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マイホームは人生最大の買い物です。それだけに住宅ローンは非常に大きな金額になりますが、よくわからないまま金融機関や不動産会社にすすめられるまま、ローンを組んでしまう人もいるようです。ですが、金利や諸費用など、ちょっとした違いで負担する金額が大きく違ってしまうのが住宅ローンです。ここでは、納得して住宅ローンを選んでいただくためのポイントと基本的な考え方をご説明します。

住宅ローンを納得して選ぶには?

住宅ローンは、多くの金融機関がさまざまな商品を販売しており、その数は1,000を超えると言われています。これだけ多くの住宅ローン商品の中から、どの商品を選べばよいのか、自分で情報を集めて、判断するのは簡単なことではありません。そのため、中には金融機関や不動産会社にすすめられるままに住宅ローンを組んでしまう人もいることでしょう。

ですが、マイホームは人生で最大の買い物です。2,000万円、3,000万円といった多額のローンですから、利息だけでも非常に大きな額になり、その返済負担は無視できません。変動金利型で借りている場合には、金利上昇があれば、家計の見通しが大きく変わってしまうこともあるでしょう。また、返済年数の設定や、ボーナス払いをするかどうかといった返済プランによっても返済総額は変わってきます。それなのに、人に言われるまま、よくわからないまま、借金をしてしまっていいのでしょうか。やはり、ご自身でどんな住宅ローンがいいのか考えて、納得した上で選んでいただきたいところです。

とはいえ、何の道標もないままに検討することはできません。そこで、まずは住宅ローンを選ぶためのポイントを確認してみましょう。

住宅ローンを選ぶ7つのポイント

住宅ローンを選ぶためのポイントは、次の7つになります。

1.金利 「全期間固定金利型」か「変動金利型」
2.返済方法 「元利均等返済」か「元金均等返済」
3.融資期間 何年まで組めるのか(※)
4.保証料 「無料」か「最初に一括で支払い」か「毎月の金利に上乗せ」
5.融資手数料 「借入金額にかかわらず一律」か「借入金額の一定割合」
6.繰上返済手数料 「無料」か「有料」
7.団体信用生命保険 「任意加入」か「強制加入」

(※)金融機関による違いはありますが、80歳-ご年齢(最長35年)と考えて頂くケースが多いです

こうして見てみると、「手数料や保証料が無料で、借入金利が安い住宅ローンがいい」と考える人がほとんどなのではないでしょうか。ですが、「保証料は無料だけど融資審査が厳しい」「繰上返済手数料は無料だけど、事務手数料が高い」など、すべてが希望通りになる住宅ローン商品というものはありません。

金利のタイプや利息額、手数料などの諸費用の負担をトータルで考えて、自分にとって最も有利と思える住宅ローンを選ぶのが基本的な考え方になります。

固定と変動どちらを選ぶ? 金利タイプの種類と特徴は?

住宅ローンを選ぶポイントの中で、最も重要であり、まず考えなければならないのが、「全期間固定金利型にするか変動金利型にするか」という金利タイプ選びです。金融機関のサイトで固定金利プラン、変動金利プランなどと紹介されているのをご覧になったことがあるのではないでしょうか。

固定金利型は、金利上昇があっても最初に借りたときの金利が変わることがないので、借り入れした時点で総支払額が決定するのが最大の特徴です(繰上返済した場合は変動します)。また、返済期間が30年であっても35年であっても、その間、毎月の返済金額が変わりません。そのため、家計の管理がしやすく、将来の貯蓄計画も立てやすいというメリットがあります。

変動金利型は、半年ごとに金利の見直しが行なわれて、適用金利が変動するタイプです。固定金利型よりも低い金利で借りることができるのが魅力ですが、将来的に金利上昇があった場合には、返済額が増えることになります。

借入額が少ないとか、短い期間で返済できるといった人や、借入当初の返済額をできる限り抑えたいという人には向いています。

なお、3年固定とか10年固定など、借り入れ当初から一定期間の適用金利が固定される固定金利期間選択型という金利プランもありますが、まずは大枠として変動金利型か全期間固定金利型かを検討することが大切なので、ここではふれません。

住宅ローンには公的ローンと銀行などが扱う民間ローンがある

全期間固定金利型の代表は、住宅金融支援機構の住宅ローンである【フラット35】です。一方、変動金利型は、民間金融機関で扱う住宅ローンの主力商品になっています。

参考:安定した収入さえあれば申し込めるARUHIフラット35。そのメリットはこちら

住宅ローンには、公的ローンと民間ローンの2種類があると言われますが、この【フラット35】が公的ローン、民間金融機関が独自に扱っている住宅ローンが民間ローンです。

民間の金融機関が独自に扱っているローンは、それぞれに商品名があり、幅広いラインナップになっています。女性向けやシニア向けの他、外国人専用住宅ローンなどもあり、金利についても変動金利型だけでなく、変動金利型と全期間固定金利型を組み合わせて借りることができるなど、選択肢が豊富と言えます。

ただし、民間金融機関の融資審査は非常に厳しく行われます。なぜなら、金融機関は貸し出したお金に利子をつけて返してもらうことで利益を上げているため、返済が滞ることは死活問題だからです。融資したお金が回収できなくなることを防ぐため、民間ローンの多くでは、保証会社を利用することが融資の条件とされています。また、団体信用生命保険(団信)への加入はほぼ必須となっていて、健康状態に問題があって団信に加入できない場合、融資を受けることはほぼできません。

一方、公的ローンである【フラット35】は、国がみなさんのマイホーム取得をバックアップする意味合いを込めてつくられた住宅ローンです。そのため、融資審査では融通が効く場合があり、民間の金融機関に比べると、借りやすいと言われています。実際、民間の金融機関では住宅ローンの審査がダメでも【フラット35】は借りられたというケースもあります。また、保証会社を利用する必要がないので保証料はかかりませんし、団信への加入も任意となっています。ただし、民間ローンの場合、団信の保険料(団体信用生命保険料)は基本的に金融機関が負担しますが、【フラット35】の場合は借入金利に0.28%が上乗せされます。なお、【フラット35】の金利タイプは全期間固定金利型のみの扱いになっています。

事務手数料や保証料も大切なポイント

住宅ローンを選ぶ上では、事務手数料や保証料など「諸費用」と呼ばれるお金もポイントになります。

事務手数料は、融資手数料とも呼ばれる費用です。住宅ローンを取り扱う金融機関に支払う手数料で、「定額型」と「定率型」の2つがあります。定率型は融資額にかかわらず「一律で○万円」という形で一定の金額を支払います。また、定率型は「借入金額の○%」という形で、融資金額に応じて金額が変動します。

次に保証料ですが、これは信用保証会社の保証を受けるための費用です。この保証をつけておくと、万が一、住宅ローンの返済ができなくなってしまった場合、代位弁済といって、信用保証会社がローンを組んだ人の代わりに住宅ローンの返済を行います。といっても、住宅ローンを組んだ人の返済義務がなくなるわけではなく、金融機関ではなく信用保証会社に返済をしなければなりません。

保証料は、ローンを組む人の信用力や借入金金額、借入期間など、住宅ローンの審査内容によって決まります。保証料の支払いは、借入時に一括前払いする方法(保証料外枠方式)と、保証料分を金利上乗せして毎月の返済額と一緒に支払う分割方式(保証料内枠方式)があります。

金額の目安ですが、一括前払いであれば、たとえば35年ローンを組む場合、100万円あたり2万~8万円程度になります。もし、3000万円を借りるとすると、60万~240万円くらいになるイメージです。また、分割方式の場合は、住宅ローン金利に0.2〜0.3%程度が上乗せされるのが一般的です。なお、前述したように【フラット35】では保証料は不要ですし、住信SBIネット銀行やイオン銀行などのネット銀行の場合、保証料は不要です。

住宅ローンの諸費用はかなりの金額になりますので、金利だけを比較するのではなく、初期費用も含めて住宅ローン選びを考えることが大切です。

2つの返済方法について知っておこう

次に返済方法についてお話しします。住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済があります。それぞれの返済方法について、一言で説明するなら、元利均等返済は「毎月の支払いが一定になる返済方法」、元金均等返済は「毎月の“元金”の返済額が一定になる返済方法」と考えてください。

元金均等返済は、元利均等返済に比べて、元金の減少が早いため、返済が進むにつれて毎月の返済額は少なくなります。そのため、元利均等返済よりも総支払額が少なくてすみます。

ただし、元利均等払いよりも当初の返済額が多いため、借入時に必要な収入が高くなるというデメリットもあります。

一方、元利均等返済は、毎月の返済額が一定なので返済計画が立てやすく、元金均等返済に比べて、当初の返済額を少なくすることができます。

元利均等返済の場合は、毎月の返済額が一定なので返済計画が立てやすいと言えます。ただ、返済当初は返済額のうち利息の占める割合が大きいので、元金の減少が元金均等払いよりも遅いため、トータルの総支払額としては元金均等返済よりも多くなります。

ボーナス併用払いはおすすめか?

なお、ボーナス併用払い、いわゆるボーナス払いでの返済方法を選ぶこともできますが、あまりおすすめできません。毎月の返済額は抑えられるので、一見よさそうに思えるのですが、いまや会社勤めも安泰な時代ではなくなりつつあるので、業績によってはボーナスが出ない可能性も否定できません。

いつも受け取っていると当たり前のように感じてしまいますが、ボーナスはあくまでも臨時収入です。返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)がその一例ですが、金融機関の審査は、ボーナスも含めた年収ベースで行われます。そのため、毎月の収支だけで考えた場合よりも融資可能額は多めに出てくるのですが、あくまでも毎月の家計収支をベースに借りていい金額を考えることをおすすめします。毎月の収入と支出のバランスの中で、無理なく返済していける金額で住宅ローンを組むことが大切だと私は考えます。

超低金利時代は、全期間固定型の【フラット35】がおすすめ!

人それぞれ考え方も経済状況も違うので、どんな住宅ローンを選ぶかは、人によって判断が分かれるところかと思います。

ただ、家計の安定や家計管理のしやすさという点から考えると、私は全期間固定金利型の【フラット35】をおすすめします。超低金利時代である今、30年、35年といった住宅ローンを組むのであれば、「金利の変動を気にすることなく、低金利の恩恵を最大限に受けられる」ということが非常に大きなメリットだからです。金利動向、金上昇リスクを気にする必要がないというのは、精神的に大きな安心につながることでしょう。

しかも、全期間固定金利型であれば、借入時点で住宅ローンの総返済額が決まります。逆に言えば、変動金利型の場合、金利の変動によって総返済額も変動するわけですから、「マイホームを、一体いくらで買ったのかがわからない」ということになります。人生最大の買い物をするのに、自分が最終的にいくら払うのかわからないまま契約してしまうのは、非常にリスクの高いことと言えるのではないでしょうか。

現在、金利水準は、これ以上下がる可能性が限りなく低いところまで下がっています。そう考えると、政府もインフレ目標を掲げているように、今後、金利が下がる可能性より上がる可能性のほうが高いと言えるでしょう。

この状況であれば、金利変動リスクを取って変動金利型を選ぶよりも、固定金利を選んでおいたほうが、将来的にも安心ではないでしょうか。

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この記事の筆者
斎藤岳志 ファイナンシャル・プランナー(CFP)

百貨店勤務在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。マイホーム購入・売却相談の他、不動産投資のサポートも行っている。アニメのルパン三世や名探偵コナン、宮崎駿のジブリシリーズが大のお気に入り。

FPオフィス ケセラセラ横浜: http://fpoffice-yokohama.com/

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