外国人の“借入金額”や“返済比率”は日本人と違う? 住宅ローン【フラット35】利用状況を分析【後編】

前回(住宅ローン【フラット35】の外国人の“借り入れの多いエリア”や“雇用形態”など、利用状況を分析【前編】)は、アルヒ株式会社で全期間固定金利型の住宅ローン【フラット35】の借り入れを行った外国人の多い都道府県や都内のエリア、雇用形態について調査しました。今回はもう一歩踏み込んで、住宅ローンを組んだ外国人の借り入れ金額について調査。住宅購入に対する想いや国籍による借り入れ計画の違いが見えてきました。

日本人に比べ、外国人による住宅ローンの借り入れは返済比率が高めの傾向

住宅を購入した外国人の「平均年収」や「返済比率」、「物件価格」、「借入金額」、「頭金」、「物件種別」を、日本人と比較しました。

<【フラット35】借り入れ平均 外国人と日本人の比較【2】>

 国籍  年収  返済比率  物件価格  借入金額  頭金  物件種別
 外国人  390万円  24.0%  2,825万円  2,449万円  245万円  新築戸建て(建売)
 日本人  478万円  23.1%  3,172万円  2,702万円  346万円  注文住宅

(参考:【フラット35】利用外国人の「業態」「職種」「居住地」「年齢」「家族構成」等の比較はこちら

外国人が購入する物件価格の平均は、2,825万円。日本人は「注文住宅」を建てる人が多いのに対し、外国人は全体で見ると、「新築戸建て(建売)」を好む傾向にあるようです。

●「返済比率」の傾向

年収400万円未満の場合、【フラット35】の借り入れの返済比率は30%、400万円以上ですと35%まで借り入れが可能です。つまり、平均年収390万円の外国人は年収に対する年間返済額の割合が30%までの方が多く、平均年収が478万円ある日本人は35%まで借り入れできる方が多いことになります。しかし実際には、日本人の返済比率が23.1%なのに対し、外国人の方が24.0%と高い傾向にあることが分かりました。

●「頭金」の傾向

頭金に関しては、日本人の346万円に対し、頭金ゼロの方が多いこともあって245万円と少なめ。堅実で、頭金を準備して身の丈に合った物件を購入する傾向にある日本人に対し、外国人は少し背伸びをした借り入れ計画を立てる傾向が伺えます。

ブラジル人は、注文住宅を建てる傾向あり!

続いて、外国人に人気の物件種別を詳しく見てみましょう。

<【フラット35】の借り入れを行った外国人の物件種別ランキング>

順位 物件種別
第1位 新築戸建て(建売)
第2位 注文住宅
第3位 中古マンション
第4位 中古建売
第5位 新築マンション

最も購入者が多かった「新築戸建て(建売)」や「中古マンション」・「新築マンション」の物件種別は、中国人の割合が多い傾向にありました。 その一方で、第2位の「注文住宅」の主な購入者はブラジル人でした。
中国人の多くが首都圏に在住しているのに対し、ブラジル人が主に暮らしているのは、自動車工場が点在する東海地方。首都圏と比べて土地価格が安いため、注文住宅を建てやすいと考えられます。

また、明るく社交的な傾向にあるブラジル人は、週末に仲間を招き、庭でバーベキューパーティを開く方も多いのだとか。そうしたライフスタイルも、注文住宅を建てる決断に至る理由の一つかもしれません。

中国人はマイホームの購入に積極的?

外国人の中でも、国によって住宅購入の傾向は異なるのでしょうか? 主な国別に見てみましょう。

<外国人の【フラット35】借り入れ状況国別比較【2】>

 国籍  年収  返済比率  物件価格  借入金額  頭金  物件種別
 中国人  468万円  24.5%  3,179万円  2,646万円  413万円  新築戸建て(建売)
 ブラジル人  359万円  23.0%  2,482万円  2,230万円  70万円  注文住宅
 フィリピン人  354万円  23.0%  2,224万円  1,988万円  50万円  新築戸建て(建売)

「中国人」は、平均年収が高いことに比例して、購入する物件の価格や借り入れ金額も高め。頭金を潤沢に用意していることも特徴です。他の外国人と比べて購入資金に余裕がありそうに思えますが、返済比率は「ブラジル人」や「フィリピン人」の23.0%に対して「中国人」が24.5%と若干高め。住宅に対するお金のかけ方の違いが見て取れます。

中国では「持ち家がないと結婚できない」という考えが浸透しています。持ち家の有無がステータスでもあるため、男性は結婚が決まるまでに、多少無理をしてでも住宅を購入するのだとか。今回の調査により、中国人のマイホームに対する思いの強さが浮き彫りになりました。

頭金ゼロの外国人も借り入れしやすい、ARUHIの【フラット35】

住宅ローンの借り入れに際し、一般的には、物件価格に対して2割程度の頭金を用意すると良いと言われています。アルヒ株式会社で【フラット35】の借り入れを行った外国人の頭金を調査したところ、頭金を入れている人はわずか46%という結果に。半数以上の外国人が、頭金ゼロで借り入れをしていることが分かりました。

(参考:外国籍の方でも申込みができる。 ARUHIフラットのメリットとは

一般的な住宅ローンの場合、ある程度の頭金を用意することが求められますが、ARUHIの【フラット35】なら、頭金の準備がなくても借り入れできることから、外国人の利用が多いのではないかと考えられます。

永住権を持つ外国人の方で、住宅ローンの借入先にお悩みの方は、ARUHIの【フラット35】を検討してみてはいかがでしょうか?

(参考記事:外国人でも住宅ローンは借りることができる? 永住権なしでも問題ない?

■調査概要(ARUHI調べ)
●調査地域:全国
●調査対象:【フラット35】の融資を実行した外国人1,611名、
●調査データ:ARUHIの【フラット35】を利用した外国人の成約データより
●調査期間:2016年1月1日~2017年3月31日
※金額は1万円未満を切り捨てで記載

【前編を見る】【フラット35】の外国人の“借り入れの多いエリア”や“雇用形態”など、利用状況を分析>>

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(最終更新日:2019.10.05)
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