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週末に田舎で過ごすセカンドハウスがほしい、大学生の子どもが住むマンションを買いたいといった場合、既に持ち家など住宅ローンを組んでいる状態で新たに住宅ローンを組むことはできるのでしょうか。その場合でも、親族居住用住宅ローンやセカンドハウスローンと呼ばれるローンを組むことが可能です。それぞれどのような特徴で、融資の条件はどのようなものなのでしょうか。また、二件目のローンを組む際の注意点についてもご説明します。

もう1軒、家を購入したい!住宅ローンのダブルローンは可能?

「通勤に時間がかかるので職場の近くに寝泊まりするマンションがあるといい」「子どもが大学進学で上京するので都内にマンションを買おうかと思う」「週末は都会を離れて田舎で暮らしたい」こんな理由から、二軒目の家を買うことを検討するケースがあります。ですが、すでに住宅ローンを組んでしまっている場合、二件目の住宅ローンを借りることはできるのでしょうか。

結論は「条件を満たせば」可能です。

本来、住宅ローンは、融資を受ける本人が居住する家を購入するためのローンです。ですから、多くの金融機関では一世帯に一件の住宅ローンを原則としています。

では、二件目の家を購入するためのローンは組めないのかといえば、必ずしもそうではありません。上記で記載したように条件を満たせば住宅ローンを組むことはできます。どのような場合にどのような条件を満たせば住宅ローンを組むことができるのか、具体的に見ていきましょう。

二件目の住宅ローンを組める2つのケースとは?

二件目の住宅ローンを組むことができるケースとしては、大きく分けて2つあります。ひとつは“住み替えのために一時的に住宅ローンを二重に組むケース”、もうひとつは“セカンドハウスローンや親族居住用住宅ローンを組むケース”です。この記事では、後者について解説するのが目的ですが、前者についても簡単にふれておきましょう。

(1)住み替えのために一時的に住宅ローンを二重に組む

現在の家を売却して、新しい家を購入する際、一時的に住宅ローンを二重に借り入れする場合があります。住宅ローンの残った家の売却目処は立っていないけれど、新たな住宅ローンを組むことに問題がない場合や、売却の目処が立っていても、新居購入までに売却手続きが間に合わない場合に、一時的に住宅ローンを二重に組むケースがこれに当たります。この場合、現在の家の売却が成立するまで、二件の住宅ローンの返済を続けることができれば特に問題はないと言えるでしょう。

(2)親族居住用住宅ローン、セカンドハウスローンを組む

前述したように、住宅ローンはマイホーム購入のための融資なので、基本的に一世帯に一件のローンしか組めません。ですが、親族が居住するための家や、週末などに過ごすセカンドハウスを購入するための住宅ローンを取り扱っている金融機関があります。金融機関によって違いますが、親族居住用住宅ローンやセカンドハウスローンと呼ばれる商品です。

どちらのローンも、融資を受ける本人や、その親族が居住する場合にのみ利用できることになっています。

参考:セカンドハウスの購入でも申し込める、ARUHIフラットのメリットとは

親族居住用住宅ローン、セカンドハウスローンを借りる条件は?

次に、これらのローンを借りるための条件について見てみましょう。

(1)返済能力があること

親族居住用住宅ローン、セカンドハウスローンについても、一般の住宅ローンと同じように審査があります。

すでに借り入れている住宅ローンに加えて、新たにローンを組むことになるので、二重にローンを組んでも返済していけるかどうかが問われます。そのため、審査は厳しくなる可能性が高いでしょう。具体的には、各金融機関が定める返済比率(年収に対してローンの返済額が占める割合のこと)の基準を超えていないことが条件になります。

【フラット35】を例にあげると、「年収400万円未満は30%以下」「年収400万円以上は35%以下」という基準が設けられています。

たとえば、年収600万円の会社員が、3,000万円の住宅ローンを返済期間35年、金利1%で借りているとすると、毎月の返済額は8万4,686円、年間にすると101万6,232円です。この場合の、返済負担率は16.9%(101万6,232円÷600万円×100=16.9)になります。

年収600万円の場合、返済比率の基準は「35%以下」なので、年間の返済額の上限は210万円(600万円×35%=210万円)です。計算上、あと108万円ほど返済額が増えても返済比率の基準は超えません(210万円-101万6,232円=108万3,768円)。

そのため、新たなローンを、返済中の住宅ローンと同じ1%の金利で借りることができれば、マイホームと同額の3,000万円程度は借り入れることができると考えられます。

ただし、返済比率は住宅ローン以外の借り入れについても対象になるので、自動車ローンなどがある場合は、借入可能額はより低くなります。

(2)投資用でないこと

前述したように、親族居住用住宅ローンもセカンドハウスローンも、融資を受ける本人や、その親族が居住することが融資の条件になっています。第三者に賃貸する目的で購入する物件には利用できません。

最近、老後に備えての資産形成などを目的とした不動産投資が話題にあがることが多いですが、不動産投資のためには利用できないということです。賃貸目的の場合、住宅ローンよりも金利が高い、不動産投資用のローンを組むことになります。

不動産投資をしている人が、金利負担を抑えるために、金利の低い住宅ローンで購入した住宅に一度住んだ後、転勤などの特別な事情がなく転居をし、その住宅を賃貸に出しているという話を聞いたことがありますが、金融機関に発覚した場合、一括返済を求められることになります。くれぐれも、金融機関に虚偽の説明をし投資目的で住宅ローンを組むことなどないようにしてください。

ダブルローンなら【フラット35】がおすすめ

ここで注意していただきたいことが一つあります。それは、一般的にセカンドハウスローンの場合、通常の住宅ローンと比べると金利が高くなっているということです。たとえば、2017年8月時点で見ると、三菱東京UFJ銀行のセカンドハウスローンの金利は、通常の住宅ローンの金利より「0.8%上乗せ」になっています。理由としては住宅ローンは自己居住用として生活のために必要な住宅を購入するという考えのもと金利が低く設定されていますが別荘などのセカンドハウスは生活するための住宅ではなくあくまで贅沢品であるという考え方のため住宅ローンと比較すると金利が高く設定されています。

そこで私がおすすめしたいのが、【フラット35】です。

その理由は2つあります。一つは、「通常の住宅ローンと同じ金利で借りられる」、そしてもう一つは「全期間固定金利型なので返済額が一定である」です。

ただし、【フラット35】の借入限度額は8,000万円に定められています。ですが、借入金額をそれ以下に抑えられるのであれば、セカンドハウスローンとしては【フラット35】がおすすめと言えるでしょう。

2つの住宅ローンを1本にまとめることはできる?

借り入れをしている側からすると、二件の住宅ローンを別々に返済していくよりも、1本にまとめることができれば家計管理もやりやすくなることでしょう。二件の住宅ローンを1本にまとめることはできるのでしょうか。

セカンドハウスローンは、さきほどお伝えしたように、通常の住宅ローンよりも金利が高めに設定されています。そのため、これを1本にまとめることはできません。

二件目の住宅ローンでも住宅ローン控除は受けられる?

もう一つ、気になるのが住宅ローン控除です。二件目の住宅ローンについても、住宅ローン控除を受けることはできるのでしょうか。

不動産投資のためではなく、自分や親族が住むのだから、親族居住用住宅ローンやセカンドハウスローンであっても、住宅ローン控除が受けられるのでないかと考える人もいらっしゃることでしょう。

ですが、残念ながら、二件目の住宅ローンで住宅ローン控除を受けることはできません。住宅ローン控除の要件には、「新築又は取得の日から6カ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること」という内容があります。さらに、控除を受けるためには登記簿謄本と住民票の提出も必要です。たとえば、子どもの住居を購入した場合、子どもの住民票をその住所地に移したとしても、購入した部屋の所有者が親であれば、居住者と所有者が同一人物ではないため控除は受けられないということです。

セカンドハウスの購入にあたっては、目的や利用価値を考えて、慎重に検討することをおすすめします。そして、検討の結果、本当に必要だと判断した場合だけ購入を決めるようにしてください。

マイホーム以外に住居を持つことは、ローンをそれだけ多く組むことになり、ローンの返済の負担も大きくなります。せっかくセカンドハウスを購入しても返済が続けられず、結局は売却せざるを得なくなってしまっては、はじめから購入などしないほうがよかったということになってしまいます。

このことは十分に留意していただきたいと思います。

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この記事の筆者
斎藤岳志 ファイナンシャル・プランナー(CFP)

百貨店勤務在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。マイホーム購入・売却相談の他、不動産投資のサポートも行っている。アニメのルパン三世や名探偵コナン、宮崎駿のジブリシリーズが大のお気に入り。

FPオフィス ケセラセラ横浜: http://fpoffice-yokohama.com/

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