この記事は、約5分で読めます

この記事は、ディスプレイデザイナーとして活躍する荒川昌子さんに「自分らしい部屋をつくる秘訣」を聞き、紹介する全2回の連載コラムです。前編の今回は「お部屋のディスプレイを始めるコツ」について語っていただきました。

前回は、キーカラーをベースとして自分好みの配色を導き出す方法と、限られたスペースでも狭さを感じさせず、快適に過ごせる空間づくりについてお話していただきました。今回も引き続き、ディスプレイデザイナーの荒川昌子さんに、簡単にお部屋のディスプレイを自分の思い通りにするためのコツを伺います。

前編はこちら:自分らしい部屋をつくる秘訣【前編】配色を決めるコツと狭い空間を有効に活用する方法

まずは小さなスペースから始めてみる

学生時代からインテリアに興味があったという荒川昌子さん。中学生の時には、青空と雲の布を使って自分部屋の天井を空にしたり、カラーボックスに雑誌の切り抜きを貼ってコラージュしたり、当時からデコレーションを楽しんでいたそう。

――荒川さんのお宅は4LDKで部屋数がありますが、どこから部屋作りに取り組みましたか?

荒川さん:我が家の場合は玄関でしたが、まずはトイレなど狭いスペースから始めてみることをお薦めします。リビングの壁一面に壁紙を貼るのは大変ですが、狭い場所なら気軽に始めることができます。賃貸物件でしたら大抵ビニールクロスだと思いますので、貼って剥がせる糊を使えば、ローラーで壁紙を貼り、模様替えや退去の際にはきれいに剥がせます。タイルの壁でしたら、剥がせるタイルを使うと良いですね。一度、小さなスペースで試し貼りをしてみれば、万が一の心配もありませんね。

ポイントは、シンメトリーと三角構成

――ディスプレイをするコツも教えてください。

荒川さん:ポイントは「シンメトリー」と「三角構成」です。背が高いものを配置し、その周りに少しずつ背が低いものを足していくとバランスをとりやすいでしょう。

壁にはフレームをたくさん飾っていますが「どうやって並べたらいいの?」とよく聞かれます。でも、特にルールはなく、メインで見せたいフレームを中央か左下に配置し、他の物を感覚で散りばめているだけ。一度決めてしまえば、季節ごとに中の写真を入れ替えるだけで装いを変えることができます。

ちなみに、傍らの小さな箱には鍵と印鑑を入れています。おしゃれにしようと思う気持ちも大切ですが、生活のしやすさを優先することも、デコレーションを楽しみ続けるコツです。

左:5月の新緑/中:ハロウィン/右:クリスマスをイメージした玄関スペース。
ハロウィンのかぼちゃは昨年、ショッピング施設のティスプレイに使用したもの。プロに依頼し、飾り用のかぼちゃにアクリルガッシュ塗装して製作してもらったそう。

四季をイメージしながら、手に入りやすい素材でディスプレイする

――ハロウィンならかぼちゃ、クリスマスならツリーやリースなど飾るものを想像しやすいですが、その他の季節は何を飾ったらいいのか悩んでしまいます。

荒川さん:春は桜、5月は新緑、6月は梅雨をイメージしてあじさいやてるてるぼうずといったところでしょうか? 新緑の季節は、100円ショップで購入したフォトフレームに人工芝を貼るだけで可愛らしいディスプレイが完成します。フレーム内にも、グルーガンでグリーンを付けてもいいですね。グルーガンはスティック状の接着剤で、100円ショップで手に入ります。夏でしたら、ホームセンターで白いロープを購入し、ぐるぐると巻いて垂らしてみましょう。そこにヒトデや船などを配置すれば、マリンをテーマとしたディスプレイの出来上がり。もうひと手間加えるなら、ロープをバスケット状に巻いてグルーガンで接着し、ひまわりを入れてみても良いでしょう。

玄関にリースを飾るのもお薦めです。春はミモザのリース、夏は貝殻やヒトデをつけたマリンリース、秋はハロウィン意識してレンガ色のあじさいの造花を使ったリース、冬はクリスマスリースといった具合です。四季ごとにボックスを作ってディスプレイ用品をまとめておけば、面倒な気持ちにならずにデコレーションを実践できると思います。

長靴に造花を入れるだけで、梅雨時期のデコレーションが出来上がり。「家で真似しやすいディスプレイ」をテーマに、ショッピング施設のディスプレイで実際に取り入れた手法だ。

――ディスプレイの材料は、どこで購入していますか?

荒川さん:リビングに飾っている赤いフレームは、インターネットで購入。安価な商品には重厚感こそありませんが、軽いものが多いので壁に取り付けるには好都合です。しっかりしたものが欲しければ、資材屋で購入しましょう。

購入したものに手を加えることも多いですね。カラースプレーで色を変えることもありますし、アンティークのフレームが割れてしまった際はグルーガンで造花を付けて隠しつつ、おしゃれに仕上げたこともありました。

春をテーマにしたデコレーションの一例。家にあるものと100円ショップで購入した食器に造花を飾り付けるだけで楽しい雰囲気に。花はグルーガンで接着している。

ディスプレイから始まる家づくりもアリ!

――真似したいアイディアばかりですね! でも、まずは部屋の片づけから始めなければ……。

荒川さん:断捨離や掃除を頑張ってからでないと、ディスプレイを楽しむことはできないと思っている方が多いようです。でも、どこか一ヶ所お気に入りの空間ができれば、その空間を保ちたい気持ちから「掃除も頑張ろう」と思えるはず。玄関やトイレ、洗面所、出窓など、まずは小さなスペースからチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

例えば我が家では、トイレの窓際に旅先で買い集めたスノードームを並べています。大がかりなことをしなくても、お気に入りの小物を飾るなど、ちょっとしたことから始めてみるとどんどん楽しくなっていくと思いますよ。

<取材者プロフィール>
荒川 昌子(あらかわ まさこ)
大学時代にプロダクトデザインと空間デザインを学んだ後、空間デザインの会社で大手百貨店のウィンドウディスプレイなどVP(ヴィジュアルプレゼンテーション)の施行管理を担当。空間デコレーター・ディスプレイデザイナーとして空間の装飾を行うほか、ファッション系コンテンツのライター・パーソナルスタイリストとしても活躍している。

<連載>プロに聞くお部屋を自分らしくデコレーションして楽しむコツ
自分らしい部屋をつくる秘訣【前編】配色を決めるコツと狭い空間を有効に活用する方法
自分らしい部屋をつくる秘訣【後編】気軽にディスプレイを始めるための心構えとは

関連記事

カンタンな質問でおススメ物件診断

住宅ローンをご検討中の方

この記事の筆者
斎藤若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

おすすめ記事