまとめられれば、金利負担を減らすことができますが、それは可能なのでしょうか。また、「おまとめローン」で住宅ローンを他のローンとまとめることにメリットはあるのでしょうか。住宅ローンとまとめられるローンは何か、どれくらい返済負担が軽減できるのかを見ていきましょう。

住宅ローンは最も金利の低いローン

住宅ローンは、30年、35年という長い期間にわたって利用することになるローンです。例えば、銀行をはじめとする金融機関は、融資したお金に利息をつけて返済してもらうことで収益を得ています(借り入れ時の融資手数料が収益となる金融機関もあります)。そのため、金利が低くても、長期間にわたって安定して返済してもらえる住宅ローンは、金融機関にとっては優良な商品といえるでしょう。だからこそ、もともとの金利が低い上に、優遇金利も用意されているのです(適用を受けるには一定の条件を満たす必要はあります)。

では、本当に住宅ローンは一番金利の低いローンなのか、2017年10月時点の三菱東京UFJ銀行の例をあげながら、見ていきます。

<一番金利が低い各種ローン金利>※参照元:三菱東京UFJ銀行

 ローンの種類  金利タイプ  金利
 住宅ローン  変動金利型  2.475%
 リフォームローン  変動金利型  2.975%
 セカンドハウスローン  変動金利型  3.275%
 住宅諸費用ローン  変動金利型  4.475%
 教育ローン  変動金利型  4.475%
 自動車ローン  変動金利型  6.475%
 多目的ローン  変動金利型  7.975%

この金利は基準金利といって、多くの場合は、条件を満たすことで基準金利から一定の金利が優遇(割引)されます。住宅ローンの場合、たとえば、基準金利から▲1.6%という大きな優遇が適用になることもあります。

他のローンとの金利の違いは大きく、住宅ローン金利は最も金利が低いローンであるとも言われる理由なのです。また、住宅ローンの金利が低いのは、住宅が生活において必需品であるという考えからきていることが理由として挙げられます。

自動車ローン、カードローンを住宅ローンにまとめられる?

この金利の違いを見ると、全部のローンを住宅ローンにまとめられれば返済が楽になると考える人もいるかもしれません。ただ、自動車ローンやカードローンを住宅ローンにまとめるというのは、現実的には難しいことです。

なぜなら、借りる目的が違うからです。住宅ローンはあくまでもマイホームを購入するためのローンであり、自動車ローンは自家用車を購入するためのローンです。そのため、借りる金額も借りる期間も異なってきますし、自家用車は考え方として贅沢品です。もし、金融機関へ相談したとしても、断られる確率は限りなく高いでしょう。

住宅ローンをおまとめローンでまとめると?

とはいえ、複数のローンをまとめる方法がないわけではありません。金融機関の中には、複数のローンを一つにまとめて返済していく「おまとめローン」という商品を提供しているところもあります。

ただ、これはカードローンや消費者金融などの金利が高い借り入れが対象です。おまとめローンを利用すると、たとえば、A社で年利15%、B社で年利18%、C社で年利17%の借り入れをそれぞれしていたなら、そのローンを年利14%で1本にまとめて借り換え、金利負担を抑えて返済額を減らす、といったことができます。

東京スター銀行の場合、審査は3日程度で、金利は5.8~14.8%、借入金額は30万円以上1,000万円以下といった条件になっています。

金利の高いローンを複数抱えている人にとっては、使い勝手がいいかもしれませんが、金利の高さや、借入限度額が1,000万円と低いことを考えると、住宅ローンをおまとめローンでまとめるメリットは何もありません。

住宅ローンの借り換え時に他のローンをまとめることはできる?

次に、住宅ローンの“借り換え”時について考えてみましょう。現在の低い金利水準であれば、金利が今よりも高い時期に住宅ローンを借りた人の中には、借り換えを検討する余地のある人が多くいらっしゃるでしょう。

だからといって、住宅ローンを借り換える時に、自動車ローンや教育ローンで借りていた分までも住宅ローンで借り換えて、1本にまとめてしまうことは難しいです。先ほどもお伝えしましたが、資金の使い道が違うからです。

もしかしたら、金融機関の中には審査が通ってしまうところもあるかもしれませんが、かなりレアなケースです。基本的には難しいとお考えください。

リフォーム資金を住宅ローンにまとめたい!

自動車ローンなど融資の目的が違うローンを、住宅ローンにまとめられないことはおかわりいただけたでしょう。では、同じ家に関わるローンであるリフォームローンを、住宅ローンにまとめることはできるのでしょうか。

これについては、認めてくれる金融機関が多くあり、大きく次の2つがあります。

(1)住宅購入時
住宅(主に中古を)購入する時に、リフォーム費用の見積もりも出した上で物件価格とリフォーム費用を合わせた金額で、住宅ローン審査を受ける

(2)マイホームのリフォーム時
すでに住んでいるマイホームのリフォームをする場合は、住宅ローンの残債とリフォーム費用を合わせた金額を、1本の住宅ローンとして借り換える。

(2)の場合は、借り換えになるので、抵当権の設定費用やローンの事務務手数料など、借り換えにかかる費用も含めてメリットがある場合におすすめします。

返済額はどれくらい変わるの?

では、住宅ローンにリフォームローンをまとめた場合と、住宅ローンとリフォームローンを別々に組んだ場合では、返済額にどのくらいの差が出てくるのでしょうか。

住宅ローンを借り入れ中で、残債が1,800万円、返済残期間が15年の状態で、費用500万円をかけてリフォームする場合を例に考えてみましょう。金利は、上で例にあげた三菱UFJ銀行の金利と同じ金利を適用するものとし、リフォームローンの借入期間は10年とします。

<住宅ローンにまとめる場合>

 ローンの種類  借入額  毎月返済額  返済期間  総返済額
 住宅ローン  2,300万円  153,090円  15年間  27,556,200円

<別々に借り入れる場合>

 ローンの種類  借入額  毎月返済額  返済期間  総返済額
 住宅ローン  1,800万円  119,810円  15年間  21,565,800円
 リフォームローン  500万円  51,758円  10年間  6,210,960円
 合計  2,300万円  当初10年:171,568円、10年以降:119,810円  15年間  27,776,760円

まず、住宅ローンとリフォームローンを一本化して、住宅ローンとして借り換えた場合、住宅ローンの借入額は2,300万円、返済期間15年、金利2.475%、毎月返済額は153,090円となります。

次に、住宅ローンはそのままにして、新たにリフォームローンを借りた場合です。住宅ローンの借入額は1,800万円、返済期間15年、金利2.475%、毎月返済額は119,810円となります。また、リフォームローンについては、借入額500万円、返済期間10年、金利4.475%で、毎月の返済額は51,758円です。

よって、新たにリフォームローンを借りた場合の合計の毎月返済額は、171,568円となり、住宅ローンとまとめた場合(毎月返済額153,090円)と比べると、18,478円(171,568円−153,090円)の負担増となります。

この結果から、リフォームローンの場合、住宅ローンとまとめられるのであればまとめてしまったほうが金利も低く、返済期間も長くなるので、返済負担が軽減されることがおわかりいただけるでしょう。

賢いローンのまとめかたとは?

ここまで見たように、低利の住宅ローンにまとめられるのはリフォーム費用くらいで、自動車ローンや教育ローンは資金使途が違うので難しいということがおわかりいただけたでしょうか。

金利の高さが負担になる各種ローンではありますが、賢いまとめかたという点でいうと、私は「借りる金融機関をまとめる」ことをおすすめしています。

複数のローンを借りてくれる顧客は、金融機関からしてみれば、より多くの利息を支払ってくれる顧客です。いろいろ利用してくれているからこそ、金利の高いローンに対して、大きく優遇をしてくれることもあります。

自動車ローンなど各種ローンは、手軽に借りやすい反面、金利が高く、あとから低い金利のローンにまとめるのは難しいのが実際のところです。マイホームを購入する場合には、多くの人が住宅ローンを借りることになりますが、それ以外の各種ローンは、できるかぎり利用を最小限に抑える工夫をすることが、家計の安心にもつながってくると言えるでしょう。

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この記事の筆者
斎藤岳志 ファイナンシャル・プランナー(CFP)

百貨店勤務在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。マイホーム購入・売却相談の他、不動産投資のサポートも行っている。アニメのルパン三世や名探偵コナン、宮崎駿のジブリシリーズが大のお気に入り。

FPオフィス ケセラセラ横浜: http://fpoffice-yokohama.com/

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